また勝ちました!“シニアの鬼”P・マークセン(タイ)。国内シニアツアーは第11戦(全14戦)が行われ、マークセンは通算12アンダーでシニアツアー史上初の4試合連続優勝を成し遂げました。舞台は静岡・伊東の「サザンクロス・リゾート」(6369ヤード、パー71)。首位で出たプラヤド・マークセン(56)は1イーグル、4バーディー、1ボギーの66で回り、9月の「日本シニアオープン」以降、負けなしの4試合連続V。優勝賞金は540万円。それを加えて4661万4966円とし、賞金ランキングを突っ走っています。賞金ランク2位の藤田寛之も最終日66と伸ばして7位タイに入りましたが、賞金王レースでは差を広げられた恰好です。国内シニアツアー残りは3試合。4度目の賞金王は濃厚となってきたマークセンは、連勝記録もどこまで伸ばすのでしょうか。今季4勝目。通算19勝目でした。
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強い、強い!マークセンの完全“復活”です。これまでシニア3年連続賞金王(16~18年)など、圧倒的な強さを誇ってきた男です。300ヤードショットに加え、精度の高いパッティング。“打倒・マークセン”は、国内シニアの大きなテーマにさえなったほどです。しかし、コロナ禍によって20年は来日せず、21年5月、僚友タワン・ウィラチャンとともに再来日。しばらくは鳴りをひそめてその力にはカゲリも・・とみられましたが、今季22年になってじわじわと実力を取り戻してきました。9月「コマツ・オープン」で打倒・マークセンに燃えた深堀圭一郎の執念にプレーオフ負けを喫しましたが、その実力は衰えていません。56歳になっても強靭な足腰にショット・パットの正確さは抜群です。今回の4試合連勝も12アンダー、13アンダー、13アンダー、12アンダーとすべて2ケタアンダーによる優勝。マークセンの高度なゴルフを物語るものでしょう。
今回のISPSシニアでも魅せました。最終日、8アンダーで首位に並んでいた9番(パー4)。グリーン手前に第2打をショートしましたが、約20ヤードを直接放り込んで(バーディー)ピンチを脱しました。12番(パー5)では、バンカーからの第3打、約15ヤードのカップへ、60度のウエッジでこれもダイレクト・イン。イーグルを決めて追ってくる2位以下を突き離しました。まさに勝負どころでのマークセンの“強さ”を実証するゴルフといえるでしょう。
★マークセン「2日目の10番ホールのセカンドで左足(ふくらはぎ)を痛めた。ホテルではシップやスプレーで冷やしたりした。最終日もスイングに支障はなかったけど、上り坂はきついのでゆっくり歩くようにした。パッティングの調子がずっと悪くてラインも読めなかった。コマツ(9月上旬)のときパターを変え、スタンスも少し広げるアドレスにしたらパターがよくなってきた。この試合もいいパットがいくつかあった。ISPSの大会は、選手にもいろいろなこと(サービス)をしてくれて楽しませてくれます。(ギャラプラでの)豚汁が好きですネ。僕はゴルフが好きなこと。プレーしていて楽しいことが(いいゴルフの)原動力になっています。たくさんのギャラリーも来てくれて、高齢の人も楽しんでくれているので、私もうれしい気持ちになります」
4試合連続優勝を続けると、次の5試合目が注目です。「次の試合(福岡シニア=10.29~30)は2日間大会なので、初日にいいスコアを出せばいけるかな」と、満々の意欲をみせています。9月まで賞金ランク1位をキープしていた藤田寛之(現在2位)に約1000万円の差をつけました。このあとマークセンは国内シニア2試合に出場したあと、インドネシアでのアジアンツアーに参戦。再度来日して国内シニアの最終戦「いわさき白露シニア」(鹿児島・いぶすきGC開聞、11月24~26日)に加わる予定という。世界を股に駆け巡るハンターに、53歳・いぶし銀の藤田寛之がどこまで追い上げるでしょうか。シニア終盤戦の見どころです!。
(了)