「日本プロ」のTV放映、50年続いた『日テレ』から新たに『BSフジ』へ。  4日間通しライブで見られるゾ!

男子メジャー「日本プロゴルフ選手権」TV放映局が今季より「日本テレビ系列」(以下日テレ)から「ビーエスフジ」(以下BSフジ)へー。1974年以来50年の長きにわたり「日本プロ」の中継局として親しまれてきた「日テレ」が降り、「BSフジ」に変更される理由は? 主催の日本プロゴルフ協会(PGA)によれば「試合の緊張感・臨場感を、チャンネルの変更なくライブで4日間視聴者に届けたかった。今後もいままで以上に素晴らしい映像をゴルフファンに提供できるよう取り組んでいきます」としています。今年の「日本プロ」は7月4日から4日間、岐阜・富士カントリー可児クラブ志野コースで行われ、地上波はなくなりますが、「BSフジ」のLIVE放送で初日から4日間熱戦の模様が放送されます。スポーツ一般、とくにゴルフの放映がこれからも大きく変わろうとする“波”がやってきました。

前年の「日本プロ」が行われた北海道・恵庭GC#18ホール。(写真提供:PGA)

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ゴルフトーナメントもいまやテレビ放映なしではゴルフファンも納得できない時代になっています。最終日の優勝争いはもちろんですが、決勝ラウンドに進んだプロたちの思い切ったプレーを4日間を通して見たい。特にメジャー大会などは初日から選手の駆け引きやショットを同じチャンネルで楽しみたいのが視聴者の思いです。「日本プロ」の放映権を1974年の「表蔵王国際GC」大会以来50年もの長期に渡ってもっていた「日テレ」。ただ、これまで決勝ラウンド2日間に重点が置かれ、初日、2日目はCS等をミックスして放映した実績はあるのが現状でした。
トーナメントは4日間のライブ放送をよしとするPGAとしては、満足度に欠ける放映だったわけです。4日間の地上波中継は難しいとする「日テレ」は、もしライブとなると、やはりCSあるいはBSとなり、チャンネルの変更が必要となります。一方「BSフジ」は放送時間は未定としていますが、4日間を通してライブ放送が可能で、チャンネルを変えることなく4日間いつでも実況ライブを楽しめるというわけです。
日本プロゴルフ協会はこうした状況を踏まえて「今年の日本プロの放映は、これまでの日テレからBSフジへ変更となります」と1月31日にリリース発表を行いました。「チャンネルの変更なく試合の緊張感・臨場感を4日間ともライブで視聴者に届けたい。これがプロゴルフトーナメントの魅力を発信する基本と考えます」と放映局変更の理由を力説しています。

ゴルフのテレビ中継も時代とともにさまざまな方式が採り入れられてきました。女子プロゴルフ協会は小林浩美会長の肝いりでインターネットによる放映を重視し、今季も「DAZN(ダゾーン)」と「UーNEXT」と手を組み、「日本女子オープン」と「TOTOジャパン」の2試合を除く年間全35試合をライブ配信する契約を完了しています。配信時間は大会ごとに日本女子プロゴルフ協会のサイトでチェックできるとしています。男子ゴルフの「日テレからBSフジへ」の転向劇もゴルフトーナメント放送様式の将来を模索する“1歩”かもしれません。将来的にはユーチューブやニコニコ生放送での放映もあり得るとの見方です。

PGA吉村金八会長(左)と握手を交わす平田憲聖(右)

 

「日本プロ」は日本最古の歴史を誇る国内3大大会の一つ。今年第91回を迎えるビッグイベントで前年大会は北海道・恵庭CCで開催。22歳の平田憲聖が73年のツアー制施行後では最年少でメジャー初優勝を飾りました。生中継だった最終日の視聴率は4.6%(関東地区)。23年男子ツアー最終日の視聴率では3位の試合でした。今年は岐阜・富士カントリー可児C志野Cを舞台に行われますが、地上波はなく、BSフジが4日間ともLIVE放送を予定しています。どんなドラマが演じられるか。4日間通しだけに見るものにとって楽しみは増えそうです。

昨年の「日本プロ」、最年少の22歳でメジャー初Vを飾り感激に浸る平田憲聖(背中)=恵庭GC

(了)