″遼&雄星〝でヨネックスの顔となるか!? 遼はマスターズまで米ツアー5試合で小手調べ

スタート前、素振りをしながらギャラリーの声援に笑顔を見せる石川遼(昨年の日本プロ=恵庭CC)
スタート前、素振りをしながらギャラリーの声援に笑顔を見せる石川遼(昨年の日本プロ=恵庭CC)

 日本のゴルフ界はシーズンオフの真っただ中ですが、石川遼の動きだけが際立って注目されています。ロイヤル・トロフィーで気温35度超のタイから帰国すると、その翌日の1月16日からは恒例となった3年目のスキートレを気温差40度の越後湯沢で行いました。タイから帰国した夜には東京でテレビ朝日のビッグスポーツ賞の表彰式に出席、同じ18歳の西武のドラフト1位・菊池雄星投手と初対面、意気投合して健闘を誓い合ったそうですが、菊池投手が愛用しているヨネックスのウエア類は、遼クンに憧れて・・というおまけまでついています。石川遼はマスターズへ向けて5試合の米ツアーで調整、ターゲットの大一番にのぞみます。
 
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2009年度国内ツアーの賞金王となって各部門1位者とともに表彰された石川遼(左から3人目)。左端は小泉直JGTO会長。右端は青木功。
2009年度国内ツアーの賞金王となって各部門1位者とともに表彰された石川遼(左から3人目)。左端は小泉直JGTO会長。右端は青木功。

 プロ野球の今年の星、西武・菊池雄星投手がトレーニングで身につけているウエアは、石川と同じyyマークの「ヨネックス」なのにお気付きでしょうか。同い年ながら「(石川遼に)憧れている」という菊池投手は、石川が身につけているヨネックスのウエアをリクエストしたのです。「プロ野球に進むことが決まった昨年末に、高校の先生を通じてウチにウエアのリクエストがありました。ヨネックスとしても、石川プロと同じ年で、将来が嘱望される選手。注目していたところなのでさっそく要望に応えました」(ヨネックス企画宣伝部)。
 
 というわけで、昨年末バトミントン用、ゴルフ用などを中心に「約80種類のスポーツグッズ」(同企画宣伝部)を菊池サイドに提供したそうです。まだ契約を交わした選手ではないですが、ヨネックスに魅力を感じている菊池と、「菊池クンには関心がある」というヨネックスと″相思相愛〝になれば、近い将来何らかの「契約」にまで発展する可能性が出てきました。ヨネックスはこの1月8日に、阪神タイガースの藤川球児投手とヨネックスの高級アンダーウエア「マッスルパワーSTB」に関してのアドバイザリー契約を結ぶなど、ゴルフから野球界への進出も取りざたされているところです。
 
 同い年、遼&雄星の二人は、ウエアを通じても気持ちが通い合うものがあったようです。「ヨネックスを着てくれて感動しましたよ」といった石川遼。タイから帰国後、ビッグスポーツ賞の表彰式で初めて顔を合わせて握手。そのあとのテレビ番組で二人は対談までこなしました。その席で石川は、菊池が読書家で600冊の本を所有することなども聞きました。対談をしていても、幅広いボキャブラリーに感心し、その豊富な知識には舌を巻きました。その上、菊池からは「心眼力~柔らかく燃えて生きる30の智恵」(野口嘉則著)という本と、ラグビーのサントリー清宮克幸監督が収めたDVDをプレゼントされたそうです。
 いずれもメンタル面に影響を与える内容で、ゴルフでもメンタル面で弱いとされる石川は「いまの僕を見透かされているようですね。彼は頭がいいし、同級生とは思えません」と感心しきりでした。
 プロとしては2年先輩の石川ですが、野球界で生きてゆく同級生の菊池とは終生の友としての″絆(きずな)〝が固く結ばれたようです。
 

地球儀を持って指差し、米ツアー挑戦に意欲を見せる石川遼(昨年のトランジションズ選手権出場決定のとき)
地球儀を持って指差し、米ツアー挑戦に意欲を見せる石川遼(昨年のトランジションズ選手権出場決定のとき)

 3泊4日のスキー合宿を終えた石川は自宅で静養したあと、1月29日に今年最初の渡米をします。米ツアー挑戦の始まりです。第1戦は、昨年米ツアーへのデビュー戦で予選落ちしたノーザントラストオープン(2月4~7日、ロサンゼルス・リビエラCC)に再挑戦します。次週のAT&Tぺブルビーチナショナルプロアマ(2月11~14日、カリフォルニア・ぺブルビーチほか)にも出場。3週目のWGC・アクセンチュアマッチプレー選手権(2月17~21日、アリゾナ・リッツカールトンGC)と、3週連続で出場します。特に3戦目のアクセンチュアは、世界ランキング64位までの選手に出場が認められるマッチプレーで、推薦ではなく自力で勝ち取った出場権です。この3試合でいったん帰国。3月8日の東京・杉並学院高の卒業式に出席します。
 
 石川遼もあと1ヶ月余りで″高校生プロ〝とはサヨナラして正真正銘のプロです。最後まで未練を持っていた大学進学も、プロ2年目で頂上まで上り詰めてしまっては、あきらめざるを得ませんでした。大学との掛け持ちはもう不可能で、うれしい誤算といえるかも知れません。卒業式のあとは再渡米して昨年も出て71位に終わったトランジションズ選手権(3月18~21日、フロリダ・イニスブルックリンリゾート&GC)。続いてアーノルド・パーマーインビテーショナル(3月25~28日、フロリダ・ベイヒルGC&ロッジ)と2試合連続で出場。1週おいていよいよ2年目のマスターズ(4月8~11日、ジジョージア・オーガスタナショナルGC)へ、というスケジュールです。
 
 新年第1週にハワイで開幕した米ツアーは、今季最初のメジャー4月のマスターズまで15試合が組まれています。石川はそのうち5試合で小手調べをし、最後は2週連続で出て1週休養というベストと思えるスケージューを組んでマスターズにのぞみます。コチコチだったという昨年は、2日間6オーバーで予選落ち。今年こそその雪辱を果たすでしょう。
 

《石川遼、今年前半の出場米ツアー》
 
★ノーザントラストオープン (カリフォルニア)
★AT&Tぺブルビーチプロアマ(カリフォルニア)
★WGC・アクセンチュアマッチプレー(アリゾナ)
★トランジションズ選手権(フロリダ)
★アーノルド・パーマーインビテーショナル(フロリダ)
★マスターズ(ジョージア)