女子プロテスト!“トップ合格”を本命・比嘉真美子から奪った東浩子とは・・

トップ合格した東浩子
トップ合格した東浩子

 今年も24人のフレッシュな女子プロゴルファーが誕生しました。LPGA最終プロテストが先週、7月24日から3日間、茨城・茨城GC東コース(パー72)で行われ、3日間通算4オーバー、18位タイまでの24選手が合格しました。1位通過したのは、2回目の挑戦だった岡山・作陽高出身の東浩子(あずま・ひろこ=20)。作陽高卒には藤本麻子、西木裕紀子プロらの先輩がいます。アマ時代、地味な存在だった東ですが、プロテストは3日間ともアンダーパーで回った安定度は秀逸。今週8月3日からのmeijiカップ(札幌国際CC・島松)から13試合のツアー出場権をゲット。プロでのブレークが見もの。トップ合格しか眼中になかった日本女子アマ2連覇の比嘉真美子(18)は、1オーバー、8位タイ。“想定外の合格”と、悔しさをにじませました。

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今年6月、日本女子アマ2連覇を果たして優勝カップを抱く比嘉真美子(提供:日本ゴルフ協会)
今年6月、日本女子アマ2連覇を果たして優勝カップを抱く比嘉真美子(提供:日本ゴルフ協会)

 “無名”の東浩子にトップ合格をさらわれた“本命”の比嘉真美子は、試合後も悔しさを隠そうともせずに残念がりました。比嘉は今年も6月の日本女子アマ選手権では「最高の勝ち方をしてプロに転向する。普通にやれば絶対勝てる」と、強い決意を漏らし、初日、2日目ともにベストスコア。息の抜けない5日間の戦いを勝ち抜いて有言実行の2連覇でした。プロツアーにも数多く推薦等で出場。今季もスタジオアリスでは初日首位に立って3位フィニッュ(4月)、中京テレビブリヂストン9位(5月)と、優勝戦線に顔を出すほどの実力者「アマチュアでも、私は試合に出たら優勝しか狙っていません」と豪語する頼もしい18歳でした。

 日本女子アマ2連覇のほかも、比嘉は11年日本女子オープンローアマ、10年日本ジュニア優勝と数々のビッグタイトルを携え「プロテストではトップ合格して今年中にツアーで1勝したい。そして正式種目になっる2016年のリオデジャネイロ五輪の金メダルが目標」と、臆することなく目標を口にしていました。“得意クラブはドライバー”と明言し、260ヤード以上の飛距離を誇るドライバーは、いまの国内女子プロツアーでは間違いなくトップクラスで負けません。

得意なドライバーは平均距離260ヤード以上、の飛ばし屋・比嘉真美子。期待のプロテストは“8位通過”で「1位通過しか考えてなかったので、悔し~い」。(提供:日本ゴルフ協会)
得意なドライバーは平均距離260ヤード以上、の飛ばし屋・比嘉真美子。期待のプロテストは“8位通過”で「1位通過しか考えてなかったので、悔し~い」。(提供:日本ゴルフ協会)

 そんな比嘉のプロテスト。フタをあけてみると初日にパープレーの72でやや出遅れ。2日目69で立て直しましたが、最終日にまさかの76。トータルアンダーパーにできず、トップ合格の東浩子の7アンダーに8打差をつけられての8位タイでフィニッュです。合格には問題ない順位でしたが、1位合格だけを視野に入れていた比嘉にしてみれば不覚の“敗戦”で「まさかオーバーパーをたたくとは想定外でした。悔しいし苦しいです」
 今回、日本ゴルフ協会で創設され発表された初めての「日本アマチュアゴルフランキング」でも、女子の部で2位を引き離した堂々の1位でした(男子の部は松山英樹)。そうしたニュースを聞くにつけても悔しい8位通過です。「1位通過しか考えてなかったですが、仕方ないです。アマチュアでのことはリセットして、プロの比嘉真美子で成長していきたいです」と、気を取り直して新たなスタートを期していましたが・・。

 厳しい勝負の世界で、見事勝ち抜いたのは東(あずま)浩子。岡山・作陽高では1年上に西木裕紀子、2つ上に藤本麻子がいます。3歳からクラブを握っていたというゴルフ好き。“得意なクラブ”はドライバーで、いまは240ヤードが平均飛距離。初日71のあと、2日目は5バーディー、ノーボギーの67でベストスコア。緊張する最終日も1バーディーでボギーなしの71。3日間ともアンダーパーで回った安定感は抜群でした。

人気は衰えない女子プロゴルフツアー。今年もまた“24人”の新しい顔が加わって、フレッシュな話題を提供してくれそう!
人気は衰えない女子プロゴルフツアー。今年もまた“24人”の新しい顔が加わって、フレッシュな話題を提供してくれそう!

 最終プロテストという異様な舞台で「2日目より最終日の方がショットがよくなった」という。最終日に調子が上がってくるゴルフは頼もしいですが、昨年は19歳で初めて挑戦したプロテストに失敗。「プロテストを甘くみていて、パットが分らなくなって2打足りずに落ちました。今年は全部カップを狙うんじゃなく、マネジメントをしっかりして、攻め方を考えるゴルフに変えました。去年、とても辛い思いをして、その辛さがあったから今年、この成績が出せたと思います。結果が出たのは嬉しいです」

 実家の岡山・美作市勝央町は、なでしこジャパンの宮間選手が練習しているところ。実家は宮間選手と近くだとか。トップ合格で、今週からビッグゲームを除く13試合の出場権を獲得しましたが「実感がなくて、まだ心の準備もできてません。未熟なので不安な気持ちがいっぱい。まだ頭の中は真っ白。ただ13試合は貴重な経験になるので、それを生かしてチャンスはいけるところまで追っかけていきたいです。私は派手じゃなくて地味な成績しか出せないけれど、コツコツと確実に予選を通って、そういう中で優勝チャンスがきたらいいな、その流れの中でトップを狙えたら・・」
と、謙虚な浩子さん。
 さて、いきなりチャンスがやってきた今週のmeijiカップの「東浩子」を見守りましょう。