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遼に続け!”第3の男”になれるか17歳・浅地洋佑(高2)。ダイヤモンド杯でベストテン入り

ダイヤモンドカップで"浅地旋風"を巻き起こした17歳・浅地洋佑(埼玉・狭山GC)
ダイヤモンドカップで"浅地旋風"を巻き起こした17歳・浅地洋佑(埼玉・狭山GC)

 男子ゴルフ界にまたまた新星が突然現れました。浅地洋佑(あさぢ・ようすけ)17歳。30日に終わったダイヤモンドカップで、石川遼を凌ぐ7アンダー9位フィニッシュ(ローアマ)、まわりをアッといわせました。石川遼が卒業した東京・杉並学院高の2年生。遼クンの2年後輩でもちろんまだアマチュア。今年3月の全国高校選手権春季大会優勝、高校生ゴルファーの頂点に立ったばかりでした。初日から2日間69を続けて2位につけ、予選通過どころか、石川遼に続く2人目の高校生Vかと騒がれました。優勝こそかないませんでしたが、決勝の2日間もオーバーパーはなく、今年のダイヤモンドカップは「浅地洋佑」が”主役”を演じた感がありました(優勝は-16でキム・キョンテ=韓国)。高校3年生になる来年は、プロツアーのQT(予選会)を受験して「プロ宣言」をする予定ですが、石川遼・池田勇太に続くニューヒーローになれるでしょうか。
 
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1㍍67と小柄だが、石川遼に負けぬフルスイングする浅地洋佑(ダイヤモンドカップ=狭山GC)
1㍍67と小柄だが、石川遼に負けぬフルスイングする浅地洋佑(ダイヤモンドカップ=狭山GC)

 石川遼についていた大勢のギャラリーが2日目、3日目と進むにつれて17歳のジュニアにかなり流れていきました。1㍍74の遼クンに比べると7㌢も小さい1㍍67、68㌔の小柄な若者のバーディーラッシュにギャラリーも敏感に反応しました。ドライバーの平均飛距離は270ヤード。いまの男子ツアーでは並みの距離ですが、「得意クラブはサンドウェッジ」(浅地)というように、ショートゲームのうまさは「昔も今も僕より上」(石川遼)の技量を身につけています。2日目には距離のある17、18番では無理してパーオンを狙わず「得意の距離」(浅地)という90~100ヤードに刻んでからピンに絡ませ、きっちりとパーをセーブしていました。最終日は1番でいきなりイーグルを奪うスタートで驚かせ、得意のウェッジで再三ピンチを凌いでいく粘っこさをみせました。
 

杉並学院高の2年後輩・17歳の浅地洋佑に圧倒された石川遼(ダイヤモンドカップ=狭山GC)
杉並学院高の2年後輩・17歳の浅地洋佑に圧倒された石川遼(ダイヤモンドカップ=狭山GC)

 2年先輩の飛ばし屋・石川遼とは、プレースタイルがちょっと違いますが、07年の関東中学校選手権では2人がプレーオフを戦い、浅地が敗れたこともあります。昨年10月、石川遼が優勝した東海クラシックでは高校1年の浅地がローアマに輝きツーショットの写真におさまっていました。タイガー・ウッズに憧れ6歳から始めたゴルフですが、中学、高校と進むにつれて目に見えて体重も飛距離も進化してきている浅地クンです。 プロツアーへの出場はこれが5試合目。昨年のミズノよみうりでは、史上4位の年少記録となる16歳1ヵ月で予選を通過するなど、最近の3試合は連続予選を通っています。子どものころは自宅(東京・杉並)近くにあるショートコースの練習場で「サンドウェッジでいつも遊んでいた」のが、非凡なウェッジショットを身につけたのでしょう。中学2年からは、谷原秀人、矢野東らをコーチする内藤雄士氏の指導を受けています。
 

杉並学園高の先輩・薗田俊輔は今年新人プロとしてツアー参加。ダイヤモンドカップでは15位と健闘したが、17歳の浅地洋佑には後塵を拝した。(狭山GC・10番ティーで)
杉並学園高の先輩・薗田俊輔は今年新人プロとしてツアー参加。ダイヤモンドカップでは15位と健闘したが、17歳の浅地洋佑には後塵を拝した。(狭山GC・10番ティーで)

 東京・杉並学院高は宇佐美や石川がいるほか、薗田俊輔も昨年12月のQT(予選会)で22位に入り、今年新人プロとしてツアーに出場しています。ダイヤモンドカップでも薗田は15位タイ(6アンダー)と健闘していました。石川遼が32位タイ(2アンダー)でしたから、浅地クンはこの両先輩を完全に抑えきる快挙でした。
 
「コースはラフが深く、グリーンが速くて難しかった。あんなラフはジュニアの試合ではあり得ませんから。最終日もアンダーで回りたかった。それが残念ですが、4日間プレーできて通算でアンダーだったので、両先輩に勝ったことも含めて嬉しいです。これからはティーショットの精度をもっと上げてフェアウェイキープ率を高められるようにしたいです」(浅地)。
 
 火曜日には谷原秀人、谷口拓也らのプロと食事をして励まされたそうですが、大会前にはベテランの井戸木鴻樹、平石武則両プロと練習ラウンドをしてラフのマネージメントなどを教わったのが、試合で効果を挙げたようです。井戸木鴻樹のマネジャーである飯沼志朗さんが今回のキャディーを務めました。「今回得たものは、うまくいかなくても、あきらめなければ上にいけるということです」と、貴重な体験だったことを喜んでいました。
 

プロに混じって優勝争いをして驚かせた高2の浅地洋佑(ダイヤモンドカップ=狭山GC10番ティー)
プロに混じって優勝争いをして驚かせた高2の浅地洋佑(ダイヤモンドカップ=狭山GC10番ティー)

 07年、杉並学園高中等部2年生だった浅地は、先輩アマチュアの石川遼がプロで初優勝するのを見て「遼クンがトップだよ」と興奮したそうです。そのあどけなかった少年が3年後のいま、プロツアーで優勝争いをするまでに成長したのですから驚きです。プロで戦うにはいささか小柄ですが、本人ははっきりとプロになる目標を語っています。飛距離が足りないこと、プロのハードなコース設定に慣れることなど、課題はまだまだですが、今回のダイヤモンドカップでみせた小技のさえは”プロ級”です。このあとのジュニアの試合は「トヨタワールドジュニア」と来週の「関東アマチュア」です。今後のプロツアーは、KBCオーガスタ(8月26~29日)と東海クラシック(9月30日~10月3日)が決まっています。
 石川遼、池田勇太に続くニュースターになれるかどうか。これからは追っかけなければならない若者がまた一人増えたことは確かです。