男子新規大会「前澤杯」は“改名”『小西たかのり』が初代覇者に。14年目、悲願の初優勝!

話題の新規試合、優勝賞金4000万円の「前澤杯」初代覇者は『小西たかのり』でした。東京都出身。松山英樹、石川遼らと同学年の33歳。高校卒業後に千葉県のゴルフ場(太平洋クラブ成田)で研修生となり2012年に20歳でプロ転向。今季はスコアボードで名前を見つけやすいように、と登録名を「貴紀」からひらがな表記の「たかのり」に変え、心機一転の再スタートを切ったばかり。その効果はてきめんで、プロ14年目の初優勝につなげました。9歳でゴルフを始め、中学進学後に一度クラブを置いたが、2007年に同い年石川遼の史上最年少Vをテレビで見てゴルフへの夢が再燃したという変わり種。3日目に首位に浮上。最終日は18、19年の賞金王の今平周吾らと稀に見る大混戦を演じ、最後並んで入った18番でパーをセーブした小西が、ボギーの今平を退け、堂々たる初優勝でした。通算17アンダー。2位今平を1打差に抑えた快挙でした。

☆★      ☆★      ☆★      ☆★

実業家の前澤友作氏(49)の発案で誕生した今大会は、本戦前に10日間のプロアマ戦を一組100万円で一般販売して実施。同組で回りたいプロ獲得にはさらにオークションで落札する方式。選手への賞金は3億3000万円を集めたアマの参加料で賄われ、主催者推薦で女子プロ・菅沼菜々(25)とJGTO選手の寺西飛香留(24)の二人の女子が出場。全組にはラウンドガールがスコアボードを掲げて帯同するなど、異例尽くしの構成。

そんな中、小西はプロ14年目で初の最終日、最終組。今平とともに首位でスタート。土壇場の17番パー5で15㍍を超えるバーディーパットを沈めて首位・今平と肩を並べます。最終18番(パー4)では今平が3オン2パットのボギーとし、1.5㍍の厳しいパーパットを先に決めた小西が勝負を制しました。下積み時代の19年にツアー外競技の「近畿オープン」で優勝経験があるが、表舞台での晴れ舞台は初体験。

「17番で奇跡的なバーディーがとれた。運がよかったのでしょう。注目された大会で初代チャンピオンになれて本当にうれしい。この1勝を励みにして勝利を重ねていけるように努力したい」と、悲願を達成した男らしい優勝の弁でした。活躍する松山英樹や石川遼を遠くからみつめながら「うらやましい。自分もああなりたい」と、ひそかに夢は追っていたという。賞金総額2億円。優勝4000万円の高額賞金の恩恵を受けた33歳には、身に染みる喜びでした。これまで13年間に稼いだ生涯獲得賞金は、約5352万円。それに近いビッグマネーを1試合で手にした「たかのり」。これから始まる新生・小西のゴルフが見ものになってきました。

【来年以降も長くやりたい】実業家・前澤友作氏、男子ツアーに苦言も!

大会を造りあげた前澤友作氏は「今回は(賞金など)目標には達しなかったが、来年からはもっとプロモーションに力を入れていきたい。新しいチャレンジを目指していき続ける大会でありたい」と来年以降の開催にも意欲をみせました。
また、JGTOから前澤氏に「前澤杯でホールとホールの移動中に選手やキャディがタバコを吸っていいでしょうか」との問い合わせがあったという。「耳を疑った。まだそんなことをいっている。もちろん断った」と。「どういう感覚をしているんだろう。だからダメなんだよ。変えていかなくては」と、前澤氏は男子ツアーに苦言も呈していました。

(了)