
米ゴルフツアーがアジアで唯一開催した「ベイカレント・クラシック・プレゼンテッドbyレクサス」は、米ツアー仕様に改装された横浜CC(神奈川、 パー71)を制したザンダー・シャウフェレ(米 31 東京五輪金メダリスト)が、世界ランク4位の実力を発揮、通算19アンダーで今季初優勝。昨年7月の全英オープン以来の通算10勝目を飾りました。この大会で今年から米ツアーを主戦場にしている金谷拓実(27)が、17人出場した日本勢最高の4位に入る大爆発。最終日18位からスタートし9バーディー、ノーボギーの「62」。大会前に135位と苦戦中だったポイントランキングも一気に113位に大きくジャンプアップ。しかし、今年からランキングは「100位以内」に入らないと来季のフルシード権は獲得できない。出場試合も限定的で準シード扱いなのです。米ツアー秋シリーズの残りは4試合。ここまで上昇した金谷は何としてもあと一息「100位以内」のフルシードをとっておきたい。いまの勢いを維持して再渡米した金谷の“残る4戦”が注目です。大会の主な日本勢では、比嘉一貴が18位、松山英樹は20位、石川遼は69位、中島啓太40位、蝉川泰果60位、生源寺龍憲65位でした。
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台風22号の影響を受けた湘南地方も朝から強い風。斜めに吹きつける冷たい雨がショットのカンを狂わせる。ゴルフには決していいコンディションとはいえませんでした。そんな中で強行された最終日。朝から話題をさらった一人は金谷拓実でした。出だし5ホールでいきなり4バーディーを奪う快調な出足。悪天候の中でゴルフが蘇りました。後半に入っても終盤6ホールで3連続を含んで4バーディー。4番、6番と5㍍前後の難解なパットが決まったのが火に油でした。インに入ってもミスパットがなく、10番、17番のチャンスなど6ホールで3連続を含む4つともバーディーラインの読みは外しませんでした。気持ちのいいゴルフを続けこの日は9アンダー、ボギーなし。「62」を叩き出しました。
「パットだけでなく、ドライバーやアイアンもしっかりコントロールしながら打てていたと思う」と金谷。風雨に負けずにいいラウンドができ、冷静なプレーができた。
今季は米ツアーが主戦場で海外生活続き。慣れない米国では米ツアー出場24戦でトップ10入りは2度。予選落ち15度と、昨年の国内賞金王らしくないゴルフが続きました。思い立ち9月に一時帰国して「ANAオープン」に気分転換の出場をしたところ、今季初優勝(8勝目)が転がり込んできて、これはいい転換になったという。それも石川遼をプレーオフで下した1勝は価値がありました。翌年の出場権をかけるフェデックス・カップランキングは「100位以内」に入らないとあまり意味がない。今回の好成績もまだ「100位以内」にはあと一息が必要です。
フォール(秋)シリーズといわれる期間は残り4試合。訪れたこのチャンスに、いま一度歯切れのいいゴルフを見せて欲しい。「フルシード選手」にどうしても入りたい。「ANA優勝」「ノーボギーの62」と、蘇ってきた金谷ゴルフよ、いま一度です。