馬場咲希(19)を襲った最終日、最終ホール、ダブルパー「8」の衝撃!。 相次ぐ過酷な事態にも、来季は再度米ツアーに挑戦!

馬場咲希(23.5ワールドレディス)

米ツアーの来季出場資格を得られず傷心の帰国をした馬場咲希(さき)に、国内ツアーでも手痛いハプニングでツキのなさを嘆いています。今季主戦場にしていた米下部ツアーのシーズンが終わり帰国し「富士通レディース」(千葉・東急セブンハンドレッド西コース)で国内ツアープロデビュー戦にのぞんだ馬場。通算12アンダー4位でのホールアウトが目前でした。その最終日、最終ホールの18番(パー4)でバンカートラブルに遭い、ダブルパー「8」の大たたき。一気に通算8アンダー、14位タイまで落ち込む最悪の事態。馬場は涙ぐむほどのショックで国内第1戦を終えましたが、今後は国内で調整を続け、11月に開催される国内ツアー予選会は受験せず、12月に行われる米ツアー最終予選会(米アラバマ州12・5~9)で悔しさ糧に再挑戦する決意を表明しました。19歳の乙女を襲った衝撃を跳ね返せるでしょうか。

 

 

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壁が背丈より高い名物バンカーに泣いた馬場咲希(東急セブンハンドレッドクラブ18番)

プロ1年目の今季、馬場は米下部ツアーを本拠にして戦い、米ツアー昇格の道を求めましたが成らず、帰国して国内ツアーにプロとして注目の初出場でした。上位3位以内に入れば翌週の「マスターズGCレディース」にも出場できるところまできていました。ところが最後の1ホールでの大トラブルは非情でした。
まさかの落とし穴が最終18番(パー4)に待ち受けていようとは!ピンまで残り165ヤード。右ラフからの6番アイアン。ショットは真っすぐピン方向へ飛んだがグリーンに僅かに届かず、手前の傾斜ではねて背丈以上の深い名物バンカーに転げ落ちたのです。しかもボールの止まった位置が、切り立ったアゴのすぐ手前。次はピン方向へはどうしても打てず、左方向を狙ったショットがいったんはバンカーを出たあとスロープを逆戻りして再びバンカーへ。4打目はグリーン左サイドのラフへ出す大トラブル。そのラフからのアプローチもグリーンに届かず、6打目でようやくピン奥4~5㍍にオン。2パットのダブルスコア「8」を要しました。それまで通算12アンダーだったスコアは通算8アンダーにまで落としてのホールアウトでした。

最終日最終18番で「8」を叩き唖然とした馬場咲希

今季、米下部ツアーで19大会中18試合に出場した馬場は最高が6月の「アイランドリゾート選手権」の2位。トップ10に5度と健闘でしたがレギュラーツアー行きへの道は険しかったです。特にLPGAツアー昇格がかかった10月第1週の下部最終戦「エプソンツアー選手権」では、首位と1打差2位で最終日を迎え、初優勝もかかった大一番でしたが、スコアを伸ばし切れずに「70」で8位フィニッシュ。年間ポイントは18位で、15位までがもらえる来季のLPGAツアー出場権は得られませんでした。

馬場咲希(23.10米ツアーQスクール)=LPGA提供

2022年、「全米女子アマ選手権」を制し、23年に国内プロテスト1発合格。米ツアーを目指して昨年12月に最終予選会(Qシリーズ)に挑戦しましたがツアー出場権は得られないまま米下部ツアーでの武者修行を選んでいました。帰国してトライした国内戦でプロテスト合格後、初戦での優勝となれば、ツアー初の快挙でした。持ち前のロングドライブにも磨きがかかっていた上、自宅にあったテーラーメイドの大型マレットパターを引っ張り出し、ピンタイプに替えたのも大当たりでした。グリーン上での安定も優勝目前までの上位争いができた要因でした。過酷な戦いの米下部ツアーでの1年間の試練は、さまざまな部分で馬場咲希を一段と大きくしていたのは間違いありません。

「富士通」最終18番でのトラブルがなければ、次週「マスターズGCレディース」の出場権を手にする寸前まできており、また新しい展開が期待できるところでしたが、その悔しさも飲み込んで馬場はホールアウト後気丈に話しました。

『最終日に1打差でプレーできたのは凄く勉強になりました。最終ホールはもったいなかったですけれど、それまではうまくプレーできていたので、これからの練習に生かしていきたいです』
何が起こるか一瞬先は分からないのがゴルフ競技。試練の続く馬場咲チャンに陽の当たる日がくるのはいつでしょうか。(了)