今年から新たに2人の日本人女子が米ツアーに本格参戦します。勝みなみ(24)と西村優菜(22)。昨冬12月の米女子ツアー最終予選会(Qシリーズ)で8Rに及ぶ長丁場を5位で通過した勝、24位でクリアした西村のふたりです。QT上位に入った勝は、前半戦のほぼすべての試合に出場でき、西村は前半戦数試合の限定的な出場となります。試合数は少なくても「私は行く」と、本場の夢舞台体験へ積極姿勢の西村優菜。先日、都内で行われた用具契約する「キャロウェイ」の新製品発表会に出席した西村は、新1Wを投入して距離の長いタフな米国のコースと戦うと宣言。キャロウェイの新機種“360度カーボンシャーシ”採用の「パラダイム」の“飛び”に期待を込めました。さて、2人のデビュー戦はいつ? いまのところは3月23日からの「LPGAドライブオン選手権」(アリゾナ州)が濃厚。日本ツアーがその3週間前には開幕しているので開幕戦の「ダイキンオーキッド」(沖縄)をこなしてからの渡米になるかもしれません。日米両舞台を戦場にし、少ないチャンスをものにできるかどうか、西村の今季はみものです。
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米女子ツアーは、1月19日、過去2シーズンの優勝者29人のみが出場した「ヒルトン・グランド・バケーションズ・チャンピオンズ」で開幕。11月19日終了の「CMEツアー選手権」まで35試合が行われます。日本勢は、新参戦2人のほか、米ツアー6勝7年目の畑岡奈紗はじめ、古江彩佳、笹生優花、渋野日向子ら。昨季、体調不良から復帰した上原彩子も参戦しそうです。
米QT通過で米ツアーを見据える西村。開幕早々は出場資格が降りてこず、開幕5試合目、3月23日からの米国本土戦が初戦になりそうな状況。「そのドライブオンも出場権が降りてくるかどうかはまだわかりません。でも、そのころにはアメリカに行こうと思ってます」(西村)と、ウェイティング覚悟で渡米の予定だという。「今年はアメリカに行っても前半戦すべての試合には出られませんが、出られる試合では結果を出したい。そして1年間戦ってシードを取れるように頑張りたいです」。
米国が主戦場となる勝に比べ、西村は日・米かけもちのハードなスケジュールを覚悟しなくてはなりません。予選会24位の優先出場順位は150位以下と低く、安閑とはしていられない。5月中旬の開幕11試合目「ファウンダーズ・カップ」終了後の第1回リシャッフル(優先出場順位見直し)まで何試合に出られるか。開幕直後のアジアシリーズ3試合(タイ、シンガポール、中国)は予選落ちがなくエントリーしたいところですが、ここで出場権が回ってくる可能性はほとんどありません。予選会組は5位の勝みなみでさえ、このアジアシリーズは出場枠がない公算が強いという。そうなれば予選会組は3月の米本土の戻ってからの合流になり、後半戦へは5月のリシャッフルにかけることになります。
昨年は米ツアー本格参戦1年目の渋野日向子が、アジアシリーズの「ホンダLPGAタイランド」に推薦出場して8位に入った前例もあるので、今年もすべてはまだ流動的です。が、予選会組には厳しい規定があることは変わらないでしょう。参戦2年目のシブコは今季も同じくシーズン2戦目の「ホンダLPGAタイ」からの出場が見込まれています。
いずれにしても今年から新たに米ツアー本格参戦する2人には視線が集まります。飛距離でも海外選手と対抗できる勝みなみは、得意の勝負強いパッティングを米ツアーでもみせてくれるでしょう。安定したゴルフが持ち味の西村優菜は、アマチュア時代から培ってきた巧みなコースマネージメントが武器です。一方で、メジャー制覇への期待がかかる7年目の畑岡奈紗は、フロリダでの開幕戦、優勝争いをしながら、最終日に強風に苦しんで2つスコアを落として5位のスタートでした。昨季は未勝利だった21年全米女子オープン覇者・笹生優花は開幕戦6位と好ダッシュです。今季の復調が楽しみです。本格参戦1年目で初優勝(昨季)した古江彩佳はフロリダの開幕戦18位。精度の高いゴルフで2年目のさらなる飛躍がのぞめそう。 勝負師・シブコの一発おおがけはあるか!・・今季も女子ツアー、海外からの明るいニュースがいくつ飛び込んでくるか。日本勢に注目です。
(了)