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ジャンボ尾崎一家の優等生・原英莉花(21)国内メジャー2連勝の偉業!来週は全米女子OPへ大勝負!

パワフルなスイングで日本人離れのロングショットを飛ばす原英莉花。

10月の日本女子オープンの覇者、原英莉花(21)が、年内最終戦、JLPGAツアー選手権リコー杯(宮崎・宮崎CC)も完全優勝で飾り、国内メジャー2連勝でツアー通算3勝目を挙げました。女子ツアーは今季コロナ禍で大会数が14試合と激減したことから、来季と統合して「1シーズン」とすることが決まっており、これで″前半戦〝が終了。賞金女王、賞金ランキングなどの決定は、来年終了時となります。今季の女子ツアーも若手群像の台頭が著しく、中でも昨年10月の富士通レディスでアマチュア優勝、直後にプロ転向した″ミレニアム世代(2000年生まれ)〝ルーキー古江彩佳(20)が今季3勝。最終戦では3週連続優勝は逃がしましたが″奇跡〝ともいえる1大会4イーグルを達成して2位。年間9050万2992円を稼ぎだし、早くも生涯獲得賞金が1億円を突破する偉業を成し遂げました。人気沸騰の女子ゴルフは、今年も隆盛で、新型コロナにも負けていません。

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日本女子オープンに続きツアー選手権と国内メジャー2連勝。次は全米女子OPに照準の原英莉花。

ジャンボ尾崎を師匠にする原英莉花。まさに″ジャンボ・ゴルフ〝を実践する思い切りのいいゴルフで今年の最終戦を締めくくりました。前週の大王製紙エリエールを右ひざ痛のため第1日で棄権。千葉の尾崎邸へ急行した英莉花は、痛めた右ひざをかばって崩れかけていたスイングを見てもらいました。テークバックを見たジャンボが即座に「おまえのトップ、そんなに低かったか?」と、自らトップスイングを作ってみせて、スイングの乱れを指摘されたという。「鶴の一声っていうんですか?その一瞬で直った」と英莉花は笑う。そしてリコー杯初日。1イーグル、5バーディー、2ボギーの67。2番パー5では残り110ヤードからの第3打を直接放り込むイーグルでした。初日トップに立った英莉花は、その勢いでつっ走ります。2日目は同じ黄金世代の渋野日向子と2人組で回り5バーディー、1ボギーの68。長めのパットも次々と決まりました。もともとツアー屈指の飛ばし屋が、グリーン上でも負けていないとなると、もう鬼に金棒。女子ツアーでは唯一(今季)の強い芝目の高麗グリーンも英莉花の敵ではありませんでした。

原英莉花のドライバーショット。

海沿いの距離のあるコースで強い風はさらに難しさを増します。3日目6㍍の強い西風に選手は悩まされましたが、英莉花は3バーディー、2ボギーの71のアンダーパーでまとめ通算10アンダー。2位に1打差ながら首位をキープ。メジャー連覇へ王手をかけて最終日に向かいます。1打差で追ってくるのは、安定ゴルフが身上のルーキー、西村優菜(20)。さらにイーグルラッシュで注目度を高める古江彩佳。古江は3日目までにすでに3個のイーグルをマーク。最終日も11番パー5で残り97ヤードの第3打をダイレクトで放り込み、この大会4個目のイーグルを記録するなど68の猛追撃。3日目の10位から2打差の単独2位に迫る並外れたゴルフをみせました。それでも3バーディー、3ボギーのパープレーで凌いだ英莉花は、2打差のリードのまま、初日からの首位を守り抜く完全Vをやり遂げました。

国内メジャー年間2勝は、昨年の畑岡奈紗。渋野日向子も昨年、国内のサロンパス杯とAIG全英オープンでメジャー2勝を挙げています。プロ3年目でトップグループと肩を並べた英莉花は横浜市出身。神奈川・湘南学院高卒。173㌢、58㌔の長身で日本人離れしたパワフルなスイングが魅力。その美貌と美脚も評判で、尾崎将司を師匠としてから、また一段と本格的なゴルフに磨きがかかってきました。

子供のファンにサインする原英莉花(20年2月、豪州での試合で)

★プロ3年目でツアー3勝。うちメジャー2勝。原英莉花のコメント

「メジャーに連勝できてうれしいです。でも女子オープンのときはショットに自信があったのですが、今週は全然違ってショットに信頼ができなかった。こんな状態で戦えるのかと思っていました。13番(パー5)なんか第1打が右へ曲がって木に当たり、ラフへ戻ってきた。木に当たっていなかったら林の中か、OBになったかもしれません。なのにそこからバーディーですからね。この試合、2サム(2人組)でのプレーだったのがよかったです。マッチプレーのような感じでね。私は勝負が好きなんですね。目の前の相手と闘っていると奮い立てた。ショットの調子はよくなくても、気合が入りました。入らないようなパットも入ってくれた。初日の2番のイーグル。あれはうれしかったですね。あの3打目は今年のベストショットです。4日間大会の公式協競技で2勝できたから、今年は100点でもいいんですけど・・。でも、予選落ちもあったり、調子の波があったから、マイナス19点です。まあ、ゴルフ人生の大きな第1歩を踏み出したとは思います」

色紙に「笑顔・感動」と20年の抱負を書いて見せる古江彩佳。その通りになった!(19年10月、BSの用具発表会で)

天性の勝負強さを備え持った原英莉花に大輪の花が咲くのは、まだこれからなのでしょう。今年はその夢へ大きな1歩を踏み出しました。国内競技を終えた英莉花に残っているのは、延期になった海外メジャー、全米女子オープン(米テキサス州)の大舞台。12月10日開幕です。本場アメリカでのビッグイベントへ「自分を信じて果敢に攻めるゴルフをしてきたい」(英莉花)。
国内メジャー年間2勝の肩書を背負った原に、もう一つの大勝負です。マイナス19点を埋めるためにー。

(了)