Daily Archives: 2024 年 9 月 10 日

13年ぶり、シニア賞金レーストップ片山晋呉に競り勝った平塚哲二(52)

 

13年ぶり、優勝カップを掲げる平塚哲二(提供:PGA)

シニア参戦3年目。レギュラーツアー6勝の平塚哲二(52)が、待望のシニア初勝利を挙げました。「コマツオープン」(石川・小松CC)は片山晋呉、P・マークセン(タイ)、藤田寛之らシニア強豪に競り勝って「67」で回り通算15アンダーに伸ばしてシニア初V。レギュラー時代は、一時スイングを崩して不振に陥入り、“出直し”のためアジアンツアーに挑戦したほどの苦労人。「みんなを相手にしたのじゃない。自分との戦いだった」と、13年ぶりの勝星にも謙虚。それにしても平塚とマークセンに3打のリードをつけて折り返した賞金レーストップの片山晋呉が、今季2勝目を目前にしたバックナインの13番、18番でティーショットを左に曲げ、ダブルボーとボギーを連発。平塚のシニア初Vを許したのは考えられないような出来事。ゴルフの怖さ、不思議さを浮彫にした1戦でもありました。優勝賞金は1500万円で賞金ランク4位に浮上。次週は「日本シニアオープン」(千葉・千葉CC川間)のビッグイベントです。

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「アプローチとパット」の平塚哲二といわれるが、ショットの方も好調だった(PGA提供)

今季国内シニアツアーは6戦目。最終組は平塚、片山、マークセンらが同組で12番までは片山がリード。波乱の幕開けは緩やかな打ち下ろしの13番(パー4)でした。最終日はティーが前に出され1オン可能で最もやさしいホールとなっていました。ところが、片山の第1打は大きく左へ曲がり林の中へ。ドロップゾーンからの100ヤードの3打目も乗らず、4オン2パットのまさかのダブルボギー。ここをバーディーとした平塚が14アンダーで一気に単独首位へ。追う立場となった片山は16番のパー3をとり、しぶとく14アンダーで平塚と並んで最終18番(パー5)を迎えます。先に打った片山のティーショットが再び左へ。今度はOBとなって自滅状態(ボギー)。一方の平塚は2オンを狙った2打目がグリーン右のラフにつかまったが、約40ヤードのアプローチをカップ20㌢につける見事なショットを放ってバーディーフィニッシュ。4つのパー5をすべてバーディーとし、レギュラー時代から『アプローチとパットの哲二』といわれた本領を最後のシーンでみせつけました。

それにしても13番と18番で片山に何が起こったのでしょうか。ホールアウト後、片山は「突然左に行きだした。今週は1度も(左へは)行っていなかったんだけどな。後半は何度か左にいったね」と、これといった原因はつかめていませんでした。やはり緊張が続いた接戦のメンタル面だったのでしょうかー。

 

片山晋呉は最終日トップを走りながら、18番最終ホールでも左林へOB。
13年目の平塚哲二に優勝を譲った(提供:PGA)

18番ティーでのこの片山の乱れをみた平塚は「ティーショットはめちゃくちゃ緊張しましたね。自分はバックスイングをすごく小さくしてチョンと打つ感じで振りました。緩め過ぎて少しおかしかった」とか。2打でグリーン右に外した40ヤードのアプローチも「自信はなかった。ただ最近40~50ヤードの距離感が全然合わなかったので、すごく練習していたのが生きたと思います」と振りかえった平塚です。

日体大を出て94年にプロ入り。レギュラー時代は03年に「日本シリーズ」を制し、ツアー初優勝が日本タイトルで賞金ランク2位となった華やかな時代もありました。スランプに襲われ「1から出直そう」と09年はアジアンツアーに足を伸ばした経験も忘れられません。レギュラーツアー6勝。2011年の「パナソニックオープン」が最後の優勝でしたが、今回の白星は自信を取り戻す“大きな1勝”になるかもしれません。師匠は高松在住の太田了介プロ。

(了)