Daily Archives: 2010 年 9 月 13 日

漫画にも登場する池内信治プロ、シニアツアーで感激の初優勝!

シニア2年目、感激の初優勝で1200万円の優勝賞金チェックを掲げる池内信治(コマツオープン=小松CC)
シニア2年目、感激の初優勝で1200万円の優勝賞金チェックを掲げる池内信治(コマツオープン=小松CC)

 PGAシニアツアーは秋の陣を迎えてシニアとしては高額な賞金のトーナメントが続いています。今年第15回目の「コマツ オープン」は、スポンサー、コマツの発祥の地、小松カントリークラブで4回目の開催。賞金総額6000万円(優勝賞金1200万円)のトーナメントで、しかも予選カットがない出場選手にとっては願ってもない大会でした。最終日(9月11日)には5打差の中に14人がひしめき合う大混戦となリ、抜け出したのはシニア2年目の池内信治(51)の逆転優勝でした。シニア11試合目のうれしい初優勝です。今季のシニアツアーは6戦を終わって、うち5試合までがシニア初優勝者が出ています。次々とシニアデビューしてくる新戦力の台頭が顕著で、シニア界も”若手”へと戦力分布図が変わってきているようです。
 
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レギュラーツアーのポカリスェットオープン以来17年振りのツアー優勝の池内信治(左)。松井功PGA会長(右)から優勝カップを受け取る(小松CC)
レギュラーツアーのポカリスェットオープン以来17年振りのツアー優勝の池内信治(左)。松井功PGA会長(右)から優勝カップを受け取る(小松CC)

 小松CCは北陸・小松空港からクルマで20分ほどの足の便のいいところにあります。広葉樹林が美しい落ち着いた雰囲気の丘陵コースです。初日はフランキー・ミノザ(比国)と、皇潤でシニア初優勝した湯原信光の二人が7アンダー、65で飛び出しました。2日目は佐藤剛平が2日間「67」で10アンダーとして首位を奪います。1打差で湯原信光が続き、さらに1打差の8アンダーに室田淳、高橋勝成、友利勝良らの実力者がつけていました。池内信治はその下、7アンダー、6位タイにいて、最終日池内の逆転優勝などと思った人はいないでしょう。「スタート前、優勝など考えもしませんでした。なんとか60台でまわれたらな、とは思っていました」(池内)。それが優勝するのですからご本人が一番驚いたでしょう。
 

フェアウェイをほとんど外さなかった池内信治のドライバー(コマツオープン=小松CC)
フェアウェイをほとんど外さなかった池内信治のドライバー(コマツオープン=小松CC)

 1番のパー5でいきなりSWのアプローチを30センチにつけてバーディースタートです。「出だしでバーディーをとれたのは大きかった」(池内)というとおり、2番で3パットのボギーにはしましたが、5、7番と5メートル前後のいいバーディパットを決めて前半で2つ伸ばし後半へのチャンスを残しました。10、11番ではピンに絡ませて連続バーディーが強烈でした。13番でも2メートルにつけてとり、ここで単独トップを奪ったのです。
 
 2日目1位の佐藤剛平や室田淳、高橋勝成らも入れ替わりたちかわり1位にあがってくる大激戦の中で池内は負けていませんでした。13番でつかんだ1位の座をノーボギーで必死に守りました。最後から一組前の池内は1打リードで18番のパー5にきたとき「ここをとらないと勝ちはない。後悔しないようにいこう」と思ったそうです。右のラフからの第2打。やや前上がりのスロープになっていて厄介でしたが、池内は3Wで2オンを狙います。「残りは238ヤード。順目でいいライだったので狙いました、少し下をすくったけど方向がよかってので・・」と、ボールはグリーン手前エッジのラフまで届きました。ピンまで35ヤード。SWのアプローチはカップをかすめて80センチに止まるスーパーショットでした。難なくこれを沈めたバーディーが、結局ウイニングショットになりました。最終組できた室田淳が3オン、2メートルの”入れればプレーオフ”のバーディーパットがカップにけられて外し(パー)、その瞬間池内の初優勝が決まりました。
 

試合の裏方を務めてくれた大勢のボランティアと野路国夫大会会長(コマツ社長兼CEO=左)、PGA松井功会長(右)に囲まれる池内信治(小松CC)
試合の裏方を務めてくれた大勢のボランティアと野路国夫大会会長(コマツ社長兼CEO=左)、PGA松井功会長(右)に囲まれる池内信治(小松CC)

 「僕が勝てるなんて、うれしいですね。ただそれだけです。最高ですね」表彰式では年がいもなく目をうるうるさせた51歳。「きょうのために一生懸命練習しましたからね。まぐれでも何でも勝つというのはいいですね。スコアカードを出すとき、”やりきった”という思いでドキドキしました」と、感激にむせんだ池内プロでした。
 毎試合好ゲームを展開しているシ二アツアーですが、この試合も18番グリーンの最後の最後まで優勝が決まらなかったデッドヒートでした。レギュラーツアーの石川遼や池田勇太だけではありません。シニアツアーも最近は円熟の技を繰り出しての緊迫したゲームが多く、集まったギャラリーを喜ばせています。ギャラリーの数も次第に増加しているのも不思議ではありません。1200万円の優勝賞金を獲得した池内は、1573万6000円となり、賞金ランキング2位に浮上、1位の高見和宏との差は222万円となりました。
 池内は叔父のいけうち・誠一さんがゴルフ漫画家。ニュークラブが出たときなど、池内プロがそれで打ち、叔父さんがそれを漫画にするというゴルフ一家です。いけうち・誠一さんは現在も雑誌・週間パーゴルフでゴルフ漫画の連載を執筆しています。また、池内はシニアに入る前、07年、08年の2年間、PGAのトーナメントディレクターとして協会の裏方さんの仕事も経験しました。シニアツアーにまた一人ユニークなプレーヤーが登場してきました。シニアツアーは残り4試合、優勝賞金:2500万円のビッグなゲームも残っています。
 
 《今季PGAシニアツアー6試合の優勝者》

☆ スターツシニア          植田浩史(シ二ア2年目)。
☆ 榊原温泉シニア          室田淳 (シ二ア6年目)。
☆ PGAフィランスロピーシニア   真板潔 (シニアルーキー)。
☆ 皇潤クラシック          湯原信光(4年目初V)。
☆ ファンケルクラシック       高見和宏(シニアルーキー)。
☆ コマツオープン          池内信治(シニア2年目)。
  
 6戦中、2戦目の室田淳をのぞいて5試合が初優勝者です。