オーガスタ3位に続きアジア・太平洋では圧巻の優勝!試合ごとに光を増す女子大生アマ、安田祐香(18)!

難コースで素晴らしいゴルフをみせて優勝した安田祐香(茨城、ザ・ロイヤルGC)=写真提供:すべてWAAP

ゴルフ界にも令和の新ヒロインの誕生です。安田祐香(ゆうか、18=兵庫・滝川二高→大手前大1年)がアジア太平洋女子アマ選手権(茨城、ザ・ロイヤルGC)で並み居る外国勢を退け、4日間通算11アンダーで初優勝。2位の昨年覇者アタヤ・ティティクル(タイ)に8打差をつけるぶっちぎりでした。4月のオーガスタ・ナショナル女子アマ選手権で3位に入ったのに続く金星で、さらに脚光を浴びる存在となりました。日本人アマ史上初となるエビアン選手権(7月、フランス・エビアンリゾートGC)、AIG全英女子オープン(8月、ウォバーンGC)の海外メジャー2大会と、来年4月の米オーガスタ・ナショナル女子アマ出場権もゲットする大殊勲です。今年11月に現役女子大生として日本のプロテストを受験するため、合格すればオーガスタは辞退となります。2位は昨年の覇者アタヤ・ティティクル(タイ)。日本からは8人が出場、日本人2番手は昨年2位の西村優菜で5位でした。

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飛ばして曲がらない安田祐香のショットは大きな武器だ(アジア太平洋女子アマ)

3週間前、初の女子大会が許されたオーガスタで日本からただ一人出場した安田は、2万人のパトロンが見守る中通算2アンダーで3位に入る大健闘を見せたばかり。歴戦を重ねて一段と強さを身につけた祐香の今回のアジア制覇は圧巻でした。ザ・ロイヤルGCは「世界基準のコース」を念頭にプロにもアマチュアにもにも等しく厳しく造られた18ホールです。広々とした敷地を生かして全長8143ヤード。最長ホールの16番は、フルバックで705ヤード(パー5)のモンスターです。各ホールのフェアウェイのうねり、バンカーの深さ、アンジュレーションのあるグリーン形状、池・・。さらには太平洋と霞ヶ浦両サイドから流れ込む風も厄介で国内有数の難関コース。日本のアスリートが世界に羽ばたくための″学び舎〝とうたっているコースです。ただ、各ホール5~6個のティーイングエリア(ティーグラウンド)が設けられていて、大会によって使いわけられます。今回の大会、安田がイーグルを奪った3日目の16番パー5は、女子で天候のこともあり、前から2番目の536ヤードを使用していました。

大きくて深いザ・ロイヤルGCのバンカー。安田祐香は絶妙のバンカーショットも見せた(アジア太平洋女子アマ)

それでも女子には長いパー5ですが、3日目の安田は2打でグリーン手前のエッジ附近まで運び、約20ヤードをパターで転がし直接沈めるイーグルを奪っています。このイーグルで勢いずき、上がり4ホールで5つスコアを伸ばして67。5位から一気にトップに躍り出ました。最終日はこの勢いが止まりませんでした。1番で1.5㍍を沈めてバーディー発進。2番もティーショットを右に曲げながらセカンドでピン2㍍につけてバーディー。ライバルの前年覇者・ティティクルがボギーとすると3番でもバーディーとたたみかける3連続バーディーで5打差とする猛チャージ。前半だけで5つのバーディーを奪って追撃を許しませんでした。
2日目が気温8・1度で冷たい雨。3日目が11・4度と寒さがぶり返し他選手がスコアを伸ばせない中、防寒具の準備も怠りなく3日目には60台を出して首位に立った安田はお見事。

☆海外勢の追撃も許さず8打差で圧勝した安田祐香のコメント。

「最終日にこんなスコア(ノーボギーの65)に伸ばせるとは思わなかった。3日目の上り3ホールでパターが入り始めたので、そのまま最終日も突っ走れた部分もありました。朝の練習で(昨年痛めた)腰に痛みがあったのですが、きょう一日頑張ろうと思っていたら試合では大丈夫でした。″油断はできない〝という気持ちでしたが、ショットもよくなってきていたし、ピンチでも集中してセーブできました。落ち着いて後半を迎えられたことが優勝につながったと思います。最後のパーパット(約1㍍)は緊張しました。日本で開催された大きな大会で優勝できたのが一番嬉しいですね。(海外試合の出場権獲得は)大きな経験がまたできるので嬉しい。自分の実力がどのくらいの位置にいるのか、知りたいです」

この優勝でエビアン選手権、AIG全英女子OP、オーガスタナショナル女子アマと海外の3つの大きな出場権をゲットした。(茨城、ザ・ロイヤルGC)

2000年12月24日、神戸市生まれ。小3で坂田塾に入ってゴルフの指導を受けはじめ兵庫・滝川二高2年の17年に日本女子アマ優勝。ナショナルチーム入り。昨年の世界女子アマチーム選手権で2位。国内レギュラーツアーは12試合に出場、ツアー最高成績は18年の大東建託・いい部屋ネットの3位。
将来的には海外での活躍を夢見る18歳。公式会見では「英語をちょっとでもしゃべりたい」と通訳をはずして英語での受け答えにも挑戦した頑張り屋です。ゴルフでは飛距離もあってあまり曲がらないのを身上としています。メンタル面でも強いのは大きな武器。18歳にして連戦による疲労からか、昨秋腰痛を発症したのが心配の種。体力面の強化などが今後の課題といえるでしょう。

アジア太平洋女子アマ選手権が開催された茨城、ザ・ロイヤルGC(コースからクラブハウスを望む)

「黄金世代」より次の2000年生まれの「プラチナ世代」を担う旗頭の祐香です。このあとは今週5月3日からのパナソニック・レディス(千葉・浜野)、24日からの中京テレビ・ブリヂストン(愛知)、6月25日開幕の日本女子アマ(愛媛)と続きます。7月にはエビアン選手権、8月にはAIG全英女子OPの海外2メージャーが控えます。11月に日本のプロテストを受験、合格すればオーガスタ・ナショナル女子アマは出場しません。試合を重ねるごとに実力をつけていく頼もしい祐香です。令和の新時代を担う大物新鋭の一挙一動を見逃せません!

(了)