「4日間まんまとメジャーのワナにかかった!」メジャー仕様の茨城コースと春の強風に泣いた18歳・馬場咲希。2週後の次戦「ブリヂストン」での復調成るか!?

スーパーアマチュア、馬場咲希(18=東京・代々木高3年)が国内メジャーの厳しいコースセッティングなどに泣かされた。決勝ラウンド2日間でバーディー1個。最終日はなんと「81」を叩き、通算21オーバー、50位タイと記録的ワーストスコアの今季国内2戦目となりました。国内メジャー今季初戦「ワールド・サロンパス・カップ」(茨城GC西コース)に初登場した馬場。

メジャー仕様の厳しいコース設定など悪条件に耐え、2日目からの首位を守り切った吉田優利。嬉しいメジャー初V(ワールド・サロンパスカップ=茨城GC西)

昨年の全米女子アマチュア選手権を制し、今春は約1ヵ月の米国遠征で「オーガスタ女子アマ選手権」では5位と健闘。男子の世界最高峰「マスターズ」も現地で観戦、大きな刺激を受けて帰国。シーズンに向けて準備は万全かと思われましたが、国内メジャー仕様のシビアなコースと春先特有の気まぐれな強風にほんろうされました。今季は海外メジャー4試合にすべて出場する予定の馬場ですが、どう立て直すでしょうか。

優勝は吉田優利(23)が通算1オーバーで2位申ジエに3打差をつけ、悪条件を乗り越えてメジャー初優勝。通算3勝目。

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さすがの馬場咲希も春の強風と茨城GC西コースの厳しいメジャー設定に泣きました。

得意のロングショットも不発に終わった馬場咲希(ワールド・サロンパスカップ=茨城GC西)

深いラフに、アンジュレーションのある小さなグリーンは硬く固められ、ピンポジションは初日から18ホール中15ホールがエッジから5ヤード以内。グリーンの端、端に切られたホールが選手の攻撃の手を緩めさせました。昨年より長くなったパー4ホールもいくつかあって、2打目をショートアイアンというホールがいくつもありません。2日目を終わってアンダーパーは吉田優利(ー4)ただ一人。予選カットラインは9オーバー(大会記録を1打上回った)。3日目にはアンダーパーはついに0人というタイトな大会でした。馬場は7オーバーで予選はクリアしましたが、本調子にはほど遠く、3月のオーガスタ女子アマからずっとショットに悩んでいたという。「スイングのリズムがズレている。振り切ろうとしているのだが振り切れない。アプローチとパターでカバーしようとしたのですが・・」と、耐えながらのラウンドだったことを明かしました。予選通過のあともスコアを上げられず、最終日は風に加え冷たい雨にも見舞われて終盤(インスタート)でトリプルボギー(7番、パー4)、ダブルボギー(9番、パー4)と、3ホールで5つ落とす「81」の最悪の上がりを記録しました。

今年3月「オーガスタナショナル女子アマ」日本人最高位の5位と健闘。進藤大典キャデイー(左)とフェアウェイを歩く馬場咲希(右)=米・オーガスタナショナルGC

この4月25日に18歳になったばかりの咲希。父親に勧められたというサンバイザーを今回は初めて着用。髪をうしろでまとめる新しいヘアスタイルで登場。キャディーには今季すでに2勝(吉本ひかる、神谷そら)をもたらしている照井浩二さん(42)を初めて起用するなど、国内メジャーへの意気込みをみせていたのだが・・。大型連休に開催される大会でもあり、今年も初日から6年ぶりに1万人を超える大ギャラリーが馬場咲希らのプレーを見ようと殺到、その人気は衰えてはいませんでした。悪いとはいっても今大会もアマチュアでただ一人予選を突破、昨年の日本女子オープン(11位)に続き国内メジャー連続決勝進出した“大物”には変わりはありません。

 

 

 

61人中50位タイの馬場咲希のコメント。

シビアなコースメジャー設定に、最終日は冷たい雨に見舞われ21オーバー、50位の“洗礼”を浴びた馬場咲希(茨城・茨城GC)

『今週は“メジャー”をめちゃくちゃ体感してしまったというか、悪い意味で4日間まんまとワナに引っかかった感じです。最終日もターンして3番(パー5)で1㍍のバーディーチャンスを外してプツンと切れちゃった。そのあとはショットもアプローチもパットも、何もイメージが沸かなくなってしまった。ショットは得意だったので、そのショットが悪くなってしまうと、ほかにいいところを見つけられなくなってしまう。すごく難しいアプローチやバンカーショットをたくさん打たされた。まずはこのショットを元に戻さないと・・』

馬場の次戦は、2週後の国内「ブリヂストン・レディス」(5.18~21愛知・中京GC・石野)。今季国内3戦目になります。また今季は海外メジャー4戦、「シェブロン選手権」(4月米テキサス=予選落ち)、「全米女子オープン」(7月米カリフォルニア・ぺブルビーチ)、「エビアン選手権」(7月フランス)、AIG(全英)女子オープン(8月英国)すべてに出場する予定の馬場です。すでに終わった「シェブロン」は予選落ちでしたが、次の海外メジャー2戦目は7月6日からの「全米女子オープン」。それまでには今回茨城での悪夢を洗い流さなけれなりません。懸命な練習が必要でしょう。持ち前のロングショットの調整もだが、最近試合で上手くいっていないバンカーショットやショートゲームの立て直しも気分転換への課題となるでしょう。

「(国内次戦まで)1週間空きがあるので(悪い)ショットを長引かせず早く元に戻せるよう、しっかり頑張ります」と馬場も話しました。彼女にはまだ18歳になったばかりの“若さ”があります。茨城で受けた手痛い洗礼を忘れるきっかけをどこかではつかむでしょう。まずは次戦ブリヂストン・レディスでの本来のバーディーラッシュに期待しましょう。