Daily Archives: 2024 年 2 月 13 日

池田勇太、下部「ABEMAツアー」出場も視野に!「ムータ・マリン・ゴルフ」が新たにウエア契約提供!

ネイビーと白で模られた「ムータ・マリン」のウエアで久々の笑顔・池田勇太。

「顎偏位症」(下あごがずれることで頭痛や首痛を起こし、体のバランスが崩れる)の難病と戦うツアー21勝の池田勇太。昨季は11回の予選落ち。トップテン入りは1回という最悪のシーズンで、14年守ってきた連続賞金シードも失い「キャリアーの中で一番辛いシーズンだった」と振りかえりました。そんなどん底に落ちた勇太に、救いの手を差し伸べた企業があります。その名は名古屋を本拠とする「muta MARINE GOLF(ムータ・マリン・ゴルフ)」。同社は革製品ブランド「MUTA」(2006年日本で開業)が、2015年から展開しているゴルフライン。池田勇太を含めた6人の日本若手ゴルファーとウエアを中心とする用品&アンバサダー契約を行い、2月1日に発表しました。38歳で迎える2024年の勇太は、ムータ・ジャパンが展開するゴルフアパレルを着用。下部「ABEMAツアー」への出場も辞さないとして故障と不振からの脱却を目指します。悲壮な思いでシーズンに立ち向かう男に注視です。

 

 

 

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2月1日。名古屋市内の松坂屋名古屋店・マツザカヤホールで行われた「muta MARINE GOLF」の記者発表会。「ムータ・マリン」の「M」と「波」を融合させたシンボルマークが公開され、ネイビーと白を組み合わせたロゴ入りの爽やかなウエアを身にまとって5人のプロが登場しました。

「ムータ・マリン・ゴルフ」とウエア契約した池田勇太(中央)。右回りに水野眞惟智(しんいち)、今野大喜(ダイキ)、小齊平優和(こさいひら・ゆうわ)、松本宗矢(そうや)の若手陣。

ウエア契約を結んだプロは、池田勇太以下、重永亜斗夢(あとむ)、小齊平優和(こさいひら・ゆうわ)、今野大喜(いまの・だいき)、水野眞惟智(しんいち)、松本宗矢(そうや)の6人(重永亜斗夢は欠席)。中で23年度は苦悩のシーズンを送った池田勇太の精一杯の晴れやかな顔。この契約を契機として、苦しみを投げ捨て復活を目指す意気込みが感じられる笑顔でした。「試合での衣装を一新して2024年を戦えるのは、気持ちが高ぶる思い。こんな自分を拾っていただいたムータさんには感謝しかありません。自分自身をいま一度見つめ直してみたい。体を大事にすることはもちろんだが、もう一回スタートラインに立つという気持ちも大切」と勇太。21年にプライベートゴルフを共にしたムータ・山北耕三社長との縁で今回の契約に至ったということですが、その恩返しを胸に秘めている「男・池田勇太」です。

契約発表会で語る池田勇太。

頑強だった勇太の体に異常を感じたのは数年前から。特に22年6月に突然の激痛に見舞われ顎関節(がくかんせつ)の異変と診断されました。首、右手指などの痛みに耐えながらのゴルフが続き、昨年オフは歯を削る手術を受けましたが、その23年は調子が上がらない中で耐えに耐えたたシーズンでした。最後賞金ランク“68位までがシード保持”というきわどい線上で戦い、69位に終わってあと一歩が届かず賞金シードを失ったのです。このオフは再び歯を削る手術も考えてきたというが、顎関節治療は依然として続いて万全な体ではありません。このオフの治療は3月いっぱいはかかるという。従ってシーズンインは元気な選手と肩を並べてというというわけにはいかなさそう。「(調子をとり戻せるのは)夏前くらいまではかかるかな・・」と覚悟は決めている勇太です。

難病と闘う苦闘の中で昨23年10月、「ACN選手権」3日目に1打差2位と健闘した池田勇太。最終日は「75」と崩れて12位に終わった(兵庫・三甲GCジャパン)

シードを失った池田が今季レギュラーツアーに出場できるのは主催者推薦での8試合まで。
歴代優勝者である「日本オープン」、「日本プロ」、「ミズノオープン」などは「8試合」にカウントされません。また池田は生涯獲得賞金ランキング25位以内に入っているため、その資格を使ってレギュラーツアーに出場することもできますが、体調の復活を優先して「25位以内」の資格は今年は行使しない意向。昨冬12月には今季のツアー出場権をかけたファイナルQT(最終予選会)にも池田はトライ。初日は88人中10位につけていながら、右手痛のため2ラウンドスタート前に棄権するショッキングなニュースもありました。池田が今季意を決っしているのは、下部の「ABEMAツアー」への出場です。「今年は限られた試合にしか(上では)出られないのだから、ABEMAにも出場しようかなと思っている。新しいウエアで新しい池田勇太の一面を見てもらえたらと思う」とした決意のコメントには驚かされました。

豪快なドライブを放っていた池田勇太。蘇る日がくるか?!

2007年にプロ転向して以来、「日本プロ」(09年)、「日本オープン」(14年、17年)のメジャーなどツアー21勝。賞金王1回(16年)。17年には当時史上最年少の31歳で生涯獲得賞金10億円を突破。09年から19年まで11年連続で優勝を続ける等、数々の記録を樹立。13年から3年間は選手会長を務めてゴルフ界隆盛へ尽力した経緯も残している勇太です。波乱万丈の38歳で迎える2024年。まだまだひと花咲かせられる年齢です。チャンスを与えてもらった「ムータ・マリン・ゴルフ」とのウエア契約が大きな転機となれば、ゴルフ界は盛り上がるでしょう。注目です。

【註】⇒『muta』とはイタリア語で「変化」「交換」「脱皮」などの意味。MUTA製品を身に着けることで、価値観を変化させ、既成概念から脱皮してほしいとの思いがこめられているという。

(了)