★今季もゴルフ界をざわつかせる「LIVゴルフ」! 初年度の8試合から14試合へ、総額500億円超の日程発表。日本勢に声はかかるのか?!

 

ギャラリーがつめかける「LIVゴルフ」のスタンド。

昨年、新リーグ誕生で物議をかもした「LIVゴルフ」、2年目の日程が正式発表されました。ツアー初年度の昨年は8試合でしたが、今年は2月の

開幕戦(メキシコ)から11月の最終戦(サウジアラビア)まで14大会が開催されます。本拠地サウジアラビアはじめ、8試合開催の米国に豪州、シンガポール、スペイン、メキシコ、英国の計7ヵ国で大会が行われます。賞金総額も2億5500万ドル(約325億円)から4億500万ドル(約527億円)とさらにビッグなフィールドとなり、CEOのグレッグ・ノーマンは「今季も素晴らしいコースで新しい大会も開催され、世界のトップ選手の戦いが展開される。LIVゴルフはスポーツの新しい時代へと突き進む」と、自信あふれるコメントを出しています。日本での開催地発表はありませんでしたが、新たに日本ツアーからも「LIV」に“転換”する選手が現れるかどうか。今年も「LIVゴルフ」を巡る話題はつきないようです。

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練習レンジで人気の左打ちフィル・ミケルソン(米)に集まるファン。

サウジアラビアの巨額オイルマネーをバックにケタはずれの賞金額が“看板”の「LIVゴルフ」です。昨年、個人戦1勝、チーム戦5勝で初代賞金王となったダスティン・ジョンソン(米、38)。年間王者のボーナスも含めて3563万ドル(約46億3200万円)も稼ぎました。ジョンソンは「LIV」との契約金が別途1億2500万ドル(約162億円)といわれており、1年だけで「LIV」から得たマネーは、200億円超になる計算です。世界のゴルファーが夢見るメジャー「マスターズ」の優勝賞金は270万ドル(約3億2400万円)=2022年度=なのに、「LIV」の大会で優勝すると5億円超が手に入ります。「マスターズ」という“名誉”を別にすれば、選手にとってこんな巨額な収入を得ることができるところはありません。試合は、予選落ちのない3日間54ホール競技。フィールドは毎試合48人に限定されたフォーマットです。

初年度22年の開幕戦でティーオフするシャール・シュワツェル(南ア)

米男子のPGAツアーは、この新リーグに反発して「LIV」に出場した選手は米ツアーからシャットアウトするとの通達を出しています。また「LIV」の世界ランキングへの登録申請は、依然認められておらず、対立する欧米ツアーとのあつれきは熱いままです。ただ、海外メジャー「マスターズ」を主催するオーガスタナショナルGCは「2023年のマスターズにはLIVメンバーの参戦は可能」と、PGAツアーとは一線を画した発表をしているのが注目されています。
「LIV」プレーヤーの海外メジャーへの参戦の可否については、今後も議論が続くでしょう。
そして巨額なマネーをつぎ込む「LIVゴルフ」の大波は、どこまで続くのか。先行きは不透明・・と疑問視する向きもないではありません。

「LIVゴルフ」CEOのグレッグ・ノーマンを囲み、記念撮影する日本勢4人。左から谷原秀人、木下稜介、ノーマン、香妻陣一朗、稲森佑貴。今季の日本勢出場はあるのか?(22年シーズン)

さて、今季の「LIV」は2月24~26日、メキシコ・マヤコバで開幕し、11月3~5日のチーム戦・ジッダの最終戦は“本拠地”サウジアラビアで開催され、計14試合。その間の海外メジャー4大会と9月の「ライダー・カップ」(米・欧選抜による対抗戦)とは重複しない日程となっています。昨年は谷原秀人、稲森佑貴、香妻陣一朗、木下稜介4選手が参戦した日本勢ですが、今年も招待状が果たしてくるのかどうか。この1年の間に世界のトップクラスが「LIV」に参入し、状況は初年度とは一変しています。日本勢の先導きっていた谷原秀人らは「LIV」には今年も積極姿勢ですが、世界ランキングの低い日本勢への“お呼び”は、いまのところかかっていません。開幕まであと2週間余りですがー。一方で「LIV」に賛同して足を踏み入れた世界のトップ選手たちは準備を怠っていません。昨季、50億円規模の荒稼ぎをした初年度“王者”D・ジョンソン(米)は、倍増近い試合増となる今季14試合では一体いくら稼ぐでしょうか。ゴルフ界をざわつかせる「LIVゴルフ」です。

◆2023年「LIVゴルフ」日程◆

2.24~26:マヤコバ(メキシコ/エル・カマレオンGC)
3.17~19:ツーソン(米アリゾナ州/ザ・ギャラリーGC)
3.31~4.2:オーランド(米フロリダ州/オレンジ・カウンティナショナル)
4.21~23:アデレード(豪州ザ・グランジGC)
4.28~30:シンガポール(シンガポール/ザ・セラポンatセントーサGC)
5.12~14:タルサ(米オクラホマ州/シダー・リッジCC)
5.26~28:DC(米ワシントンDC/トランプ・ナショナル)
6.30~7.2:バルデラマ(スペイン/レアル・クラブ)
7.7~9:ロンドン(英国/センチュリオンGC)
8.4~6:グリーンブライア(米ウエストバージニア州/グリーンブライア)
8.11~13:ベドミンスター(米ニュージャージー州/トランプ・ナショナル)
9.22~24:シカゴ(米イリノイ州/リッチハーベスト・ファームズ)
10.20~22:マイアミ(米フロリダ州/トランプ・ナショナル・ドラル)
11.3~5:チーム選手権ジェッダ(サウジアラビア/ロイヤルグリーンズG&CC)

22年は日本勢の“親分格”で5試合に出場。1億円超を稼いだ谷原秀人。「LIVゴルフ」には積極姿勢をみせる谷原だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(了)