シニア3年目の湯原信光(51)が全米シニアオープンのハワイ地区予選会に挑戦して見事1位通過、7月30日からの09全米シニアオープン(インディアナ州ミネアポリスのクロックドスティックGC)への出場権をゲットしました。日本選手に与えらる全米シニアオープンの有資格者は、前年日本シニアツアー賞金ランキング1、2位のみ。米国内での地区予選会(42ヵ所)にまで出向いてクォリファイした選手は初めてではないでしょうか。湯原信光の意気やよし! 世界へトライするのは、全英オープンで大騒ぎの石川遼だけではありません。結局、全米シニアオープンに出場する日本人は、湯原のほか飯合肇(08国内賞金1位)、渡辺司(同2位)、米シニアで活躍中の尾崎直道の4人の予定。その1週前には全英シニアオープンがサニングデールGCであり、これには青木功はじめ9人の日本選手がトライします。日本のシニア勢の″やる気〝に注目です。
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米国内42コースで行われる全米シニアオープンの地区予選は、開かれた大会のようでもありますが、非常に厳しい枠で縛られています。クォリファイは″一人枠〝という地区も多く、6月29日のハワイは約30人がエントリーして″一人枠〝でした。オアフ島エバビーチの「ハワイプリンスGC」(パー71)での1日18ホール。3アンダー、68で回った湯原は、2位のデービッド・イシイ(ハワイ)に1打差で1位通過するきわどい勝利でした。しかし″一人枠〝に挑んで見事その座を射止めた湯原には念願かなった嬉しいクォリファイです。このハワイ予選には中瀬寿も受験して落選しています。
日本のレギュラーツアーでは7勝を挙げるなど「日本で3本の指に入る美しいスイングの持ち主」として知られていた湯原ですが、シニアエージに入ってまだ勝っていません。81年以来20年間レギュラーツアーのシード選手として活躍。その間ケガや病気にも悩まされる苦労の時期もありました。07年にシニア入りして2シーズン、トップテンには6回入っていますが、08年の日本シニアオープン3位がベスト順位です。シニアの試合に慣れるまでに時間のかかる人も多いですが、湯原もその一人。国内での初優勝も近いと思いますが、湯原の夢は米チャンピオンズツアーでのひと暴れです。50歳でシニアになったときから「どうしても一度やってみたい」と、米国でのシニアツアー(チャンピオンズツアー)への挑戦を忘れませんでした。昨秋(08年)には米シニアのQTを初受験、失敗に終わっています。今回のハワイ予選トライもこのQT受験に続く第2弾といえるものでした。51歳とまだ″若い〝湯原ですから、これからも米国志向は変わらず、チャンスを探し続けるでしょう。
今年の全米シニアオープンは全英シニアオープンの翌週に行われます。両方かけもちでは苦しいですが、湯原は全米シニアオープンに絞って渡米できるのはラッキーです。ピート・ダイ設計の難コース、クロックドスティックGCが舞台です。
全英シニアオープンは全英オープンが終わった次の週、23日からサニングデールGC(オールドコース)で開催されます。全英オープン、全英シニアオープン、全米シニアオープンと3週続きでメジャーが行われることになります。
全英シニアオープンには青木功を筆頭に尾崎直道、友利勝良の海外組が出場するほか、日本から水巻善典、白浜育男、池内信治のシニアルーキーが参戦します。
全英シニアオープンの出場資格の一つに「50歳でシニアになった日本選手で、レギュラーツアーで1勝でもしていれば、その年1回だけ全英シニアオープンの出場資格を与える」というカテゴリーがあります。水巻善典は日本ではすでに昨年後半シニアツアーに出ていますが、シニアになって初めて迎える全英シニアオープンです。昨年12月に50歳となった白浜育男、今年4月に50歳になった池内信治の3人がこの出場資格に当てはまり白浜、池内の2人は、日本でのシニアツアーデビューより一足お先で、全英シニアオープン登場です。この6人のほかに、羽川豊、中瀬寿、水野和徳の3人がマンデー予選会にトライします。羽川豊は前週、テレビ朝日の解説者として全英オープンの解説を務めたあと、その翌日のマンデー予選に挑みます。目の前でみる全英オープンの興奮が、そのまま自分のプレーにプラスとなって乗り移るかどうかです。
全英シニアオープンといえば、いまでも忘れられないのが02年、須貝昇がロイヤル・カウンティダウンGC(アイルランド)でのシニアオープンで優勝した快挙です。とにかく16日からの3週間のメジャーウイークが面白そう。中でも予選トップ当選した湯原信光の″勢い〝に期待をかけましょうか。
★3連続メジャーにトライする日本選手
<全英オープン>
矢野東、石川遼、近藤共弘、久保谷健一、小田孔明、池田勇太
<全英シニアオープン>
青木功、尾崎直道、友利勝良、水巻善典、白浜育男、池内信治
#マンデー予選出場者
羽川豊、中瀬寿、水野和徳
<全米シニアオープン>
飯合肇、渡辺司、尾崎直道、湯原信光