異色の3人。だれが取るシニアの賞金王争い、残りは3試合!

宮本勝昌(提供:PGA)

シニアの国内賞金王争いが、白熱化の大詰めです。、福岡CC和白(パー72)で最終ラウンドが行われた「福岡シニアオープン」は、初日から「69」で首位スタートのプラヤド・マークセン(タイ 59)。最終日も60台で大会連覇を果たしました(シニア通算25勝。今季2勝目)。賞金王3連覇を狙い現在も1位を守っている宮本に迫るもう一人は異色のタイコンビ。サマヌーン・スリロット(56)。今季のシニアツアーは残り3試合。追い上げ急の“天才児”スリロットも不気味です。

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<シニア賞金ランキング上位>

(賞金総額/優勝回)

①宮本勝昌(44,247,150円/3回)

②T・スリロット(タイ)(42,894,857円/2回)

③P・マークセン(タイ)(35,290,849円/2回)

プラヤド・マークセン(タイ)

強いマークセンが戻ってきました。もう59歳になりますが、まだまだ足腰はしっかりしていて、ドライバーも力強く振り切っているのはお見事です。自国タイはじめアジア各地、たまには欧州まで足を伸ばして遠征しています。もちろん日本ツアーには重きをおいており、今季も日本選手並みの10試合に顔を出して優勝争いを演じています。すでに2勝を挙げて先週の「福岡シニア」ではマークセンは66で首位に立ち、宮本勝昌、横尾要、I・J・ジャンらと争い、最終日も「69」と連日60て大会連覇で完全優勝。今季は「ノジマチャンピオンカップ箱根」でも勝ち通算25勝目。賞金700万円を獲得して、賞金ランキングは今回の優勝で3位に浮上してきました。あと残り試合は3戦ですから、まさに白熱戦です。

サマヌーン・スリロット(タイ、提供:PGA)

マークセンを追って頭角をあらわしてきたもう一人は、サマヌーン・スリロット(56)の新鋭です。“新鋭”といってもシニアですから、もう56歳のシニアプロ。先の「ファンケル」では通算10アンダーで宮本勝昌とマークセンと肩を並べてプレーオフに突入。まず宮本を下し、続く3ホール目にはマークセンを下す大殊勲。2020年にPGA会員に入会したが、コロナ禍で22年12月に来日。翌年に最終予選会56位。しかし23年「日本プロシニア選手権」でのデビュー戦で優勝という離れ業を演じて3年間のシード権を獲得。一躍“名”を売りました。キャデイーを務める夫人や息子と中華食に通い、24年はトップ10入り6回の成績を残し賞金ランキング13位。日本でのレギュラーツアー優勝はありませんが、2004年には平均パット数1位をとり、アジアンツアーでもパッティング部門1位になるなど“パットの名手”です。タイでの先輩マークセンやタワン・ウィラチャンとは幼少のころから一緒に遊び、ナショナルチームでプレーした経験もあるという。タイが生んだ“苦労人”が、日本シニアで賞金王になっても不思議ではないでしょう。3連覇を狙う意地の宮本や復調マークセンとの戦いは、残り3試合、面白そうです。

(了)