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『クアドラプル・ボギー』ってなに?池ポチャ3連発で「9」松山英樹(30)。「3Mオープン」左手首痛で途中棄権!

フルショットする松山英樹。今季はすでに米ツアー2勝と好調なシーズンだったが、左手首痛は“古傷”の再発か?

ゴルファーのみなさん「クアドラプル・ボギー」って知ってますか?あの松山英樹(30)が、パー5のホールで珍しいトリプル・ボギーより一つ上、規定より4打多い「9」をたたいて1R6オーバー「77」で沈没!左手首痛を訴えて途中棄権しました。「全英オープン」から連戦となった米ツアー「3Mオープン」(米ミネソタ州)で“世界の松山英樹”が演じた珍プレー。「クアドラプル・ボギー」とはいったいどんなもの?

 

 

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「クアドラプル・ボギー」(Quadruple・Bogey)ーゴルフの名称は数多くありますが、通常ほとんど耳にしない意外と知らない言葉です。アルバトロス(ー3)、イーグル(ー2)、パー、ボギー(+1)、ダブル・ボギー(+2)、トリプル・ボギー(+3)まではしょっちゅうお目にかかりますが、そのトリプル・ボギーの次、つまり規定より4打多いスコアを表現する名称なのです。さらにそれより多いスコアのときは?それは単純に「9」「10」「11」などと数字で呼ばれるのが一般的とされます。「クアドラプル」は4倍、四重、4つ組などを意味する言葉で、四冠を達成したサッカーチームやフィギュアスケートのジャンプ技、野球の本塁打などにも使われますが、ゴルフでは悪いスコアの方で使われます。

「3A OP」のTPCツインシティーズ(ミネソタ州)はアーノルド・パーマー設計で池が多くからむコース。松山はそのワナにかかった?!

松山英樹がそれをやったのだから驚きです。「全英オープン」を68位で終わって米国へ戻り、連戦で出場した「3Mオープン」。アーノルド・パーマー設計のウォーター・ハザードが数多く絡むTPCツインシティーズ。松山は左手首にスタート前からテーピングをしていたのが気がかりでした。インスタートの前半は耐えるゴルフで凌いでいましたが、15番でラフからのアプローチがグリーンに届かずボギーが先行。16番では1.5㍍のチャンスをカップに蹴られて逃がし、池越えのパー3となる17番もバーディーチャンスにつけながらカップ左へ抜けるなど、イライラがつのるホールが続きました。そして迎えた折り返しの18番(パー5)、ショットが一気に乱れて大トラブルホールになったのです。

第1打を右サイドに大きく広がる池に曲げて池ポチャ。池越えにグリーンを狙った3打目もショートして2度目の池ポチャ。もう熱くなった打ち直しの5打目は、グリーン手前の土手ラフに当たって届かず、このホール3度目の池ポチャです。安定感失ってついに池3連発。パー5のところ「9打」の大たたき。規定より4打多いクアドラプル・ボギーの完成というわけです。イン9ホールは5オーバー「41」。アウトへターンして1バーディー、2ボギーの「37」。ここでも6番(パー5)でフェアウェイからのセカンドを左の池へ。この日は計4個の池ポチャ。トータル6オーバー「77」のホールアウトでした。

今季米ツアーではすでに7億円超を稼いでいる英樹だが・・。

「3打目のとき、刻めばよかったかもしれないけど、届くと思っていった結果が届かなかった。もったいなかったけど、狙えると思って行った結果だから仕方がない。何が悪かったのかよくわかってない感じ。うまくいっている部分もあるんだけど、それがつながらない・・」(松山のコメント)。

何とか18ホールを終えて苦しい初日となりましたが、ホールアウト後は左手首の痛みについては触れることなく、2日目を待たず「手首痛による棄権」でコースをあとにしました。松山の途中棄権は、首痛と背中痛を訴えた4月の「バレロ・テキサス・オープン」以来、今季2度目。
これまでも左手首痛で棄権や欠場を経験している松山です。いわば“古傷”の再発かとも思われますが、残りシーズンの状態が気がかりです。

今季(21年~22年)の松山は、優勝2回。4つのメジャーは「マスターズ」14位。「全米プロ」60位。「全米オープン」4位。「全英オープン」68位。ツアー出場18試合での獲得賞金は570万8548ドル(約7億8949万円)で、米ツアー賞金ランク10位につけています。

(了)