
4月の米国「マスターズ」で大敗を喫し、しっぽを巻いて帰国した片岡尚之(28)が、2ヵ月後のいま、見事に蘇ってファンの前に姿を現わしました。国内メジャーの第2戦「BMW日本ツアー選手権森ビル杯」(茨城・宍戸ヒルズCC)。片岡は3日目に単独トップに立ちながら最終日、45歳のベテラン岩田寛の猛追にあいプレーオフで敗れました。しかし難コース宍戸西コースを通算8アンダーでクリア。45歳の実力者をゴール寸前まで追いつめたのは大きな成果でした。パット巧者の片岡。これからの活躍が期待できそうです。
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プレーオフ1ホール目、片岡は左クロスバンカーから約3㍍につけました。岩田も2㍍に2オン。片岡は「自分のパットはめちゃくちゃ微妙なライン。スライスは読んでいたのですけど、あまり左を狙ったら抜けそうだったのでぎりぎり左フチを狙ったら思った以上にスライスしてしまった。あれが入らなかったのはちょっとふがいなかった。悔しいですね」と勝敗を分けたポイントを述懐した。そのあと岩田に2㍍のバーディーパットを着実に入れられたのでした。昨年の「日本オープン」に続く国内メジャー制覇は成りませんでしたが「寛さん(岩田)がすごかった」と潔く敗戦を認めました。「プレーオフまで持ち込めたのは自分の中ではすごい自信になった。これからも変わらずいいゴルフを追求していきたいです」と片岡。前向きなコメントでした。
正規の18番(パー5)で片岡はドライバーを左に曲げて林の中。隣りコースに近いところまで打ち込んで絶対絶命のピンチもありました。熟慮の末、林の隙間から低い球でラフへ戻し、さらにカップへ寄せてきわどいパーセーブ。高度のテクニックを随所で駆使しピンチを切り抜け、プレーオフへ持ち込んだ片岡でした。
昨年の「日本オープン」優勝で得たマスターズ出場権で4月の「マスターズ」に初出場した片岡。初日から4個のダブルボギーと6ボギーで「84」も叩き、オーガスタの洗礼を浴びて帰国しました。海外勢とプレーして、まず「飛距離が違い過ぎる」と痛感した片岡は、帰国後の練習で全力で振り込むスイングの反復に重点をおきました「めちゃくちゃ振るだけ」からやり直したのが徐々に効果をみせているのです。その積み重ねで昨年の平均飛距離284.78ヤードから今季は298.76へと伸び、全体の65位から今季は13位に急上昇しました。
「キャリー(飛んでる距離)だけで300ヤード」を目標にし「頑張ればできる」と信じてやっているとか。まだ完全に身についていないスイングでは、時折ドライバーを曲げて林の中という苦汁も飲んでいるが、身長171㌢と大柄ではない片岡が「新・飛ばし屋」に変身してきたのだから凄い。平均パット数では20年、21年と昨年は1位に輝いた“グリーンの名手”がツアー屈指の飛距離を身につけたら強い。この週最終日同組で回った飛ばし屋・出利葉(いでりは)太一郎の飛距離と近い地点まで飛ばしていた片岡だ。
粘っこい45歳のベテランには手こずったけれど、片岡のゴルフはひと回り大きくなった。、次なるチャンスは間違いなくやってくるでしょう。「マスターズ」での屈辱的な敗戦は、まさに良薬となったに違いありません。北海道・江別市出身。2014年には北海道アマを16歳の最年少記録で制覇。東北福祉大4年時の2019年にプロ宣言。ツアー2勝の男の未来は大きく拡がって待ち受けているようです。
国内男子ツアーはこのあと試合が空き、次は「JPCジャパンプレヤ―選手権byサトウ食品」(7月2~5日 栃木・西那須野)から「全英オープン」と続きます。「試合が空くのは寂しいですが、そのあと全英オープンもあるので、それらに向けてしっかりリフレッシュできるかなと思っています」と、頼もしく前を向く片岡。日本のトッププレーヤーを目指すまでに成長しました。
