シニアツアーの今季第２戦「プロゴルファー誕生１００周年記念ＩＳＰＳ　ＨＡＮＤＡ　コロナに喝！」が群馬・赤城ＧＣで３日間競技で開催。鈴木亨（５４）が初日からのトップを守りきり、通算１９アンダーで完全優勝。２０１８年１１月以来のシニア４勝目を挙げました。スーパーシニアの部（２日間、６８歳誕生年以上）は、笹生優花と練習ラウンドした初見充宣（６７）が通算１０アンダーで優勝。新型コロナ禍で大打撃を受けているゴルフ界に、ＩＳＰＳ（国際スポーツ振興協会＝半田晴久会長）は新たにシニアツアー２試合を投入。ともに有観客（無料）で第１戦の朝霧ＣＣ（静岡・優勝５００万円＝７月）に続き赤城ＧＣ（優勝シニアの部１０００万円、スーパーシニアの部優勝１００万円＝８月）では３日間で２８４６人のギャラリーが詰めかけました。一定の盛り上がりをみせたといえるでしょう。

 

 

 

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コロナ騒ぎの中、シニアツアー２試合を新規参入させたＩＳＰＳ。会場でのコロナ感染予防に加え暑さ対策など万全を期していました。入場する観客には消毒、検温はじめフェースシールド・マスク・ポリ手袋のセット、さらに連日弁当（先着１０００人）を全て無料で用意する周到ぶり。猛暑対策の一つとしては氷菓子の「ガリガリ君」食べ放題の無料配布までありました。

初日から６４を出してトップを走った鈴木亨は「ギャラリーがいてくれると、声をかけてくれたり、近くまできてくれたり・・励みになりましたね。中には″まだまだ！〝といってくれたりね。見られている方が集中もするし、プロ冥利につきます」と、３日間充実したプレーができたことの喜びを語りました。さらに「ギャラリーが入ってくれた中での１打を争う戦いは、むちゃくちゃ緊張もするんですけど、終わったあとの優勝というのは、解放感と嬉しさで快感です。開幕戦から２試合も開催して下さった半田晴久会長さまさまです」とも。やはりプロスポーツは、観客がいていいプレーを見せるのが本来の姿なのでしょう。
最終日、途中でドライバーのヘッドが割れたのに気づき、１６番からはスプーン（３Ｗ）に持ちかえて急場をしのいだという鈴木。室田淳がエージシュートの６５で１打差まで迫ってきましたが、最終１８番の鈴木は１０㍍のロングパットを８０㌢に寄せてパーで凌ぎました。レギュラーツアー８勝、２０１６年にシニア入りして通算４勝目の実績をもつ鈴木亨らしい落ち着いた逃げ切りでした。

「コロナ騒ぎの中で、半信半疑でやってきましたが、こういう結果が出て、やってきたことが間違いでなかったのかと思えるにがうれしい。ギャラリーも入ってくれたし、ツアープロとしてやっていけそうなのかなという思いもまた生まれました」ー。夫人はプロゴルファーの旧姓・丸谷京子。Ｃ－ｕｔｅの元メンバーで歌手・鈴木愛理（２６）の父。コロナ禍の中でまた一つドラマを作りました。

ドラマといえば、スーパーシニアの部で勝った初見充宣は、８月初め所属コースの長野・立科ＧＣでいまをときめく笹生優花（１９）と練習ラウンドを共にした仲です。長野・佐久に自宅のある初見充宣プロ。近くの立科ＧＣがホームコースですが、以前から仲のいいフィリピン出身のフランキー・ミノザから頼まれ、ＮＥＣ軽井沢７２を控えていた笹生と３日間立科ＧＣでスイングチェックをしたそうです。８月４日、「ＩＳＰＳハンダ・医療従事者応援！！チャリティ―レディス」（静岡・伊豆大仁ＣＣ＝２日間競技）で２位に終わった笹生は、そのまま長野・立科ＧＣ入り。初見充宣プロと３日間のミニ合宿で調整。近くの軽井沢７２に移ってあの劇的な逆転優勝を遂げたのでした。

今春、ＩＳＰＳの豪州の女子ツアーにも出場している笹生優花は、半田会長とも交流があり、そのＩＳＰＳの試合に初見充宣プロが勝利したのも何かの縁かもしれません。原英莉花、西郷真央らとともに「ジャンボアカデミー」の門下生でもある笹生優花。９月１４～１５日には「ＩＳＰＳジャンボ尾崎記念チャリティ―」（千葉・ＧＯＬＦ５カントリー・オークビレッジ）が予定されてます。出場選手は未定ですが、ＩＳＰＳ・半田晴久会長を巡るゴルフ界の動きが気がかりです。

（了）