昨年のシニア賞金王・宮本勝昌(52)が「ファンケルクラシック」(静岡・裾野CC)で3日間通算13アンダーで圧勝。大会連覇を達成するとともに今季シニア3勝目。通算6勝で2年連続賞金王へ突進しています。昨年に続き来季の米シニアツアー(PGAツアーチャンピオンズ)予選会への出場登録もすでに済ませ、海の向こう米国での活躍を目指す宮本の夢は、大きく広がってきたといえそう。国内シニアツアーは残り3試合です。
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「強い宮本」がいよいよ頭をもたげてきました。シニア入り2年目の昨季、3勝して賞金王に躍り出たかと思うと、今季は6月の「スターツシニア」で勝ち、8月新設の「倉本昌弘招待イーグルカップシニア」に続いての今季3勝目。賞金ランク3位から優勝賞金1400万円を加算して2年連続キングに向け賞金ランクトップに立ちました。今回も日大時代からの同期生、片山晋呉が「71」で通算9アンダーと追い上げましたが、それを大きく上回る5バーディー、1ボギーの「68」で寄せつけませんでした。
ほとんどフェアウェイを外さず、アイアンショットの距離感も素晴らしいゴルフを展開。12番(パー3)でグリーンをショートし、最終日唯一のボギー。次の13番(パー4)で左クロスバンカーに入れて一瞬ぐらつきましたが、このバンカーからの第2打をピタリ2㍍弱につけてバーディーを奪って、スキをみせませんでした。
レギュラーツアー12勝。飛ばし屋で名をはせ、シニアになったいまもロングヒッターは変わりません。ビッグゲームに強いのでも名を売り「ゴルフ日本シリーズJT杯」3勝。「日本ゴルフツアー選手権」2勝で日本タイトル5勝。ほかにANAオープン、中日クラウンズ勝者でもあります。1年だけでしたが米ツアー(99年)にも参戦した経験もあります。22年にシニアデビュー。いまもレギュラー、シニアかけもちでプレーしていますが、昨季はレギュラーツアーではシード落ち。今季は生涯獲得賞金25位以内の資格で戦っています。
宮本の米国志向は、日本の賞金ランクトップ浮上でますます強固なものになってきました。初挑戦した昨年は最終予選会は37位に終わり、「上位5枠」は外しましたが、再挑戦の意思はかわりません。予選会は1次、最終の2ステージ制で、日本の賞金ランキング上位5人のうち、エントリーした最上位の選手は1次を免除されます。国内シニアは残り3試合で現在トップに立っている今季の宮本は、その枠内で戦えそうです。「アメリカは好きなので、どうしても頑張りたい。自分お力を9割くらい出せればチャンスはあると思っています」と、いまからその日のくるのを待ちわびています。強かったマークセンに入れ替わって、“シニアの鬼”となってきた宮本勝昌のゴルフが見ものです。(了)