プロゴルフツアーの来季日程が次々と発表されています。中でも目を引くのは来季も女子ツアー。3月2日開幕の「ダイキンオーキッド・レディス」(沖縄・琉球GC)から22年と同数の38試合が組まれ、賞金総額は前年から4786万円増の44億9000万円。コロナ禍で2年にまたがった20~21年シーズンを除き年間の史上最高額となりました。4日間大会は半数の計19試合にアップ。小林浩美会長のツアー強化方針が着々と実って米ツアー並みのトーナメント形態に近づきました。男子ツアーが1試合減の26試合(2試合を調整中)に比べ10試合以上も多く、賞金総額でも大きく男子を上回る“隆盛”を維持しています。
小林浩美会長の11年から7期連続の会長続投も内定し、来春3月の社員総会で承認されて正式決定の運びとなります。
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年々増える女子ツアーの4日間大会が、来季は19試合にまで広がります。開幕第2戦の「明治安田生命・ヨコハマタイヤ」が、3日間から4日間大会へとグレードアップして賞金総額は2000万円増の1億円になります。国内メジャー4試合を筆頭に4日間は年間半数に。小林浩美会長は就任して10年来、「米ツアー並みの4日間大会が理想。それが選手のレベルアップにつながる」として、3日間が主流の国内ツアー形態の改善を唱えてきました。「一歩一歩ながら目標に向かって進み、やっと半数にまでこぎつけました。いまの女子ツアーはどの大会も最後までわからない上位争いが多く、競争力が増しています。皆さまの期待を頂いて身が引き締まる思い。感謝しています。これからもスポンサーやみなさまの期待にこたえる素晴らしいプレーを展開できるよう、そして選手・協会が一丸となってさらなる努力を続けていきます」と話しました。
4日間大会になれば、当然賞金総額も上がります。賞金総額だけに絞っても、「明治安田生命ー」に加え「リゾートトラスト」が1億から1億4000万円へ。「NEC軽井沢72」が8000万円から1億円。「樋口久子・三菱電機」も8000万円から1億円へ増額する景気のよさです。
新しいスポンサーも次々と手を挙げて参入してきます。スポンサーが入れ変わって名称変更する大会も数試合。「保険の窓口」は「RKB×三井松島レディス」(福岡CC和白=5月)に変更。「ヨネックス・レディス」は「リシャール・ミル ヨネックスレディスin朝霧」と、今季からついた新たな冠のもと、長年の新潟から静岡県の「朝霧ジャンボリーGC=6月)に移ります。「ニッポンハム・レディス」は「ミネベアミツミ・レディス北海道新聞カップ=7月」と大会名が変わり、開催コースも同じ北海道の真駒内CC空沼コースで行われます。コース変更では「ブリヂストン・レディス=5月」が千葉・袖ヶ浦から以前の「中京GC石野(愛知)」に復帰。「大東建託いい部屋ネット=7月」は、北海道から福岡の「ザ・クイーンズヒル」へ。「ゴルフ5レディス=9月」は千葉・オークビレッジから北海道「ゴルフ5カントリー美唄」へ。「TOTOジャパン・クラシック」は、滋賀・瀬田から過去にも行われた「太平洋クラブ美野里」(茨城)へ戻るなど、それぞれリニューアルと活発です。7月第2週に1週だけ空き週があるだけで、3月2日「ダイキンオーキッド」(沖縄)の開幕から11月23日~26日のツアー選手権リコー杯(宮崎)まで、38試合がびっしり詰まっています。
また下部ツアーの「ステップツアー」が今季の17試合から21試合に増えるのも、女子プロ人気を証明するものといえるでしょう。
毎年のように有望若手がツアーに登場してくる女子プロ界。昨季まで1勝の山下美夢有(21)が、今季は一気に5勝を挙げて年間2億3502万円余を手にし、一躍賞金女王に登りつめたドラマがありました。川崎春花(19)は、21年11月のプロテスト合格のルーキーイヤーでいきなり日本女子プロ・コニカミノルタ杯のメジャーで初優勝。続いて延田グループ・マスターズGCで2勝目。ともに優勝3600万円のビッグマネーを連続勝ち取って賞金ランク8位に入るなど、ファンを魅了するシーンを見せ続けました。
また全米女子アマチュア選手権では17歳の馬場咲希(さき)が優勝して、世間を驚かせました。まだ高校2年生。来年にはプロテスト受験に踏み切ると思われる金の卵です。12月23日に行われたGTPA(日本ゴルフトーナメント振興協会)の年間表彰では、川崎春花が男子の桂川有人とともにルーキー・オブ・ザ・イヤー。山下美夢有と馬場咲希は特別賞の表彰を受けました。万々歳の女子ゴルフ。来季も44億9000万円が敷き詰められたフェアウェイに、また新しい花が咲くでしょう。
(了)