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初のメジャータイトル「日本オープン」優勝・片岡尚之。「マスターズ招待」の特典付きには涙ぐむ“シルバーコレクター”

夢だったマスターズは来年4月(JGA提供)

初のメジャータイトル「日本オープン」を7打差の大逆転で制した片岡尚之(27)に大拍手です。日光・男体山を仰ぎ、さまざまな枝っぷリの松林。景色も美しいが、ナショナルオープンにふさわしい難コース日光カンツリー倶楽部。コース全体に伸ばされた深いラフ。グリーン周りはさらに長い芝で小さめのグリーンを硬めにセットして守っているよう。こうしたセッティングを征服するには、相当な年季とテクニックが求められるでしょう。4日間、日本ツアーの精鋭が攻め抜いて出た“答え”は「4日間戦って出し切った3アンダーのプレーオフ」でした。

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34歳のベテラン原敏之と飛ばし屋の新鋭・清水大成と27歳・パットとショートゲームの名手といわれる片岡尚之でした。最終日の大詰めまでトップを走っていた清水大成も土壇場にきて持ちきれない。迎えた17番パー4。グリーン周りの深いラフからの3打目。ヘッドが抜け切らず距離が出ず、エッジに当たってボールは転がり落ち、2パットを要してこの日3つ目のダブルボギーで一気に3位タイまで滑落。最後18番のティーショットも林に打ち込んで優勝争いからあっという間に脱落し、プレーオフは片岡と原へ替わりました。「勝てば特典が凄かったのにネ」と8アンダー、単独トップで最終日を迎えながら8位タイまで後退した清水の泣きの一言でした。

片岡と原のプレーオフ。18番パー4で行われましたが、その1ホール目。原は1打目を右林付近のラフに入れ2打目は出すだけ。片岡はフェアウェイをキープしながら2打目でグリーンを外して3オン。原も3オンで勝負となったパーパット。原は決められずボギー。これを見た片岡は。落ち着てパーパットを沈め勝負をつけました。

優勝した片岡尚之は優勝賞金4200万円に加えて「マスターズ(来年4月)出場権」「全英オープン(来年7月)」の出場権を獲得しました。優勝インタビューでは涙ぐみながら「やっと勝てました。ここまで頑張ってきてよかったです。マスターズは本当に夢だったのでそれがかなって嬉しい。オーガスタで戦えるようにしっかり準備をしていきたい」と初めての世界のメジャーマスターズへの意気込みへ、力を込めていました。

北海道・江別市出身。東北福祉大4年の2019年にQTファイナルに進んでプロ宣言。4年目の21年「ジャパンプレヤーズ選手権」で9位から逆転してプロ初優勝。以来2位は7回あるが2勝目には届いておらず“シルバーコレクター”でした。今回のビッグな1勝は4年目の2勝目。プロ入り後、4季の平均パット順位はすべて4位以内という“パットの名手です。”

また一方で今季は米下部ツアー(コーンフェリーツアー)で1シーズンを過ごした平田憲聖についてです。優勝はなかったもののポイントを稼ぎ、2年目は米ツアー昇格を決めています。PGAの「ツアーメンバー」に1年で上がれるのはさすがですが、今年は「日本オープン」の勝者には来季の「マスターズ」出場権が付与されるなどの特典があり、それを狙って強行軍で一時帰国した平田です。しかし結果は通算3オーバーの17位タイに終わりました。最終日は難コースの日光CCを「67」(3アンダー)でクリアしたのは、実力派・平田憲聖ならではです。米国2年目の来季に期待をかけましょう。