Daily Archives: 2021 年 9 月 6 日

山口すず夏(21)、日本ツアーの資格獲得へプロテスト受験!米国生活、2年で見切り!

日本ツアーを飛び越えいきなり米ツアーに挑戦した山口すず夏。世界の壁は高く、苦戦続きの2年間だった

米国でプロ転向、国内ゴルフツアーを飛び越えて2年間米女子ツアーを主戦場にしてきた山口すず夏(21、東京・共立女二高卒)が、国内のプロテストを受験しています。日本での正会員資格獲得を目指して第一次予選(E地区=山口・周南CC)からトライ。トータルイーブンの2位タイで通過。10月の2次予選への進出を決めました。最終予選(11月2日~5日、城陽CC=京都府)をクリアすれば、来季からは国内女子ツアーに新しい顔として参入してきます。またこのE地区には、先週行われた「全国高校ゴルフ選手権」個人の部を制した櫻井心那(さくらい・ここな、長崎日大高3年)も通算4オーバー、12位タイで1次を通過。計43選手が1次から2次へ進みました(この大会は3日目が悪天候のため、2日間36ホール競技に短縮されました)。

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7歳から父親の手ほどきでゴルフを始めた山口すず夏。米国でもその父・裕之さんと二人三脚で米ツアーを転戦した(ヨネックスとの用具契約の席上、父親に感謝文を読んだすず夏=19年1月)

山口すず夏は安田佑香や古江彩佳、西村優菜、吉田優利らと同じ2000年生まれのミレニアム世代のひとり。神奈川・相模原市生まれで東京・共立女二高卒。この8月2日で21歳を迎えました。7歳からゴルフを始め、中学時代には中嶋常幸プロが指導する「トミー・アカデミー」でコーチを受けたこともあります。2015年の全米女子オープン、日本地区予選で2位となり、14歳で日本人史上最年少のメジャー出場で話題を集めました。18年には「豪州女子アマ選手権」に日本人初優勝。18年秋の米女子ツアー予選会を36位で通過して18歳でプロ転向。宮里藍、畑岡奈紗に続く“女子高生プロ”となりました。順調な足取りでゴルフの腕を上げ、19年から日本ツアーを飛び越えて米女子ツアーに参入。米ツアーでの一気のブレークが期待されたのですが、父親・裕之さんと二人三脚で転戦した米ツアーは、思いのほか厚い壁でした。

米ツアー参戦1年目の19年は第1戦目の豪州でのISPSの試合(米ツアー)で22位だったのが最高。20試合ほどの米ツアー出場では、ほとんどが予選落ち。1年目は賞金ランク150位という苦戦の連続でした。2年目の20年は、予選会16位の資格での出場でしたが、米国でもコロナ禍の影響で試合日程も飛び飛び。コンディションの調整もうまくいかず、やはり予選落ちが続いて厳しい戦いは変わりませんでした。

マイクで挨拶する山口すず夏(ヨネックスとの用具契約で)

米国フロリダなどではシーズンに入る前には松山英樹や小平智にも会ってアドバイスをもらったり、女子の畑岡奈紗らとは練習ラウンドをこなしたりもしたという。またシーズン中には同学年の仲間たちが日本で活躍している便りも何度も届いたとか。古江彩佳が何勝もし、西村優菜も勝った。「スゴイ!うれしいな!負けたくないな!」と、そのたびにモチベーションは高まる一方で、すず夏には人知れずストレスになったのかもしれません。

「米国は世界中からトッププレーヤーが集まり、同じ舞台で戦えるのは楽しみだった。英語もだいぶん話せるようになったし、選手の友達もできて何かと気にかけてくれたりもした。毎週違うコースや芝の会場でプレーするのも楽しかった」と、異国の地でのゴルフ漬けの楽しさも堪能したようですが、メンタル面などのコントロールには苦労が尽きなかったようです。

ヨネックスと用具契約発表の席で。左は同じく石井理緒プロ(19年1月)

久しぶりに味わう日本での山口すず夏のゴルフ(プロテスト)。周南CCでの初日は、3ボギー先行しながら、3バーディーで取り返したのはお見事。その後2ボギーで74。2オーバー11位と踏ん張りました。2日目には1バーディー、1ボギーのあと、12番(パー4)でイーグルを奪って2アンダー、70。シビアなプロテストで2日間トータルイーブンパーと粘れたのは米国2年間の成果でしょうか。最終日の3日目が雨天中止。36ホール短縮競技となり、優勝は島田朋美のトータル2アンダー。すず夏はそれに続く2打差の2位タイフィニッシュでした。このE地区には注目選手が多数参加。櫻井心那(今年の全国高校選手権優勝=12位タイ)、幡野夏生(レギュラーツアー参戦経験者=2位タイ)、竹田麗央(平瀬真由美をおばに持つ=2位タイ)ら43選手が2次予選に進みました。2次、最終予選と勝ち抜いていかなくてはなりませんが、11月2~5日の最終予選結果が待たれます。

【今年のJLPGAプロテスト】

<第1次予選>   A~Eまでの5会場
<第2次予選>   A~Cまでの3会場
<最終プロテスト> 11月2~5日(京都・城陽CC)

(了)