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第1回リシャッフル突破!米ツアー本格参戦で“格闘”続く勝みなみ&西村優菜! いったん帰国、6月1日からは再渡米!

勝みなみ。最終予選会5位で米ツアーに乗り込んだが、まだまだ苦戦中。本領発揮が待たれる。

今年から米女子ツアーに本格参戦している勝みなみ(24)と西村優菜(22)。シーズン途中に行われる第1回リシャッフル(出場優先順位見直し)で上位カテゴリー入りを果たし、中盤戦以降のほとんどの試合への出場を可能としました。勝はQシリーズ5位(出場優先順位140番目)で今季から参戦。これまで6戦に出場、2戦目の「DIOインプラントLAオープン」で7位タイと奮戦。3試合は予選落ちと苦戦しながらもCMEグローブポイント・ランキング96.925ポイントで72位に留まり、“80位以内”に与えられる「カテゴリー8」をキープしました。西村はQシリーズ24位(出場優先順位164番目)で参戦。勝と同じく6戦して上位争いこそできなかったが、予選落ちは初戦の「LPGAドライブオン選手権」だけ。出場2戦目以降はすべて予選通過。が、カットラインを意識しながらの戦いが多く、なんとか年間ポイントランキング74
位に。出場カテゴリーは「15」から「8」に上げて序盤戦を終えました。ともに楽ではないギリギリのシャッフル通過でしたが、ひとまず第一難関を突破して、現在はいったん帰国。勝みなみは2週間のオフをとり、西村優菜は国内ツアー「ブリヂストンレディス」(愛知・中京GC)でリフレッシュ。6月1日からの「みずほアメリカズ・オープン」(ニュージャージー)へ再び米国へ戻ります。

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飛距離も米ツアーで見劣りせず、パットも上手い勝みなみ。夏の陣では朗報がー。

勝も西村も母親に帯同してもらっての米国ツアー。すべてに勝手が違う異国のゴルフに大苦戦です。勝は2戦目の「DIOインプラントLAオープン」の最終日、ボギーなしの「63」をマークするなど“本領”をみせましたが、予選落ちも3試合。そのうち2回は1打が足りず、序盤戦最後の「ファウンダーズ・カップ」でも最終ホールをボギーとしてカットラインを外れました。米ツアーでもヒケをとらないドライバーを飛ばし、パットの名手とされる勝です。日本女子オープン2連勝を含む国内ツアー7勝の実力派も米ツアー本格参戦となると違うのでしょう。

2ヵ月戦った感想は「もうちょっとできたんじゃないかなと思う。かみ合わないことが多かった。芝も違うからラインの読みも難しい。試合を積んでコースにも慣れ、積み重ねて自信をつけていくしかないですね。まあ、シーズンは長いし、あまり気にせず与えられた試合で頑張っていけばいい」と、勝らしく明るく、前向きなコメントを出しています。本格参戦、まだ6試合ですが第1回リシャッフルを突破したことで気持ちも落ちつくでしょう。6月からの新たなステージに期待がかかります。

渡米2か月。苦戦が続きましたが第1回リシャッフルを突破して胸をなでおろした西村優菜。

一方、西村優菜の心身の疲労は大きかったようです。「正直、想像したよりも大苦戦している」と苦笑いです。Qシリーズの順位が勝よりも下位だったため、ウェイティングやマンデートーナメントにトライして滑り込んだりするウイークがあったり。長距離移動での体調面の維持も含めて戦う前から神経がすり減った毎日を過ごしたという。国内ではアマ時代から順調なゴルフ人生で、プラチナ世代をリードしてきた一人。プロになってからもすでに6勝を挙げているエリートだけに初めて味わう苦労といってもよさそうです。技術的にも「ショットにスピンがかからないのが辛い。芝や土壌も違う。パワーがないとスピンがかけられないし、ボールを止められない」と、異国のコースと向き合う姿勢に困惑した毎日だったようです。クラブのロフトを変えるなどの調整も怠りませんが、なかなかすぐには好結果は出ないようです。6戦して最高位は17位でした。

 

西村優菜。いったん帰国して「ブリヂストン・レデイス」ではトップ10入りして英気を養った。
渡米前の新製品発表会の席で『USLPGAへ』との決意を色紙にしたためた西村優菜(23年1月都内で)

「毎日毎試合、リシャッフルのこばかり考えながら戦っていた。リシャッフルをクリアできてやっと1回は解放されるんだな、と。でもこういうタフなところでやっていると、向上心というか、一段上のゴルフを目指して日本では味わえない成長があると思う」と、ポジティブな姿勢を失っていません。いったん帰国してすぐに「ブリヂストン」に出場。2ヵ月ぶりの国内ツアーで大きな声援を受け、2日目のパー4で2打目(144ヤード)を直接入れるイーグルを出したり、3日目には5連続バーディーでハーフ「29」の9ホールツアー最少記録タイをマークするなど、実力のあるところをみせてトップ10に入りました。

「大勢のギャラリーに会えて応援も受け、楽しかった」と大いに英気を養った優菜。6月1日からの「みずほアメリカズ・オープン」には再び海を渡ります。負けん気の強い西村です。第2幕ではきっと何かを生み出すでしょう。

米ツアーには活躍中の畑岡奈紗、古江彩佳、渋野日向子、笹生優花らがいます。それら先人を追って、新境地を目指す勝みなみ&西村優菜。勝負は夏の陣、これからが本番でしょう。

(了)