細川和彦(52)が息子と戦った楽しかった夏休み!2位惜敗でお小遣いの額は?

 

特別な夏休みを送った細川和彦プロ(右)と大学2年生の次男・和秋クン(左)の父子(静岡・裾野CC)

シニアツアーは約2ヵ月間スケジュールがなく、今季4試合目の「ファンケル・クラシック」が静岡・裾野カンツリー倶楽部で行われました。毎年大勢のギャラリーが足を運ぶ真夏の祭典。シニアツアーでは高額の優勝賞金1500万円を争っての熱戦が繰り広げられますが、今年は細川和彦(52)が初日からボギーなし「65」のロケットスタートで話題を独り占めしました。さらに衆目を集めたのは、次男の和秋クン(流通経済大2年)が昨年に続いてキャディーをつとめ、息の合った微笑ましい親子タッグを組んだこと。21年の「コスモヘルスカップ」以来のシニア2勝目を目前まで引き寄せましたが、最終日7つスコアを伸ばした宮本勝昌(50)の猛攻にあって3打差の11アンダー、単独2位と惜敗。和秋クンは「トップテンに入ればいいよ」と慰め励ましてくれたという。次週の「マルハンカップ太平洋クラブシニア」(太平洋御殿場コース)でももう1試合バッグを担ぐ予定だが、再来週には友達と北海道旅行に行くという和秋クンに、気になるお小遣いの額は?父親は「10万円くらいあげればいいいいでしょ」と笑って明かしました。父子で過ごす特別な夏休みはあと1週間ー。ちなみに2位の賞金は720万円でした。

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現在、和秋さんは流通経済大学(茨城と千葉にキャンパス)の2年生。それまでは卓球をやっていたそうだが、大学に入ってからゴルフを始め、父親の手ほどきもあっていまではベストスコア「81」を出すほどの腕前。ドライバーの飛距離では280ヤード超を飛ばし、父親は「もう距離ではかなわない」と若者の成長には驚きの声をあげています。しかし、和秋クンはプロゴルファーを望まず「トレーナーとかティーチングプロとか、体についての勉強をしながらゴルフがやりたいようだ」(細川プロ)という。しかし、キャディーをやっても「番手がちょうど同じくらいの距離になっているから、出す番手もパッと2、3本で決めてくるから意見が食い違うこともほとんどない」とか。パットラインも「スライスに見えるけど真っすぐと、最終日17番のパーパットの時もいわれて参考になった」と、相当なゴルフ通だ。
2つ上の兄は今春大学を卒業、プロ志望でQT(予選会)にトライしているが、今回は2次で落選しています。細川家の兄弟はともに父親の血を引いてプロゴルフ界を目指している頼もしい一家です。
細川プロのどんな時でも力みのないリズミカルな“早打ち”は、レギュラー時代からいまも変わりません。“構えたらすぐバックスイグに入る”早打ちの特徴は、PGAの会長だった倉本昌弘と双璧だ。細川プロは「頭にあるのは弾道のイメージだけ。それが決まったら時間をかけずにもう打つだけ。あれこれ考えていたら力も入るし、いいことはない。イメージが出なかったら軽く素振りをすればいい」といっています。そのリズムでレギュラーツアー通算8勝を挙げてきたのです。ドライバーでもアイアンでもすべて同じ。構えたら力みなくスッと振り抜いていく細川打法は、アマチュアにも採り入れたいゴルフの大切なコツです。

 

初日「65」のロケットスタートしながら最終日、宮本勝昌の大逆転Vで2位に惜敗した細川和彦のショット(ファンケルクラシック)

その細川にさらに心強い相棒がついたのです。和秋さんは、今回父のロケットスタートに始まり、最終日まで厳しい優勝争いを目前で身をもって体験しました。父親のリラックスゴルフに合わせるように「きょうも楽しんで」「去年よりいいよ」「トップテンに入ればいいよ」・・と励ましの声も飛ばして「ずいぶん楽になった」と父はふりかえります。「優勝争いの経験もできたし、目の前で回っている人が優勝するのも見た。ホテル泊まりの生活も勉強だよね。寮生活をしているおかげで洗濯も自分でやっていたからね」と、父親の顔もちょっぴりみせる細川です。

 

ショットが切れ、難しいパットも次々と決める素晴らしいゴルフで逆転Vの宮本勝昌(裾野CC)

 

「最終日を振りかえると、悔しかったけど楽しかった。宮本(勝昌)は、自分の初日のようなゴルフをしていた。勝つときはそうだね。でも自分も悪くなかった。こっちが崩れたわけじゃない。その辺は大納得で、去年、崩れたときとは大違いかなと思う。これでシードも大丈夫だと思うので、来週からまた楽しんでシニアツアーをやりたいですね」

 

 

最終日、2打差2位から「65」で7つ伸ばした宮本勝昌。シニア2年目でうれしい初優勝=大会提供=

 

 

 

 

夏休み最後のお手伝いで和秋クンは次週の「マルハン太平洋クラブ」でも、引き続きキャディーをやる予定です。「ゴルフを始めて1年ちょっとだけど、ゴルフをしたい気持ちがいっそう湧いたんじゃないかな」と父。10オーバー、71位に沈んだ昨年大会。去年はカートを引っ張ってキャディーをつとめた和秋クンが、今年は重いバッグを肩に担いで歩き父親を支えました。和彦プロが和秋クンと優勝カップを掲げるリベンジの日は、そう遠くはないでしょう!

(了)