堀琴音、柏原明日架、楽々プロテスト一発合格!!女子プロ界に26人の”金の卵”誕生

トップ合格こそ逃がしたが、堂々3位で一発合格の堀琴音(18)。姉・奈津佳と姉妹プロとなった。
トップ合格こそ逃がしたが、堂々3位で一発合格の堀琴音(18)。姉・奈津佳と姉妹プロとなった。

人気の堀琴音、柏原明日架の18歳コンビは、楽々1発合格!! 毎年7月に行われる女子プロ最終テスト。今年はプロツアーでアマチュア旋風を巻き起こした″大物〝たちの受験で特に注目が集まり、堀琴音(18)=兵庫・滝川2高出= は3位、柏原明日架(18)=宮崎・日章学園高出=は9位と、両目玉選手は、トップ合格こそ成りませんでしたが1発合格でのプロ誕生です。18位タイまでの26人が晴れてプロとなり、トップ合格は3日間通算7アンダーで3度目の挑戦だった山田成美(24)=名古屋商科大出=。堀は4歳年上の堀奈津佳(22)=2011年プロテスト合格=と史上16組目の姉妹プロです。合格した26人中7人が資格を得たばかりの18才でした。この今年のニューフェースの中から、新しいヒロインは誕生するでしょうか!?(岐阜・ベルフラワーCC、7月29~31日)。

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ティーグラウンドで出を待つ堀琴音。
ティーグラウンドで出を待つ堀琴音。

まさに女子プロ王国です!昨年10月から始まっている1次テスト、4月からの2次テストを勝ち抜いた113人が、岐阜・ベルフラワーCCの最終テストの舞台に集まりました。3日間、54ホールのし烈な戦いです。木戸愛プロの妹、木戸侑来、川岸良兼プロの次女、川岸史果、藤本佳則プロの義妹、安福千乃、昨年のJGAナショナルチームメンバーの保坂真由・・それぞれが強い思いを胸に、″板子一枚下は地獄〝ー後のない土俵です。2日目で80位タイまでが最終日に進み、最終ラウンドで20位タイまでが合格となる狭き門です。 プロツアーにも何度も顔を出し、実績を残している堀琴音と柏原明日架。今季のアマチュア旋風の主役になりましたが、2人の狙いはともに「トップ合格」。

こちらもトップ合格を逃がしてくたしがった柏原明日架(18)。思い切りのいいゴルフで期待の星だ。
こちらもトップ合格を逃がしてくやしがった柏原明日架(18)。思い切りのいいゴルフで期待の星だ。

トップ合格者は、今季の残りツアー14試合(日本女子オープン、LPGAツアー選手権、ミズノクラシックを除く)に出場権を与えられるからです。 しかし、勝負の世界はなかなか思い通りにはいきません。堀は初日、5バーディー、1ボギーの4アンダー、68。首位には2打差の4位。緊張感あふれるこの舞台では、首位を狙える上々のスタート。2日目が「つきがなくかみ合わなかった」(堀)と3バーディー、3ボギーのパープレー。それでも首位との2打差をキープして最終日へ進みました。 柏原の方は、初日こそ71で9位スタートでしたが、2日目はさらに崩れ「ショットがぶれ、ラフにいってしまうのでセカンドがグリーンで止まらない。全然かみ合いませんでした」と、73を叩き通算イーブンで15位タイまで後退。最終日次第で″合格ピンチ〝にまで追い込まれました。 最終日の二人。首位に2打差の堀は、5番までに3つ伸ばす鋭い追い上げをみせながら中盤以降に流れが止まり、結局は3バーディー、3ボギーの72で追い込みならず。通算4アンダーで首位に3打差の3位に留まりました。

堀琴音の4つ上の姉・堀奈津佳。すでにツアー2勝している実力者。16組目の姉妹プロとなった。
堀琴音の4つ上の姉・堀奈津佳。すでにツアー2勝している実力者。16組目の姉妹プロとなった。

「うれしさと悔しさ、半分半分です。トップ合格ができなかったので・・。60台を出すのは難しかった。でも第1目標は達成できましたから・・」(堀)と、いまひとつ気勢はあがりませんでしたが、初受験で3位通過は堂々たるものです。ツアーではアマで3連続トップ10入りをはたし、5月のサイバーエージェント・レディスでは、同じアマの森田遥とともに10代2人のアマが最終日、最終組で回る偉業を成し遂げ(4位)、7月初旬には下部のステップアップツアー「ABCレディス」にアマで優勝。スーパーアマの名をほしいままにしていました。 トップ通過こそなりませんでしたが、合格者には主催者推薦で3試合の出場権が与えられます。まだ下部のステップアップツアーも残っているので、そこで勝てばさらにツアー出場可能試合は増えます。プロデビュー戦は今週8日開幕のmeijiカップ(北海道・札幌国際CC島松コース)。姉の堀奈津佳(22)はすでにプロ2勝の実績があります。姉妹プロとなって登場する今週のmeijiカップはまた新しい話題で盛り上がるでしょう。 柏原は最終日は71。15位の出遅れから9位での合格は、やはり底力がありました。「手が震えるパットもいくつかあった。ゴルフってこんなに難しいものかと思いました」(柏原)と、根性娘も独特の緊張感に苦しんだプロテストでした。プロとなって今年は3試合の推薦出場がありますが、この少ない試合数で今季のシード選手(賞金ランク50位以内)になれるかどうかも見ものです。「今季中に勝ちたい」「来季は賞金女王を目指す」と、持ち前のビッグマウスは健在でした。 JGAナショナルチームで柏原や堀とチームメートだった保坂真由(18=埼玉・栄高)は、15位で合格。6月のステップアップツアーで初優勝した平野ジェニファー(24)も18位で合格。米国・サンフランシスコで生まれ育った日系人。9歳からゴルフを始め、マイアミ大を卒業後、1歳年上の姉とともに日本でのプロを目指して昨年1月に移住。日本語はまだ聞き取るのがやっと程度ですが、今季は単年登録選手として日本ツアーに参戦。6月のヨネックスレディスでは初日トップタイに立って驚かせました(49位)。翌週のステップアップツアー(下部ツアー)「ルートイン上田丸子グランヴィリオ」ではプロ初優勝する実力をみせ、プロテスト挑戦では見事1発合格です。ユニークな存在になるでしょう。このほかにも多彩な女子プロが今年も誕生しました。

プロテスト3度目の挑戦でやっと合格。それもトップ合格でプロになった喜びの山田成美(24)
プロテスト3度目の挑戦でやっと合格。それもトップ合格でプロになった喜びの山田成美(24)

ところで、トップ合格した24歳の山田成美は、昨年賞金女王になった森田理香子らと同学年。兵庫・明石市出身。ゴルフ部のない明石北高時代は、個人で練習しながら試合に出ていたそうです。服部真夕らを輩出した名古屋商大へ進学。ここでゴルフの腕を磨きましたが「試合では予選落ちばかりでした」というように、これまで目立った実績はほとんどありません。プロテストも、おととしは6打、昨年は3打及ばず落選。3度目でやっと合格を果たした苦労人です。まさに″雑草〝の中から這い上がってきた新鋭ですが、トップ合格者に与えられるツアー残り14試合の出場権をただ一人ゲット。「まだ実感はないですが、緊張感を楽しみながらやりたい」と、大卒3年目の″ブレーク〝を狙っています。 木戸侑来、安福千乃、川岸史果、森美穂らは惜しくも落選でした。