Daily Archives: 2021 年 1 月 12 日

選手会主催の初大会登場!新規2大会参入で今季は24試合。低迷続く男子ツアーの人気回復成るか?!

新規選手会主催大会をリモート発表する時松隆光選手会長(右)と池田勇太副会長(右)=写真提供:JGTO

コロナ禍が静まらない中、2021年の新年が明けました。ゴルフ界も依然として前途多難ですが、年末には注目の男子ツアー日程が発表され、昨季より1試合減の24大会が決定しました。新規参入は、ISPS(国際スポーツ振興協会=半田晴久会長)が主催する「ISPSハンダ・ガツーンと飛ばせ!」(7月)と、選手会が主催する初の大会「ジャパン・プレーヤーズチャンピオンシップ・リシャール・ミル」(5月)の2試合=ともに会場未定=。男子ツアーの昨年は、新型コロナウイルスの影響で25戦中6戦の開催にとどまり、20年―21年シーズンは統合され1シーズンとなりました。1月に行われてきた「SMBCシンガポール・オープン」と9月の「ANAオープン」は、開催を前提に調整中として発表から外れましたが、この2試合が開催決定すれば合計26試合で昨年より1試合増となる可能性が残されています。

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リモート会見する青木功JGTO会長

新型コロナ禍で昨季は6試合(国内5試合)しか開催できなかった男子ツアーです。スポンサー離れが懸念されましたが、フタをあけてみればほぼ同数の大会を維持でき、青木功会長はじめ関係者もホッと胸をなで下ろしたところです。中でも、日本ゴルフツアー機構(JGTO)と感情のもつれから仲たがい状態だった半田晴久会長率いるISPSが、18年の「ISPSハンダ・マッチプレー選手権」以来3年ぶりに男子ツアーに復帰。賞金総額8300万円の「ISPSハンダ・ガツーンと飛ばせ!」(7月22~25日、開催コース未定)を新規参入させてきたのは、男子ツアーにとって朗報です。半田晴久会長は「ゴルフ界のため、試合が減って苦しむ選手達のためにも力になりたい。青木功会長ともよく話合った」と、JGTOとの氷解を語っています。ISPSは最近でもハンダ・グローバル・カップを15~16年。ハンダ・マッチプレー選手権を17~18年と男子ツアーには縁の深いスポンサー。シニアツアーにも手を差し伸べており、コロナ禍に苦しむゴルフ界には貴重なスポンサーです。

男子ツアー風景(打つのは池田勇太)

もう一つの新規大会は、選手会が立ちあがった初の試みである「プレーヤーズチャンピオンシップbyリシャール・ミル」(5月6~9日、開催コース未定)です。日本ツアーの選手会自らが主催、JGTOが共催する4日間大会。仮にスポンサーが代わっても大会を継続できるような試合をと、昨シーズン中から選手たちの間でJGTOと連携しながら構想が練られきました。選手会主催の新大会は、社会や地域貢献とゴルフの普及などを目指し、開催地もツアーが行われていない地域に重点を置く。テレビ中継も″生〝や長時間放送にこだわり「いままでにないトーナメント」の実現を計ります。これに賛同した高級時計ブランドのリシャール・ミル社がスポンサーに加わり賞金総額5000万円(優勝:1000万円)の4日間大会が実現しました。大会誕生へリード役となってきた選手会副会長の池田勇太プロ(35)は「選手たちの間で自分たちの職場を自分たちで作ろう、という機運が盛り上がってきた。今後のトーナメントのモデルケースになればうれしい」と話しています。隆盛の女子ツアーに反して、人気低迷が続く男子ツアーにひとつのクサビを打ち込もうという男子プロの意気込み。注目の新規大会になりそうです。
また、昨季までの「RIZAP・KBCオーガスタ」が冠スポンサーが変わり「Sansan・KBCオーガスタ」(8月26~29日、福岡・芥屋GC)となります。Sansanは、法人向けクラウド名刺管理サービスの企画・開発・販売会社(本社・東京)。

男子ルアー風景(打つのは谷原秀人)

ところで、今季男子ツアーは米マスターズが終わった翌週、4月15日から東建ホームメイト杯(三重・東建多度CC名古屋)で開幕。最終戦12月2日からの日本シリーズJTカップ(東京・よみうり)で閉幕と、ほぼ例年通りの日程となっています。ツアー選手権森ビル杯(茨城・宍戸ヒルズ)は6月3~6日。日本プロ選手権(栃木・日光)は7月1~4日。日本オープン(滋賀・琵琶湖CC)は、日米共催のZOZOチャンピオンシップの日程決定を待ち、10月14日もしくは10月21日開幕のいずれかに決定する見込みです。

青木功JGTO会長は新年を迎え、20年~21年統合の1シーズンに、今季のスローガンは昨季掲げた「感動・感喜(歓喜)・感謝」をそのまま継続するとし、「新しいスポンサーはじめ、今年も大会をサポートしていただく各スポンサーには厚く御礼を申し上げたい。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で昨年は中止や延期のトーナメントが多くなりましたが、選手たちは感染予防と体調管理に努めながら調整を続けました。男子のパワフルなゴルフにご期待をいただきたい」と、新たな抱負を述べています。昨年は国内で開催した5試合はすべて無観客でした。「今季はギャラリーの前でプレーできることを願っている」と、観客の動員を示唆してきた青木功会長ですが、ここへきて再び「緊急事態宣言」が発令され、先行きが懸念されるゴルフ界です。すでに女子ツアー、シニアツアー(前半戦)の日程も発表されていますが、どんな展開が待っているのでしょうかー。

(了)