Daily Archives: 2025 年 3 月 3 日

ニュージーランド初体験・遼。1ラウンド2イーグルかと思えば 3パット5回!ちぐはぐゴルフに泣いた石川

テイーショットを放つ石川遼(25.3ニュージーランドOP)提供=JGTO

ツアー20勝の石川遼(33)が、初めてのニュージーランドの美しさには感激の1週間。ゴルフの方は“いいショット、悪いショット”と、大荒れアップダウンの今季第1戦を演じました。大会は歴史ある「ニュージ―ランド・オープン」(ミルブルック・リゾート・2コース。ともにパー71)。遼は2つのイーグルを1試合で出したかと思うと、3パット5回でトリプルボギーも犯すなど、決勝ラウンド進出者では最下位の68位に終わりました。昨年もツアー2勝。国内20勝を誇る遼ですが、今年9月には34歳を迎えます。一世を風靡(ふうび)した石川遼が、今年はどんなゴルフを見せてくれるのでしょうか。依然として人気は高い遼クンですが。

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試合の合間、くつろぐ右から稲森佑貴、細野勇策、石川遼(25.3ニュージーランドOP)提供=JGTO

初訪問のニュージーランドにはタイを経由して入国しました。石川は前週までタイに滞在、合宿自主トレに汗を流していました。今春の自主トレは「フィジカル(肉体)よりスキル(技量)にウエイトを置いてやった」そうです。スイング固めに時間を費やし、タイからニュージーランドに入ったのは開幕3日前でした。この大会はアジアンと豪州ツアーの共催で、14年からは日本ツアーともパートナーシップ契約を結んでいます。20人を超えるような日本ツアー選手が参戦しているのはそのせいです。昨年は幡地隆寛が初優勝して日本選手にも近親間が高まりました。その大会に初めて出場する石川は、トレーニングも例年より早い始動となったようです。美しい山河や街並みを目のあたりにしながら、石川はいう。「まだまだニュージーランドのよさは味わいきれていない。「近くの街で食べたラムのおいしさは格別だったけど」とか。

試合前、インタビューに応じる石川遼(ニュージーランドOP)提供=JGTO

大会の初日はパーオン率100%とショットの安定度は髙かったのに、3パット5回とグリーン上で苦しみました。結果は79位と大きく出遅れた石川。2日目は一転して1ラウンド、2イ-グルの快挙を達成。一つ目は前半14番のパー5。ピン奥13㍍に2オンさせると、段の上から下る難しいパットを流し込みました。後半1番のパー5。グリーン右ラフからピンへ16ヤードを60度のウエッジでまたもチップイン・イーグルです。ショットの精度は決して悪いようには見えませんでした。初日の79位から2日目49位に浮上して予選を通ったのですから、決勝ラウンドでのカムバックに注視が集まりました。コロナ禍を機に踏み切ったスイングの改良も長年苦しみましたが、ほぼ改良点にさしかかっているという。 ニュージーランドでは出足の失敗がどうしても取り返せず、決勝ラウンドも「72」「72」とビッグスコアは出せず68位から浮き上がれませんでした。しかし、海外で開幕戦にトライした石川の闘志は健在です。今季もビッグゲームに挑む石川の“爆発ゴルフ”を待ちましょう。

(了)