Daily Archives: 2025 年 8 月 5 日

日本のタイガーこと蝉川泰果ホールインワンと1ラウンド3イーグル

完全復調はいつか(23.12日本シリーズ)

能登半島地震の復興支援を目的とした新規大会「リシャール・ミル・チャリティ・ゴルフ」は石川・能登CC(パー72)で4日間行われ、最終日池村寛世(ともよ 29)が「64」でツアー3勝目。5年前からキャディーを務めている琴音さんと昨年5月に結婚。今回が入籍後初優勝となり二人は熱い抱擁と仲間からのウォーターシャワーで祝福されました。一方、大会第3日にホールインワンと、1ラウンド3イーグル、3バーディー、ボギーなしで9アンダー「63」の爆発ゴルフをみせ、3打差3位まで浮上した蝉川泰果に注目が集まりました。バーディー合戦の最終日、「69」と伸ばしきれず7位でフィニッシュ。大逆転劇はお預けとなりましたが、日本のタイガーこと、蝉川泰果から目をはなせません。

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飛ばし屋でなる蝉川泰果のリシャール第3日のゴルフ」は、強烈で忘れられない18ホールとなりました。パー5の1番をバーディーでスタートすると、4番は短いパー3(実測132yd)。ピッチングウエッジを握った彼は、軽いスピンをかけた1打。ピン奥1㍍ほどに落ち、バックスピンのかかったボールは、狙い通りにカップインします。昨秋11月に結婚した葵さんと3週間ほど前北海道でプレーしたときに出して以来人生4回目のエース。試合では2回目のホールインワンでした。

6番(パー5)は残り257yd。2打目をグリーン左カラーまで運び、6ydをチップイン。14番(パー5)は同じくらいの258yd。3Wで2オン。12㍍ほどあったが、これをねじ込みました。記録の残る85年以降では9人目の1R3イーグル。凄い記録の達成。23年には歴代最多の23イーグルを量産した“イーグル王”で君臨しました。“第3日”のあの攻撃だったのです。

スタート前には8打あった首位との差を3打にまで縮めて大会最終日へ大きな期待を持たせました。「ここまできたら最終日も勝ちたい」と夢を語っていた泰果。最終日は思うようにコトが運ばないのがゴルフの不思議さでしょう。前半は快調に進んだ展開も、本人によると「8番のボギーで流れが変わった」という。泰果(たいが)の名前は、当時全盛期だったタイガーからとったという。攻めまくったタイガーのゴルフは、元気なときの泰果に似通っています。

思えば今春の体調の変化も米下部ツアーで突然のことでした。2月上旬背中痛がひどくなり、コロンビアでの試合を途中棄権しての帰国でした。精密検査で左背中側肋骨3本に疲労骨折が発生していたのです。「当時は歩くのもしんどかった」(蝉川)というほどのダメージだったが、日本で約3ヵ月の静養・治療。完治には半年・・といわれながらも5月の「中日クラウンズ」から強行職場復帰。6月にはメジャーの「BMW日本ツアー選手権・森ビル杯」を堀川未来夢とのし烈なプレーオフを制して復活Vを遂げたのです。

まだ完全ではない泰果の体調。それでいて爆発ゴルフを秘めている不思議な男の完全復調はいつ。それが一日でも早いことを祈ります。