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全米OP10位に続き全英オープンは堂々の6位!どこまで上り詰める英樹のゴルフ?“あとはコメント力??”

ダンロップスポーツの展示会で、“メル友”松山英樹の全英オープンでの大健闘について、司会者の質問に答える中嶋常幸(左)=東京・品川
ダンロップスポーツの展示会で、“メル友”松山英樹の全英オープンでの大健闘について、司会者の質問に答える中嶋常幸(左)=東京・品川

 松山英樹!日本のゴルフツアーを背負って立つ21歳の怪物ルーキーが、世界の舞台でまたやりました。初体験の全英オープン(ミュアフィールド)で最終日に今大会初のアンダーパー、70をマーク。通算2オーバーで6位に食い込む大殊勲です。優勝したフィル・ミケルソン(米)の通算3アンダーとは僅かに5打差。「プレーオフの可能性を考えていた」という松山の思いは、すでにメジャー優勝を視野にとらえています。6月の全米オープン10位に続き、日本男子初のメジャー2大会連続トップ10入りの快挙。全米OPに続き、来年のメジャー2大会出場の権利を早くもゲットしました。このあとは米国に渡ってカナディアンオープンなど計5試合に挑戦しますが、米ツアー賞金ランキング125位以内に入ることはほぼ確実で、来季は米ツアーのシード選手・松山英樹の誕生が現実味を帯びてきました。遠く日本の地でこれを見届けた海外メジャー経験豊富な中嶋常幸は「英樹は世界のトップともボディサイズでも負けていない。これからも何かをやってくれそう!」と、強いエールを送っていました。

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初めて経験したスコットランドの全英オープン。厳しいコースセッティングにも見事に対応した松山のショット。
初めて経験したスコットランドの全英オープン。厳しいコースセッティングにも見事に対応した松山のショット。

 初めて見る夏なお肌を刺す荒涼たるスコットランドのリンクス。どこまでも転がるフェアウェイ。日本では経験できないコチコチのグリーン。4日間で一番の寒さとなった最終日、松山はそれらの難関を乗り越え、大会初のアンダーパー70で回りました。6打差の11位から出て2バーディー、1ボギーとスコアを伸ばし、11位から6位へと最終順位を上げました。それでも満足しないところが、英樹の怪物たるゆえんです。17番パー5で下6メートルのバーディーチャンスはカップにけられてこぼれ、最終18番パー4では3番ウッドでフェアウェイをキープ。残り170ヤードの追い風の第2打は、7番アイアンでピン奥7メートルに。このバーディーチャンスもわずかにショートしてパー。「どちらも入れていれば、(優勝争いができる)チャンスがあった。もっと上位にいきたかった」(松山)。17番ではスタート時6打差あった首位との差は3打差にせばまっていました。“世界のメジャー制覇”を目標に掲げる英樹の思いは、もう現実のものとしてとらえているのです。

しっかりした体躯の松山英樹は、初日、2日目、同組で回ったミケルソン、マキロイに体格でも見劣りしなかった。
しっかりした体躯の松山英樹は、初日、2日目、同組で回ったミケルソン、マキロイに体格でも見劣りしなかった。

 前日の3ラウンドでは、17番パー5の第1打を大きく左へ曲げてブッシュの中。「すごい難しい状況だった」と、打つまでに時間がかかったら、たちまち「プレー遅延」による1打罰。15番でもパットに時間をかけて警告を受けていた松山は、2度目の警告で、規定により即1打罰をか課せられたのです。「何でペナルティなのか、わからないで怒りを覚えた」と松山は、次の18番、ショットが乱れてボギー。結果としてはやらずもがなの“2ストローク”をムダにしました。もしこの2打がなければ、イーブンパーの2位タイに入っていたのですがー。しかし、このショックを最終ラウンドに引きずらなかったのが、松山の図太いところです。

ピンチにも冷静に対処した松山。3日目にはスロープレーで受けた1打罰のぺナルティにも動じなかった。
ピンチにも冷静に対処した松山。3日目にはスロープレーで受けた1打罰のぺナルティにも動じなかった。

 4日間を通じて、惜しいパットもありましたが、「ショットはうまく打てたのが自信になった。最後は上位のスコアが落ちてきていたので3アンダー、4アンダーを出せばチャンスはあると思っていた」と英樹。パッティングでは決めきれなかったですが、難しいセッティングの中でもショットは世界のメジャーで通用した収穫は大きかったようです。世界の強豪との差が縮まっていることを実感しながら、これから続く米ツアーの旅。8月8日からは今年最後のメジャー、全米プロ(ニューヨーク州オークヒルCC)が待っています。世界のメジャーで稼いだ賞金は日本の国内ツアーにも加算されます。全米OP10位の16万8530ドル(約1650万円)に続いて全英OP6位は16万3333ポンド(約2243万520円)。この2試合で3800万円余をゲットした松山は、プロ1年目10試合で国内ツアー史上最速の1億円突破を果たし、1億2183万円余として首位を独走しています。これまでは、08年に当時17歳だった石川遼の23試合が年間1億円突破の最速記録でした。最新世界ランキングでは、松山は前週の44位から自己最高の34位に浮上。いろいろな特権を与えられる「50位以内」の足場をしっかりと固めました。

ダンロップ展示会で中嶋常幸のトークに集まったファンたち=東京・品川
ダンロップ展示会で中嶋常幸のトークに集まったファンたち=東京・品川

 海外メジャーで2試合連続でトップ10入りした松山の堂々たるプレーをTV観戦した中嶋常幸もただただ感嘆しきりでした。この二人は「メル友」(中嶋)で、日本プロで最終日に4打差のリードを守れず逆転2位にとどまった松山に「このリベンジはどこでやる??」と、ハッパをかけると、その翌週のダイヤモンドカップでは3日目を終わって中嶋・松山がトップタイ。最終日は最終組で二人が同組で優勝争いをするドラマのような展開になりました。8番では中嶋がいったん単独首位に立つ大健闘。58歳の中嶋は、結局は4打差の6位タイ。松山のプロ2勝目を目の前で見とどけました。
 「全英オープンは初日からミケルソンとマキロイと一緒に回ってもボディサイズでは負けていなかった。初日18番のパットもミケルソンが先に打ってカップをオーバーしたグリーンのスピードをすぐに判断。下りの曲がるパット(約3メートル)をすばらしいタッチで決めた。大したもんだね。松山は、あとはコメント力だよ・・。これは経験を積んでいかないとダメかな」
 

 いつも名コメントを発する中嶋プロです。一つの質問に一言しか答えない・・と皮肉られている松山へのチクリとしたジョークでしたが、海外メジャートップ10は4大会で計6回を誇るトミー中嶋です。そんな大先輩とのメル友・英樹のリップサービスも、ゴルフの腕とともに磨かれればいいのですが・・。

 今週からの米ツアー転戦を注目しましょう。