今季、ツアーフル参戦3年目を迎える中島啓太(24)が、いよいよ今週1月16日からの欧州ツアー(DPワールドツアー)「ヒーロー・ドバイデザート・クラシック」(アラブ首長国連邦)で今季をスタートします。昨年は主戦場にした欧州ツアーで右脚、腰、背中と負傷が続き、「ヒーロー・インディアンオープン」(インド、3月)で1勝はしたものの予定より5試合ほど下回る22戦に終わる不本意なシーズンでした。「初優勝できたのは幸せだったけど、今年はもっとアグレッシブに戦い、複数回優勝を目指します」(中島)と、リベンジ精神で戦う意気込み。「テーラーメイド」の新製品発表会に登場した中島は、一方で「スペインのパエリアが一番おいしかった」「英会話にももっと力を入れたい」などと、ヨーロッパの街や文化も楽しみたいと若者らしい夢を膨らませました。日本出発を前に語りました。
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東京都内で行われた「テーラーメイド」の新作発表会に出席した中島は、同社契約の山内日菜子プロ、新垣比菜プロも従えて堂々の登場。国内ツアー4勝(うちアマ1勝)。海外1勝。プロ2年目には賞金王も獲得して、すでにトッププロの風格です。昨年からは欧州ツアーに主戦場を移し、次なる米ツアー参戦を狙っています。欧州へ主戦場を移した昨年はパリ五輪にも出場しましたが、49位と振るわず、体のあちこちに痛みを覚える体の不調で休養期間もあったりの苦戦続きでした。インドで初優勝はしたけれど「毎日お腹をこわしながらの戦いだった」と、いまでは笑顔で話す中島ですが、海外での体の不調には相当苦しんだようです。その反省で今季へは背中の痛みを感じないスイング作りに専念し、腹筋などの強化にも務めたという。「でも海外遠征は楽しくて、スペインのパエリアが一番おいしかった。英会話ももっとうまくなりたいし、ゴルフだけでなく街歩きや文化も楽しめたので、今年もそれを楽しみにヨーロッパを回りたい」と、若い中島の夢は、大きく広がっているようです。
ゴルフ面でも今季は「もっとアグレッシブに攻めるゴルフがしたい。いま海外のコースには300ydを超えるバンカーも沢山あって、それを(1打目で)越えるか、手前にレイアップするかではゲームが変わってくる。そのバンカーをキャリーで越していかないと、チャンスにならない」(中島)。昨季の中島は平均飛距離301.24ydを記録しましたが、キャリーでのクロスバンカー超えを目指す啓太なのだ。昨年11月の最終戦、「DPワールドツアー選手権ドバイ」で、優勝して年間王者に輝いたロリー・マキロイ(北アイルランド)の前の組で回り、その圧倒的な飛距離を見て驚嘆したという。「自分とキャリーの場所が全然違うのでびっくりした。ゲームが全然違ってくるんだ」。
この日都内で行われた「テーラーメイド」の新作発表会で披露された新ドライバー「Qi35」は、昨年からテストしており飛距離アップに取り組む中島には待望の新兵器といえそう。「カーボンフェースで飛距離も出る。楽しみ」と中島。さらに新シリーズの5Wの投入も考えており「今年はたくさんプレーすることを目標に、複数回優勝を目指します」と中島。今週からスタートする欧州2年目への期待は一段と高まっています。
(了)