Daily Archives: 2013 年 9 月 9 日

「アキバ系」も返上して賞金女王へ大接近!! 4勝中3勝がPO勝ちの吉田弓美子

 男子ツアーでは、ルーキー松山英樹の他を寄せつけない“独走ぶり”が脚光を浴びていますが、女子ツアーでは長尺パターを愛用する“ミーティング委員長”の吉田弓美子(26)が、プレーオフで今季3勝目を挙げて賞金ランク2位に浮上。一気に賞金女王まで狙う“当たり年”で名前を売っています(ゴルフ5レディス=北海道美唄・アルペンGC美唄C)。昨年8月、NEC軽井沢72でのプロ初優勝が、ジャン・ウンビ(韓国)との6ホールのプレーオフ。それから約1年。今季は3勝のうち、サマンサタバサ(7月)で表純子を、ゴルフ5では佐伯を連続でプレーオフで下し、通算4勝中3勝が延長戦で勝利する「プレーオフの女」ぶりです。賞金レースで前半戦を引っ張った若い森田理香子が、後半戦で足踏みしていて約2300万円差の2位に追い上げてきた伏兵・吉田の足取りが不気味です。

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 初日は8位と出遅れながら、吉田は2日目68で首位タイに立ち、最終日もボギーなしの5バーディー67で通算12アンダー。安定したゴルフで首位を佐伯と分け合いました。8月のリコー全英女子オープンでも日本人最高位の7位に入った実力派の佐伯です。プレーオフは、お互いチャンスを逃がしながら4ホール目。佐伯が長い第1パットを4メートルもオーバー。返しも外れるボギー。慎重に2パットパーに収めた吉田の、最後はあっけない勝利でした。

 プロ初優勝が昨年夏の軽井沢72。これも6ホールの長いプレーオフで、最後は1.5メートルのバーディーパットを沈めて勝ちました。前回優勝のサマンサタバサでは、最終日5打差を追いつき、プレーオフ2ホール目に下り6メートルの難しいバーディーパットを決めて表を降しガッツポーズでした。そして今回も4ホールの延長戦!!

★吉田弓美子のコメント

 「そうですね。佐伯さんが本戦18番のバーディーパット(3.5㍍)は入れるだろうと思っていたので・・。もう負けてもともとと思ってティーグラウンド行きました。私はプレーオフが多くて、“まただよ!”ってスタート前に言っていたんです。佐伯さんが(4ホール目の第1パットを)すごいオーバーされていましたけど、きっと入れ返してくると思ってました・・。そう、前回もプレーオフの優勝で、今回も・・。本当になんですかね・・。でも苦手な前半戦で2勝することができて、後半戦は正直なところ優勝できるかな?どうかな?って思っていました。自信はあったんですけど、確信はなくゴルフをしていたので、ましてこれからはメジャーも控えている中で勝てたのことはすごく嬉しいです」

 女子には珍しい長尺パターを、吉田は2010年の8月から愛用してもう3年になります。その間に勝った4勝はすべて長尺によるもので、もう離せません。日本の女子で長尺パターを使っているのは、引退した米山みどりが有名でしたが、いまは吉田の親友の大江香織や若い桜井有希が愛用しています。が、いまではもう″長尺の吉田弓美子〝で有名になってきました。グリップエンドを左手で握り、胸のあたりに固定して右手を振って打っていくものですが、前傾姿勢も取らないことから腰への負担も少なくて安定したストロークができるので、重宝がるシニアたちは大勢います。
 しかしこの長尺パターは、アンカリング問題としてR&AとUSGAの欧米のゴルフ協会が、2016年1月1日からツアーでの使用禁止を決めています。このパターで大きな効果を上げている吉田らには辛い決定ですが、「仕方ないです。あと2年ちょっと、長尺でいい思い出を作ります」(吉田)と、
割り切っているようです。

 昨年まではほとんど“無名”だった吉田。とはいえ厚木北高時代は関東ジュニアを連覇。2年からはPGAのナショナルチームのメンバーとして諸見里しのぶや有村智恵らと海外遠征して国際試合も経験しました。QT(プロ出場予選会)には06年から挑戦して3年間は最終まで進めず涙を飲みましたが、09年7月のプロテストを初受験。大江香織らを振り切ってトップ合格を果たしました。その時にイーグルポイントGC(茨城)と所属契約を結び、今年7月にはそのホームコースでのサマンサタバサレディースに優勝。“恩返し”も果たしました。

 厚木北高の2学年後輩には斉藤愛璃がいて、昨年の開幕戦(ダイキンオーキッド)に先に初優勝され、4月には合宿を共にしている仲良しの大江香織も初V(フジサンケイ)・・と強い刺激を受け、昨夏の軽井沢での自身の初優勝につなげました。12年からはシード選手として活躍していますが、今年からは選手と協会の間をとりもつ選手会長にあたる「ミーティング委員長」を務めています。今年3月、アクサレディスで堀奈津佳が泥などを拭くため、拾い上げたボールの置き方を間違えたルール誤認問題でのトラブルでは、大奮闘しました。奔放な明るい性格が吉田の魅力で、選手間でも慕われる存在。大役を務めながら吉田の次なるターゲットはメジャータイトルの獲得。今週はその第一弾、日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯(北海道・恵庭CC)です。

 「メジャーはとりたいけど、まだいまのゴルフでは戦えないと、キャディーさんとも話しています。メジャーはもっと厳しいセッティングになりますから。もっと技術やメンタル面なりを身につけないといけないと思います。あすからもっとしっかり調整して頑張ります」(吉田)

 賞金ランキングも、吉田はこの優勝で2位(6729.3万円)に浮上。1位の森田理香子とは約2300万円差。今週の日本女子プロに優勝でもしようものなら、森田の成績次第で逆転で賞金レースのトップに立ちます。賞金ランク1、2位の森田と堀が先週はともに予選落ちするなど、賞金レースは後半戦に入って波乱含みになっているので吉田にも大きなチャンスがやってきました。趣味は大江香織とともに「アキバ系」で、アニメのフィギュアなどを買いまくっていたそうですが、それも今ではゴルフに集中するために控えているそうです。

 突然?!見えてきた夢の賞金女王の座。ヒタヒタと上がってきた“PO女”の吉田弓美子にご注目を!