今年の国内男子ツアーで最優秀新人賞など4冠をひとり占めした男、金谷拓実(23)。来年4月の米国メジャー、夢の「マスターズ」の出場権もほぼ手中!のビッグニュースです。国内最終戦「日本シリーズJT杯」で単独3位に入ったことで、世界ランキングのボーダーライン「50位」をクリアしたのです。一気に5ポイント上げて、54位から49位にランクアップ。このまま年末時点で世界ランク50以内なら来春のマスターズ出場が決定します。金谷のマスターズは、アマチュアで出場した19年(58位)以来3年ぶり2度目。プロとしては初となります。また、来年1月に米・ハワイで行われる米ツアー「ソニー・オープン」(ワイアラエCC)にも、世界ランク日本ツアー最上位の招待枠で出場が決まりました。2022年は金谷にとってさらにビッグなシーズンになりそうです。
☆★ ☆★ ☆★ ☆★
国内最終戦で優勝は成りませんでしたが、単独3位(国内賞金ランク2位決定)に入った金谷に“世界ランク5ポイントアップ”のうれしいニュースが飛び込んできました。日本シリーズ最終日、東京よみうりコースの難関ホール18番パー3では、ピン奥に落としたボールが強い傾斜にのってスルスルとカップ1㍍強まで転がり落ちるお見事ショット。これを沈めるバーディーフィニッシュが、千金の1打でした。日本のメジャー大会とはいえ、3位で5ポイントも世界ランクがアップしたのはうれしい話ですが、金谷の執念が生み出した「50位以内入り」ではありました。「世界ランクのことは、3位以内なら・・と聞いていたので」と金谷。
この最終戦は、逆転賞金王、世界ランク50位入り・・と大きなターゲットとの戦いで、金谷にとっては過酷な1戦でした。その最終ホールでつかんだ“単独3位”の座。「(狙っていた)優勝はできなくて逆転賞金王もなかったけど、3位ならというノルマを果たしたから。今年は最後まで諦めないプレーが続けられた。それが世界ランクにもつながったのだと思う」と、ホッと胸をなでおろす金谷クン。最優秀新人のほか平均ストローク賞、パーキープ賞、さらにゴルフ記者が選ぶゴルフ記者賞の4冠に加え、マスターズ切符の“大魚”もつかんで、いうことはないプロルーキーイヤー(20~21年統合シーズン)となりました。最終戦のあと、東北福祉大の偉大な先輩、松山英樹とも電話で話したという。「日本シリーズも(テレビで)見てくれていたそうです。的確なアドバイスももらえました」とうれしそうに明かす金谷でした。
最終戦翌日(12月6日)、都内のホテルで行われたJGTOのシーズン表彰式。金谷は契約先のポロ・ラルフローレンでばっちり決めたタキシードに蝶ネクタイの正装で登場。仲のいいアマチュアの中島啓太(日体大3年)と談笑。すでにマスターズ切符を手にしている中島啓太(11月のアジア・パシフィック・アマ選手権V)は「来年は(オーガスタで)一緒に練習ラウンドできたらうれしいですね」と、2人で仲良くガッツポーズをみせてカメラマンを喜ばせていました。マスターズより前、1月には米ツアーのソニー・オープン(ハワイ)でも2人の出場が決まっています。マスターズの“前哨戦”としても注目したい試合です。近い将来、日本の男子ツアーをしょって立つであろうこの2人。来春の米ツアーは目が離せません。
世界のほとんどのツアーも年内の試合は終了しているので、金谷が年内に世界ランク51位以下に再び落ちる可能性はほとんどないと思われます。12月最終週に更新される世界ランキングで50位以内をキープできれば、金谷のプロとしてマスターズ初出場が正式に決まります。
(了)