マスターズ“最終選考”狙う石川遼。“無休”で参戦! 米ツアー開幕第2戦、ソニーOPインハワイ

昨季は未勝利。プロ5年目の今年はマスターズ出場もまだ決まらず、落ち着かない石川遼。
昨季は未勝利。プロ5年目の今年はマスターズ出場もまだ決まらず、落ち着かない石川遼。

 米男子ゴルフツアーは、2012年の新春を待ちわびたように今週1月6日からハワイで開幕です。一方、日本ツアーはといえば、4月の米マスターズが終わった翌週に開幕ですからまだまだ冬眠中。米ツアーに比べると3ヵ月も遅い幕開けです。石川遼はハワイで第2戦の米ツアー、ソニーオープン・イン・ハワイに出場します。暮れの12月はアジアツアーのタイ選手権で打ち止めをした遼クン。僅か3週間のオフで2012年の新しいシーズンに突入です。08年のプロ転向以来、4年目の昨季は初の未勝利に終わり、3年連続出場してきたマスターズも、昨年中には出場権を確保できませんでした。プロ入り以来初めて味わった手痛い結果を、石川遼は今年どんなゴルフではね返そうとしているのでしょうか?
 
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昨年の国内賞金王・裵相文(韓国、左)と池田勇太(右)に挟まれる石川遼。今季、国内戦でも3人のデットヒートが見られるか? (旧冬12月の3ツアーズで)
昨年の国内賞金王・裵相文(韓国、左)と池田勇太(右)に挟まれる石川遼。今季、国内戦でも3人のデットヒートが見られるか? (旧冬12月の3ツアーズで)

 暮れ近くまでは沖縄でミニキャンプを張るなどあわただしいオフの遼クン。正月も返上のトレーニングで、ほとんど“無休”で新しいシーズンに突入します。昨季はついに未勝利で終わり、年内のマスターズ出場資格ゲットにも失敗したのですから、休んでいるヒマはないという心境なのでしょう。「世界ランク年内50位以内」のマスターズ出場権を“あと一歩”で逃がしたのが、石川の昨シーズンを象徴するようでした。4月のマスターズでは「16位以内で翌年の出場権」に1打足りない20位。8月のブリヂストン招待では、海外初の最終日最終組で回りながら4位タイ。“あとワンストローク”でよかった米ツアー賞金シード権内定を逃がしました。国内でも何度も優勝争いをし、トップテンに10回入りながら優勝を逃がし続けました。挙句の果てが昨年暮れの最終戦、タイ選手権で条件だった“37位以内”に入れず、世界ランク50位から51位に落ちてマスターズを逃がしたのです。これでは、石川ならずともオフをのんびり過ごす気分にはなれないでしょう。 今年はマスターズ前に、昨年の5試合から8試合に米ツアー出場を増やし、マスターズ出場資格を狙いにいきます。前哨戦で好成績を残し、「マスターズ10日前での世界ランク50位以内(3月26日付の世界ランク)」という最後のチャンスにかけます。
 
 そうはいっても、米ツアーで上位争いをするのは並大抵ではありません。ソニーオープン後はそのまま温暖な米国西海岸に1月いっぱい滞在。オフ2度目の合宿を張る予定。このあとはいったん帰国して、恒例の雪山スキートレ。2月中旬には再渡米してノーザントラストオープン(2月16日~19日、ロス・リビエラCC)から6週連続で米ツアー。最後は1週あけて4月5日からのマスターズへという計算です。しかし、これはあくまでもマスターズ出場資格がとれたときの話。そのためには石川がどんな調整ができるかが問題です。
 
 「今年は年末年始も体を休ませたくなかった。休むのはもったいない。去年、今年と区切るのではなく、僕はシーズンがずっと続くつもりです」と明言しています。
 石川のゴルフは、何といってもドライバーの安定度がカギ。これは昨年終盤にはかなりの精度で向上していると自負しています。「8割の力で打ってもヘッドスピードに差がなくなってきている。このくらいの力で打った方が曲がり幅も少なくなる。そうなればコース攻略の精度も上がる。楽になります」
 

“マン振り”の遼から“8分の力でコースマネジメント”へ。変身なるか?注目の2012・石川遼
“マン振り”の遼から“8分の力でコースマネジメント”へ。変身なるか?注目の2012・石川遼

 1年1年、確かに石川遼は進化しています。「飛距離にはまだこだわりがある」といってはいますが、「でもホールによっては7割、8割で打つようにしていきたい。それがコースをマネージメントすることになるから」と、いつでもどこでも1ヤードでも飛ばしたいと“マン振り”していたこれまでの遼とはかなりの変化をみせています。スポット参戦ではありますが、米ツアー経験も今年は4年目です。優勝争いをしたのは、昨年のブリヂストン招待1度だけですが、こうした経験を重ねていきたいという遼クン。「米ツアーのカベの高さがどのくらいなんだろうと考えていたのが、09年、10年だとしたら、11年はそのカベの高さが分かってきた。そのカベを超えるにはどういうことをすればいいかが少しずつ分かってきた」
 と話しています。
 
 欧米の有力選手たちは、米ツアーでいえば4月のマスターズのあと6月の全米オープン、7月の全英オープン・・という風に中盤以降にピークをもっていこうといしいますが、石川は「自分の場合はそうじゃなくて“まだ春さきだから”とみんなが思っている1~3月も、“今しかないんだ”とそのスキを狙って序盤からいきたい」と、“世界戦略”についても自分なりのプランを披露しています。
 
 プロ5年目を迎えて新たなる思いを秘めたシーズンです。昨季は国内でも未勝利でしたが、すでにツアー9勝をモノにしている遼クンです。今季は国内での優勝ももちろんですが、米ツアーへの積極参戦で米シード権確保も一方でのひそかな目標です。米ツアーはシーズン125位以内がシード選手。スポット参戦でも上位に入ればこの順位を確保することは可能です。その思惑通り、好成績を挙げられれば来季から石川は米ツアーへ飛び立ちます。遼クンを見られるのは今季限り!ななんていうことになれば、うれしいやら寂しいやら・・。来週からの動向はもう目を離せません。
 

★石川遼の来週からの米ツアー(予定)★
 
(1・12~15)
ソニーOPインハワイ 
 
(1・26~29)
ファーマーズ・インシュアランスOP
 
(2・16~19)
ノーザントラストOP
 
(2・23~26)
アクセンチュアマッチプレー
 
(3・1~4)
ホンダ・クラシック(未定)
 
(3・8~11)
キャデラック選手権
 
(3・15~18)
トランジションズ選手権
 
(3・22~25)
アーノルド・パーマー招待
 
(4・5~8)
マスターズ(出場未定)