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脚光浴びるジャンボ軍団「女子部」! 原英莉花、西郷真央、笹生優花・・。男子AbemaTVツアーへの挑戦者も。

ジャンボ邸練習場に集まり、ジャンボを囲む軍団の食事会(千葉県内)
練習場の打席附近に腰を据えてアカデミーたちのスイングを見守る尾崎将司。

ジャンボ軍団の「女子部」が脚光を浴びています。先日4ヵ月遅れで開幕した女子ゴルフツアー「アース・モンダミンカップ」初日にトップタイに立った笹生優花(さそう・ゆうか=19歳)もその一人。かと思えば4日間の激闘のすえ、首位に2打差の5位タイに並んだ原英莉花(21)、笹生優花、西郷真央(18)の3人は、いづれも尾崎将司を師とするジャンボ娘。かつてはジャンボ3兄弟はじめ飯合肇、金子柱憲、川岸良兼らいかつい面々が切磋琢磨したジャンボ軍団も、時代が変ればジャンボ娘たちの黄色い掛け声とジュニアゴルファーの甲高い声が充満する新しい世界が拓けています。名ずけて「ジャンボ尾崎ゴルフアカデミー」。ジャンボ邸のある千葉・千葉北に本拠を構える基地はこのところ一段と活気にあふれています。

 

 

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ジャンボ軍団「女子部」のリーダー格、原英莉花。今季も好調なスタート。

いまや押しも押されもせぬシード選手、原英莉花のホームとしてジャンボ邸練習場は広く知られるようになりました。アマチュア時代は無名に近かった原英莉花は高校1年の15年、ジャンボ軍団の門をたたき、その後設立されたジャンボアカデミーには週1で通うようになって、メキメキと腕を上げてきました。18年7月プロテスト合格。そして昨年6月、20歳で「リゾートトラストレディス」でツアー初優勝と、着実に階段を駆け上がってきました。技術面、メンタル面でもらったジャンボの的確なアドバイスは、血となり肉となりました。シード権を確定させたとき、ベンツを買おうとして「賞金女王にもならないで、ベンツはないだろう」と、たしなめられて、ハッとしたこともあったという。今年は新型コロナウイルスの影響で足止めを食いましたが、原英莉花は昨年初優勝の前ジャンボからもらった「勇気」の言葉を胸に秘め「強気に攻めるだけでなく、今年は技術的にもしっかり磨いて大人のゴルフをしたい」と新シーズンにかけています。4ヵ月遅れの初戦でしたが、2打差5位フィニッシュは上々のスタートいえるでしょう。

フィリピン国籍を持つ笹生優花。ジャンボ軍団「女子部」で腕を磨いている。

西郷真央。地元千葉・船橋市2001年生まれのミレニアム世代。高校入学前にジャンボ尾崎ゴルフアカデミーのセレクションを受け、1期生に合格。ジャンボや軍団の山田竜太コーチ(41)らの指導を受けてきました。千葉・麗沢高3年の19年には日本女子アマ選手権で優勝。一躍名前を知られ、昨年11月には最終プロテストにも合格。待ちに待ったプロ初戦がアース・モンダミンでした。最終日には最終組で21歳・田中瑞希、20歳・古江彩佳とルーキー同士で回り、女子ツアー新時代の到来と騒がれました。無観客での開催でしたが西郷は「アマチュアの試合はギャラリーが入らないので慣れています」と堂々のデビューぶり。前半に4バーディーを奪って一時は首位に並ぶ勢いでした。難関の9番パー3(189ヤード)でグリーン右手前の池に落とすダブルボギーでプロ初戦Vの夢はつぶれました。しかし優勝者へ2打差の5位タイの健闘は大物の片りん。日本ウェルネススポーツ大に進学。大学生プロとしての毎日が続きます。

ジャンボ軍団「女子部」の新鋭、西郷真央。ツアー初戦優勝は惜しくも逃がして、2打差5位。

初日6バーディー、ノーボギーの66。トップタイで驚かせた笹生優花がいます。01年生まれ。西郷と同じミレニアム世代の19歳。フィリピン人の母と日本人の父を持ち、フィリピン国籍も有する国際派。フィリピン代表でアジア大会の金メダルホルダー。来年の東京五輪出場争いで比国代表の1番手につけています。日本のプロテストでは昨年18位合格。そのあとからジャンボ尾崎の指導を受け始めた異色の飛ばし屋です。ジャンボ尾崎アカデミーで鍛えられれば、個性あふれるゴルフを伸ばせるでしょう。注目したい若者です。

ジャンボアカデミーにはこのほか川崎志穂(24)、野澤真央(23)ら数人の女子プロがいます。171㌢の長身で、260ヤードを飛ばす川崎は、昨年4月に男子の2部 AbemaTVツアー「iGolf Shaper チャレンジ in 筑紫ヶ丘」にトライ。予選落ちはしましたが、初日73を出すなど、男子顔負けのゴルフを披露しました。昨年からジャンボ軍団の指導を受ける″生徒〝です。

ジャンボ・アカデミーの先生格、山田竜太コーチ(41)

千葉北にある「ジャンボ邸練習場」は、すばらしい環境です。ゴルフ場にしたら2ホールはできそうな広大な敷地に、打ちっ放し打席。その中にはいくつものグリーンがあってアプローチの練習は自由自在。ジャンボはカートに乗ってコース内を巡回しながら芝生の手入れを怠りません。打席では山田竜太メインコーチや数人の指導陣。男子の金子柱憲プロや小山内護プロらやってくる先輩連が気の付いたアドバイスを飛ばしてくれます。こんな恵まれた練習環境もそうはありません。じっと見守るジャンボが放つひと言ふた言のアドバイスは、若い選手にとっては113勝男からの″金の助言〝でしょう。最近発足した「ジャンボ尾崎アカデミー」から有能選手が次々と頭をもたげてくるのも分かる気がします。73歳になった尾崎将司が「生涯現役」を唱えながらも、新たな夢を膨らます発進基地です。

(了)