Daily Archives: 2024 年 10 月 28 日

「ZOZO」日本勢最上位の6位。大健闘の23歳・杉浦悠太。米ツアー次戦権利獲得!

杉浦悠太(24ZOZO)

昨年11月の「ダンロップフェニックス」でアマ優勝。その日にプロ転向。今年7月の「日本プロ選手権」ではいきなりメジャー優勝した23歳の杉浦悠太。米ツアーで唯一日本開催、「ZOZOチャンピオンシップ」(千葉・アコーディア習志野 パー70)で日本勢最上位(17人出場)の通算13アンダー6位タイに入る大健闘をみせました。トップ10入りで、2週後にメキシコ開催の「ワールドワイドテクノロジー選手権」への出場権も獲得。突然の朗報に「よく考えて決めます」と米ツアー初挑戦への前向きな姿勢を示しました。「ZOZO」での松山英樹は振るわず、46位タイ。優勝はニコラス・エチャバリア(コロンビア)が、通算20アンダーで米ツアー2勝目。

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24年ZOZOで優勝したエチャバリア

最終日、16位で出た大会初出場の杉浦は6バーディー、ボギーなしの「64」で回って16位から一気に6位へジャンプアップして驚かせました。今年初めて日本のファンの前でプレーした松山英樹始め、メジャープレーヤーのジャスティン・トーマス、リッキー・ファウラー、ザンダー・シャウフェレら米ツアーのトッププレーヤーも参戦した「ZOZO」。タイガー・ウッズ(19年)、松山英樹(21年)も歴代優勝者に名を連ね日本開催が人気の大会です。今年も最終日のギャラリー数は11062人で1万人超え。4日間を通して34276人が詰めかけ、松山やトーマスらの組は多くのファンを引き連れて盛り上がりをみせました。が、タイトルスポンサー「ZOZO」は今年で契約満了。2019年から6回開催された大会も終わりを告げました。

アプローチショットする杉浦悠太(24年ZOZO)

そんな中で次々とバーディーを重ねて順位を上げていった杉浦悠太のゴルフは、米国勢もビックリ。最終18番(左曲がりのパー5)で初めて第1打を左の林へ打ち込むトラブル。
「右に出せば第3打がピンまで200ヤード以上。左サイドの9番ホール方向へ出せば林越えだが、150ヤードで狙える」と読んだ杉浦。選んだ第2打は、左9番のフェアウェイへ出す作戦。低く打ち出したボールは9番の左ラフへ。そこからの第3打は、約160ヤード先の18番グリーンを狙っての林越え。「9番アイアンで落ち着いて打てた」というショットは、18番グリン右奥のラフへこぼれましたが、ナイスリカバリーでした。7~8ヤードのアプローチを50㌢に寄せてお見事なパーセーブ。この冷静な処理によるナイスパーでトップ10入りを固いものにしました。

「後半2日は上位で回れて自信になりました。PGAのトッププレーヤーたちを間近で見られていい勉強でした。飛距離も凄いですけど、どんな状況でも簡単にはボギーをたたかないですからね」(杉浦悠太)。

愛知県高浜市出身。高校時代からナショナルチームで活躍。日大3年の22年には「ノムラカップ・アジア太平洋アマ」個人・団体で優勝。同じ22年、蝉川泰果が「日本オープン」アマ優勝したときも3位に食い込んでいます。大学最終年の23年9月には下部ツアーABEMAの「ダンロップフェニックスチャレンジ」で最終日「64」を出し9位からの逆転優勝。11月の本戦「ダンロップフェニックス」で史上7人目(73年以降)のアマ優勝を成し遂げました。アマチュア時代から非凡な才能を発揮してきた男です。

今年は「日本プロ」優勝のあと右肘を痛め、8月は棄権試合や出場を控えたりしながら過ごし、9月下旬の「バンテリン東海」から復帰。「今回こういう結果(ZOZO 6位)が出たので、肘もうまく曲がらなかったのに、いい状態に戻れたのかなと思う」と笑顔を取り戻しました。

今回トップ10に入ったことで、米ツアー次戦メキシコでの試合出場資格を得ました。
が、日本ツアーの「三井住友VISA太平洋」と日程がかぶります。現在国内賞金ランキングは1位の平田憲聖と約4700万円差の6位にいます。「今年の目標は賞金王と思っていた。その思いも達成したいですしね。せっかくの世界へ行けるチャンスをつかんだのだから、行きたい気持ちもあるし、よく考えて決めたい」と、悩める胸中をもらしています。

24年ZOZO「思い出になる大会でした」松山英樹

ところで、タイトルスポンサーのZOZOが今年で契約が終了。6回開催(20年はコロナのため米国開催)してきた人気大会も今年がラストイヤー。松山英樹や石川遼始め日本選手は口々に感謝の意を表し「1勝もできたし凄く思い出に残る大会」(松山)と話し、来季以降も再び日本での米ツアー開催を望む声は多く聞かれました。

この大会は、IT企業「ZOZO」を創設した前澤友作氏が立ち上げて始まり、2022年8月に「ZOZO」を売却しています。

《今回出場した日本勢の成績》

杉浦悠太 6位(ー13)
清水大成 16位(ー10)
米澤蓮  22位(ー9)
桂川有人 22位(ー9)
木下稜介 27位(ー8)
金谷拓実 37位(ー6)
片岡尚之 41位(ー5)
平田憲聖 46位(ー4)
松山英樹 46位(ー4)
久常涼  46位(ー4)
石川遼  56位(ー2)
今平周吾 56位(ー2)
小平智  64位(0)
岩田寛  70位(+3)
幡地隆寛 71位(+4)
小木曽喬 74位(+9)
大西魁斗 77位(+16)

(了)