★古江彩佳、劇的逆転初V!しぶこ“怒りの巻き返し”成るか!「ミュアフィールド」攻略は?「AIG全英女子オープン」今週開幕!

2日間2オーバーで予選落ちの渋野。優勝した古江と明暗くっきり。シブコは今週の「AIG全英女子OP」にかける!

夏の陣、真っ盛り!古江彩佳(22)が「スコットランド・女子オープン」で4打差9位からの劇的逆転初優勝を遂げました。その一方で渋野日向子(23)は予選落ちの明暗!しぶこ起死回生をかけたメジャー「AIG 全英女子オープン」が今週4日から始まります。今年の「AIG女子OP」は、リンクスの中でも最もタフといわれるスコットランドの「ミュアフィールド」で初めての開催です。今季から米ツアーに本格参戦しているしぶこは、シーズンはじめのアジアシリーズやハワイでは来季のシード権を確実にする勢いのスタートを切ったものの、米本土に入ってからはいいところがありません。いま戦っている欧州シリーズでも「AIG全英女子」の“前哨戦”でも予選落ち。「エビアン選手権」から“連敗”で、ここ8戦中予選落ち6回、棄権1回と、さんざんな成績です。今週は、しぶこの名を一躍世界に広めた縁起のいい「AIG全英女子オープン」(2019年優勝)。どん底?ともいえるいまのしぶこの、勝負の一番です。どう戦うのでしょうかー。

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スイング改造などを経て、今季は復調かと思わせたしぶこ。米ツアーの荒波にもまれている。

8月4日からの「AIG全英」を控えての“前哨戦”「スコットランド・女子オープン」(米・欧女子ツアー共催)がまず注目でした。しぶこも2年前に1度出場したことのある試合での小手調べ。「エビアン選手権」で予選落ちしたあとは、エビアンに留まって練習で週末を過ごしたというしぶこ。スイングのことばかりを気にしてクラブを「振ること」がおろそかになっていたと反省。舞台が変わるリンクスコースだけに「風が吹いたときこそ、開き直ってゴルフができたらいい」と、思いをこめてスコットランドに臨みました。4月、やはり風の強いハワイでの「ロッテ選手権」では2位入る好成績を収めめましたが、ハワイとはまた違った風の吹くスコットランドです。
日本勢は畑岡奈紗、古江彩佳、笹生優花、渋野日向子と4人のトップクラスが出場しましたが、しぶこ一人が予選落ちの憂き目にあう1戦になりました。初日は久々のアンダーパー「71」で49位につけたあと、2日目に「75」と大崩れです。出だし10番(パー4)で10㍍超から3パットでボギーが先行。それでも前半のインは1つ伸ばしてターンしたのに、アウトに入って自滅でした。1番(パー4)では2打目をピン右手前8~9㍍。ファーストパットを80㌢ほどショート。“お先に”のパーパットがカップにけられてまさかの3パットボギー。2番もグリーンを外して連続ボギー。3番パー5では2打目の3Wを右へ曲げた球がロストボール。痛恨のダブルボギーとするなど、すべてに歯車が合わず、後半は「40」の大叩き。通算2オーバーの95位で2週連続予選落ちです。気まぐれな風、硬くうねりのあるフェアウェイやグリーン。3パットは3回。日本人にはなじみの薄いリンクスコースに泣きましたが、僚友の畑岡奈紗や古江彩佳は同じ2日間で7アンダーのゴルフをしているのだから、泣き言はいっていられないでしょう。「ちょっとショックは大きい」としぶこの目には涙がにじんだそうですが・・。

スコットランド予選ラウンド2日間、初めて同組になった元世界ランク1位のレディア・コ(ニュージーランド)からは
明るい笑顔をみて「これからよ」と励まされたという。

「AIG全英」への弾みにしようとしたのに、逆に自滅ゴルフで予選落ちというこの敗戦。しかも1歳年下の古江彩佳が、同じ試合で6連続バーディーなど10アンダー「62」の快スコアで大逆転Vのビッグニュースです。今週はもう開き直るしかありません。「全英」のあと、空き週となる8月18日から3日間、インドネシア・ジャカルタで行われる新規招待試合「シモーネ・アジアパシフィック・カップ」にしぶこが出場予定との情報です。イ・ボミ(韓)、リディア・コ(ニュージーランド)、ユ・ソヨン(韓)らビッグネームを含む16ヵ国・地域から44選手が集結、個人戦とチーム戦で争う試合(賞金総額75万ドル=約1億円)です。しぶこは妹(明大2年のアマチュア)と一緒に出場するということです。文字通り気分転換の1戦で、何とかいまの悪い流れを断ち切ろうとする思いなのでしょう。

ところで、前週エビアン・リゾートに入るときに空港で荷物が一個届かず“ロスト”するトラブルに見舞われたというしぶこ。クラブのセットでなくてよかったですが、人手不足などで英国やスコットランドでは頻発しているパプニング。後日空港まで出向いてみたが、やはり届いておらず「練習器具やマッサージ器具などどうでもいい荷物だったから」と、紛失を諦めたそうです。海外らしいトラブルにも見舞われたしぶこサン。各国を転戦して戦うにはゴルフ以外でも厳しい体験を強いられているのです。

米・欧ツアー、ルーキーイヤーで初優勝。畑岡奈紗から祝福される古江彩佳(右)=22.7.31

6月の全米女子プロ選手権で体調不良により3Rスタート前に棄権して以来、約1ヵ月ぶりに「エビアン」で戦列復帰したのですが、また2試合連続の予選落ちは厳し過ぎます。気分一新して今季最後のメジャーにかけますが、愛用のピン型パターを4年ぶりに「エビアン」でマレット型に変えた効果も表れていません。また元に戻すかどうか。「グリーン上が安定すれば、ショットのリズムも生まれる」と言っているしぶこです。メンタル面の切り替えはうまいのいも定評があります。まだ23歳の若さ。持ち前の明るさを生かして「全英女子オープン」を乗り切れば、すべては吹っ切れるでしょう。
「(スコットランドは)苦しい試合でしたが、、いいところもあったり、飛距離も少しずつ戻ってきてます。今度こそ4日間をしっかり戦えるよう頑張りますから」(しぶこのコメント)と、前を向いています。僚友・古江のビッグニュースでさらに発奮しないはずがりません。しぶこの“怒りの巻き返し”を待ちましょう。
【スコットランド女子OP結果】古江彩佳⇒優勝ー21、畑岡奈紗⇒7位ー15、笹生優花⇒24位ー9)。

(了)