Daily Archives: 2025 年 3 月 24 日

中島啓太、猛追も1打及ばず2位  欧州2勝目成らず!もっと高度なゴルフを!

欧州ツアー2勝目を惜しくも1打差で逸した中島啓太(シンガポール)=大会提供

23年の国内賞金王・中島啓太(24)が最終日ボギーなしの7バーディー「65」で追い上げ、通算15アンダーまで伸ばしましたが、1打及ばず単独2位。昨年の「ヒーローインディアンオープン」以来の欧州ツアー2勝目を逃がしました。優勝は通算16アンダーのリチャード・マンセル(英 29)最終ホールのバーディーで中島を突き放し、うれしいツアー初優勝でした。

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大会は欧州ツアー(DPワールド)「ポルシェ・シンガポール・クラシック」(7420ヤード・パー72)。悪天候で初日が中止となり、54ホールの短縮競技。最終日、3打差10位から出た中島は前半から好調。5番から3連続でスコアを伸ばすなどで一時はトップに立ちました。マンセルより先に回った中島は、最終18番(パー5)でもバーディーで通算15アンダーでホールアウト。後ろから来るマンセルのスコアを待ちましたが、最終18番でもバーディーを奪われ「66」。通算16アンダーとして中島を抜き去るきわどい優勝争いでした。中島もボギーなしの7バーディー「65」とべストに近いプレーを披露。1打差の2位は精一杯だったと思われます。単独2位で今季初のトップ10入りを果たしました。優勝までは届かぬ足踏み状態ですが、この先楽しみな中島のゴルフといっていいでしょう。

南アフリカからシンガポールに舞台を移したあとは、さらにインド、中国と2試合を転戦する「アジアスイング」に入ります。今季も欧州ツアーに腰を据えて腕を磨こうというプランの中島ですから注目です。欧州のゴルフは飛ばせる人でも飛ばさないゴルフを多用するという。また「ショートプレーにもっと磨きをかけないとダメ」(中島)とコメントし、「バンカーを恐れないゴルフが必要」とも話しています。日本では飛ばし屋で技もある中島ですが、もっと高度なゴルフを必要としているのは頼もしい限りです。

国内賞金王を取り、早々と海外で腕試しする中島啓太(写真はフジサンケイクラシック2023=JGTO提供)

プロフル参戦1年目の2023年、その年から金谷拓実と激しく賞金王を争い、トップ5は13回。5週連続最終日最終組の末に早々と賞金王をつかみとった中島です。アマ時代から多くの栄光を引っ提げてのプロ転向。いきなりその実力をみせつけました。その資格で得た欧州ツアーの出場権で24年から欧州ツアーに飛び出したのも早い決断でした。24年3月「ヒーローインディアンオープン」では欧州ツアー1勝を挙げると、欧州2年目の25年自身開幕戦「ヒーロードバイデザート・クラシック」では最終日最終18番(パー5)で2打目をカップインさせるアルバトロスを達成しました。

今季、6週ぶりに参戦した「シンガポール・クラシック」(ラグーナ・ナショナルゴルフリゾート・クラブ)は、13番、14番とパー5が連続するレイアウト。第2ラウンドの中島はこの2ホールを連続してバーディーとするチャージをみせて喝采をあびました。それに合わせ僚友・桂川有人は、9バーディー、2ボギーの「65」をマークして通算7アンダー15位にまで浮上。日本勢の意気髙し、でした。

(了)