″韓国の賞金女王〝日本ツアー2年目のキム・ハヌル(27=韓)が、開幕から好調を続け、″最終日、最終組〝三度目の正直で遂に日本2勝目。人気のイ・ボミ(27)と並んで韓流美女の攻勢は一段とヒートアップしそうです。開幕第4戦、アクサレディス(宮崎・UMKCC)は、ハヌルが初日からトップに立ち、首位を譲らぬまま通算9アンダー、2位に5打差をつけての完全優勝。1440万円をゲットしました。ハヌルは開幕戦7位のあと、2戦目から3試合連続で初日からトップを走る(ツアー史上初)快挙を続け、4、5位に終わっていた前2試合のリベンジを3試合目に果たしました。開幕4戦目の女子ツアーは、うち3試合の優勝者が台湾、韓国勢。今季も外国パワーに苦戦を強いられそうな日本女子陣の発奮を待ちましょう。
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大好きだという勝負カラーの「青」のパンツルック。いつものミニスカートではなかったてすが、すらりと伸びた足。白シャツにネイビーのベスト姿のハヌルは、清楚でかわいい雰囲気を発散させました。「ハヌル」が韓国語では″空〝″青〝を意味するため、キャディーバッグには「SKY」の文字。母国では「スマイル・キャンディ」のイ・ボミに対抗して「スマイル・クイーン」が彼女のニックネーム。韓国・建国大の同級生の二人は大の仲良しでもあります。韓国ツアーでは11、12年と連続で賞金女王のハヌル。イ・ボミを追って昨年から日本ツアーに参戦してきました。オリジナルデザインのウエアも韓国では販売され、ハヌルの人気はイ・ボミをも上回るともいわれています。昨季女王のイ・ボミが米ツアー出場のため欠場したこの試合で堂々の勝ち名乗りです。賞金ランキングンもイ・ボミを抜いて2位に浮上。実力のあるところを2年目で一気に見せ始めました。
安定したショットを次々と放つハヌルは、170㌢の長身を生かしたロングドライブも武器の一つです。気力充実の最終日は一緒に回った申ジエをドライバーで40ヤードもアウトドライブする威力をみせつけました。しかし、それ以上に得意とするのは100ヤードからのアイアンショット。最終日は、2番(パー3)で6㍍のバーディーパットを決め、続く3番も取り、序盤からの2バーディーで勢いづきました。12番をボギーにして申ジエに2打差に迫られましたが、大詰の16番で12㍍のロングパットをねじ込んで3打差とし「あれで優勝を確信しました」(ハヌル)。
ここ2戦は最終日を首位で迎えながら2打差(2週前)、1打差(前週)でV逸。悔しい思いをしましたが「いままでは緊張をみせないようにと、隠すようなプレーをして結果がよくなかった。今度は自分が緊張しているのを認めて、リーダーボードも見て絶対勝ちたいと思いながらプレーしました。それがよかったのかも」と、開き直った3戦目だったことを明かしました。
美形のマスクで、イ・ボミに負けず劣らずの笑顔を絶やさず、ゴルフも強いのですから鬼に金棒です。「ショット力は、予選ラウンドで一緒に回ったんですけど、素晴らしい。強くてかわいいって、ホントに困るんですよね、ちょっと・・」とは3位タイに入った吉田弓美子のハヌルを評したコメント。日本勢にも若手の台頭が続いていますが、まだまだ急成長した新鋭が現れないのが残念です。
逆に日本2年目で早くも新しい人気者に駆け上がってきたハヌルには、親衛隊ができつつあるのが現実です。「昨年より応援してくれる人がたくさんいて、全然違いを感じます。コンビ二行っても顔が分かってくれている人がたくさんいて、皆さんの応援が力になってます」(ハヌル)。
開幕戦(ダイキンオーキッド)では昨年5勝、賞金ランク2位の台湾、テレサ・ルーが最終日終盤の3連続バーディーで逆転の勝負を決めました。2戦目(ヨコハマタイヤPRGR)は昨季の賞金女王、イ・ボミ(韓国)が、柏原明日架、飯島茜との3人プレーオフを4ホール目のバーディーで下して貫録をみせつけました。3戦目(Tポイント)でプロ8年目の大江香織(25)が、18番で池ポチャしながら薄氷の日本人Vを果たして外国勢を止めたと思ったら、4戦目にはまたも韓国のニュースターが、派手な日本2勝目でツアーを盛り上げました。
女子ツアーはまだ開幕4戦が終わったところ。ツアーは38戦の長丁場ですが、すでに賞金ランキングでは1位のテレサ・ルーからキム・ハヌル、イ・ボミ、申ジエと4位までを外国勢が独占しています。間もなく開幕1ヵ月を迎える女子ツアー。桜の開花とともに日本勢に一大奮発が望まれるところです。
(了)