今季最後の海外メジャー「AIG全英女子オープン」を3位で終えた渋野日向子(23)。惜しくも1打足りずにプレーオフ進出を逃がして悔し涙でしたが、この3位で得た賞金は約6543万円(48万8285ドル)。大会史上最高額(約9億800万円=730万ドル)に増額された「全英女子」の夢舞台で、3位でも日本ツアーだとメジャー優勝を超えるビッグマネーです。しぶこは今季、カリフォルニアでの「シェブロン選手権」4位、ハワイでの「ロッテ選手権」2位(ともに4月)など、4回のトップ10入りを果たしており、いままでの稼ぎは約1億2052万円(89万2773ドル)。苦しんだ5~7月の不振は「全英女子」の“怒りのゴルフ”で一蹴。米ツアー本格参戦した今季の第一目標だった「来季のシード権」は、ほぼ手中です。さらに11月、高額賞金200万ドル(約2億2800万円)をかけて争われるシーズン最終戦「CMEグループ・ツアー選手権」(フロリダ州)への出場資格もほぼ確実。海外でのしぶこ人気も上々で、今週は18日から3日間インドネシア・ジャカルタで行われる韓国系企業がスポンサーの新規招待試合にもお声がかかり、妹(明大2年のアマ)と一緒に出場するというモテモテぶりです。しぶこの“米ツアー1年目”は、万々歳になりそうです。
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辛い試合があっても常に笑顔を絶やさず、同伴プレーヤーには暖かい思いやりをみせる“なでしこ・しぶこ”。「全英女子」で1打差で敗れた時、優勝したブハイ(南ア)には両手を挙げてバンザイ。熱いハグで米ツアー初優勝とメジャー制覇を祝福。ブハイの夫にもエールを送ったしぶこのスポーツマンシップが話題を呼びました。「スマイル・シンデレラ」の人気はいまも健在なのです。
米女子ツアーには賞金ランキングとは別に、来季の出場権を約束される「CMEグローブ・ポイント」があります。選手にとっては見逃せぬポイントです。試合の順位によってポイントをゲットし、最終的に『80位』までの選手は、翌年のシード権を獲得できます。さらに「81位」から「100位」までの選手にもツアーカードが与えられ、限定的な出場権が得られます。
「全英女子」で大会3位でフィニッシュしたしぶこは299ポイントを獲得。通算844.625ポイントで36位から23位に上昇。来季の出場権獲得はすでに“当確”といわれています。
ちなみに米ツアーで戦う日本勢では、畑岡奈紗がポイント8位。古江彩佳15位。笹生優花29位。野村敏京140位と続いています。「全英女子」で予選通過して健闘した山下美夢有、堀琴音は米ツアーメンバーではないためポイントは出ません。
「AIG全英女子オープン」は12人の日本勢が出場しましたが、誰がどのくらい稼いだのでしょうか。予選を通過したのはしぶこら4人。しぶこの3位に続く7位タイとトップ10入りした畑岡奈紗は約2153万円(16万700ドル)。13位タイの山下美夢有は約1552万円(11万5890ドル)。15位タイの堀琴音は約1338万円(9万9867ドル)。日本ツアーではいずれも優勝もしくは上位の賞金に匹敵する高額マネーを手にしました。
海外ツアー大会の賞金アップは増額一途で驚くばかりです。今年6月の全米女子オープンは、前年の550万ドルから倍増近い総額1000万ドル(約13億円)へ、優勝賞金は100万ドルから180万ドル(約2億3400万円)へと大幅アップで開催されました。日本の女子プロも、腕のあるものは“夢の舞台”海外へとなびくのも分かるゴルフ界です。
現在、米女子ツアーを主戦場としている他の日本ツアー選手の今季の稼ぎは? 【畑岡奈紗】約1億6193万340円(米賞金ランク12位)。【古江彩佳】約9143万3475円(米ランク20位)。【笹生優花】約5932万755円(米41位)となっています。
男子の「LIV招待ゴルフ」の高額賞金が世間を騒がせていますが、女子ゴルフも負けたくないのでしょうか!?=金額は8月10日現在=
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