気になる飛ばし屋、19歳・森田理香子。 前半戦で初シード確定。初優勝はいつ!?

人を射るような眼差しの森田理香子。ショットに負けない「美形」も人気選手になりそう。
人を射るような眼差しの森田理香子。ショットに負けない「美形」も人気選手になりそう。

 人気の女子プロ界にまた一人、気になるルーキーの活躍が目だっています。森田理香子・19歳。京都学園高卒。高校卒の昨年、プロテストで一発合格。QT(ツアー出場予選会)35位の資格で今年からツアー参戦しましたが、ニチレイPGMレディス3位で脚光を浴びるや、明治チョコレート杯でも7位。先週のアクサレディスでは優勝に1打足りない4位に入る大健闘です。前半戦ですでに2000万円を超える賞金を稼いで来季の初シードを決めています。チャーミングな容姿と女子プロトップ級の飛ばし屋なのが一層彼女を引き立たせています。

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ゆったりしたリズムでフィニッシュまで振りきる森田理香子のドライバー。
ゆったりしたリズムでフィニッシュまで振りきる森田理香子のドライバー。

 北海道・苫小牧で行われたアクサレディスでは森田が早々とプロ初勝利を挙げるかとわくわくさせてくれました。初日10位タイ、2日目9位タイと順位を上げ、最終日は連続バーディーを奪った9番では単独首位。17番まではトップタイで大詰を迎える堂々たるゴルフを演じてギャラリーを沸かせました。勝負は17番のパー5(535ヤード)でした。最後勝ち抜くにはこのホールをバーディーで上がることが必須条件。280ヤードは打てる飛ばし屋の森田なら2オン可能なホール。ナイスドライブから、当然のようにフェアウェイウッドでグリーンを狙いました。ゆったりしたフォームから大きなフォローへ振りぬく森田のスイングは豪快。いい軌道で伸び、2オンかと思われたボールは花道のところで僅かにドローがかかってグリーン左のバンカーへ落ちました。紙一重でした。そのまま乗ればイーグルパットも夢でなかった1打でしたが、ボールは無情です。そのバンカーショットが、やや大きく転がってピンを7メートルほどオーバー。バーディーパットが入らず、ここをパーにしたのが致命傷でした。
「ちょっと力みました。上位にいるのは分かっていたので・・」と、緊張のショットだったのは、やはり経験の少ないルーキーのせいだったのでしょうか。カップに寄せられなかったバンカーショットにもちょっぴり悔いを残したこの17番でした。

 トップに並んでいた上田桃子、李知姫や1打差を追っていた有村智恵らはみんなこのホールは確実にバーディーとして11アンダー。10アンダーの森田の夢はここでつぶされました。上田桃子、李知姫、有村智恵の3人で持ち込んだプレーオフは、2ホール目、アメリカ帰りの上田桃子のスーパーショットでバーディーフィニッシュで幕となりました。

パッティングなど細かいプレーもこれからの課題のひとつ。師匠である足立香澄プロの励ましも森田を支えている。
パッティングなど細かいプレーもこれからの課題のひとつ。師匠である足立香澄プロの励ましも森田を支えている。

 あわや!まで持ち込んだルーキーにしては大健闘というところですが、最後の最後まで優勝を争っただけに惜しい試合でした。ツアー参戦半年でここまで持ってきた理香子のゴルフはさすがというべきでしょう。シーズン当初は6試合連続予選落ちが続いたりで新人の苦しみを味わいましたが、5月下旬の中京TVブリヂストンで初めてアンダーパーのゴルフ(1アンダー)をしてから、本領を発揮し始めました。以来9試合、廣済堂のイーブンを除くとすべてアンダーパーのゴルフを続けています。もちろん予選落ちはありません。実力をじわじわと発揮し始めたといっていいでしょう。

 森田は祖父がゴルフ練習場を経営しており8歳でゴルフを始めました。そのころから「将来はプロになりたい」と思っていたそうです。アマチュア時代は「関西では敵なし」といわれ、16歳の高2のときにすでに250ヤードを飛ばし、この06年は世界アマ2位、世界ジュニア8位、全日本女子パブリックアマ優勝などJGAのナショナルチームのエースとして活躍。07年(高3)の世界ジュニアには女子は宮里美香、森桜子、男子は石川遼、前粟蔵俊太、古田幸希らとともに米国遠征、女子個人(15才~17才の部)で2位タイに入るなど国際大会でも名を売りました。08年の日本女子アマの決勝戦で同学年のライバル・森桜子に敗れて2位となりましたが、7月下旬のプロテストでは6位合格。12月のLPGA新人戦加賀電子カップでは早々と優勝。素晴らしいキャリアーをスタートさせました。

 アマ時代の戦歴には不足はありません。しかし、プロになっていかに勝てるゴルファーになれるかが勝負です。中学時代からの仲良し、日本女子アマでは一敗地にまみれた森桜子が、プロ入り後はいまだに苦戦の連続でパッとしません。桜子を一歩リードした理香子ですが、もうそこまで見えてきた「初優勝」にいつとどくか?もう時間の問題とみる人も多いようです。
「日本で勝ってからはアメリカに行ってみたい」と夢を膨らます森田ですが、″1勝の壁〝を破ったら一気にブレークしそうな魅力を秘めたルーキーです。
 これからの後半戦、さくらや美保とはまた違った焦点の人は、森田理香子です。1戦1戦、目を離せません。

◆森田理香子の今季成績

出場試合        順位  スコア
ダイキンオーキッド   43位(+2)
ヨコハマタイヤPRGR 予落
ヤマハ         予落
スタジオアリス     予落
ライフカード      予落
フジサンケイ      予落
クリスタルガイザー   予落
ワールドレディス    55位(+10)
ヴァーナル       予落
中京TVブリヂストン  15位(-1)
廣済堂         37位(0)
リゾートトラスト    4位(-2)
サントリー       17位(-2)
ニチレイPGM     3位(-5)
プロミス        13位(-6)
明治チョコレート    7位(-1)
スタンレー       16位(-2)
アクサ         4位(-10)