単身米国に飛び込むトップアマ、18歳・森田遥の勇気ある挑戦! 米下部ツアーからの試練。

高校卒業を待たず「チームHONMA」の一員になった森田遥(右)。左は福田真未。(HONMA新年パーティーで)
高校卒業を待たず「チームHONMA」の一員になった森田遥(右)。左は福田真未。(HONMA新年パーティーで)

2013年の日本女子アマ覇者で、昨年の国内女子ゴルフツアーで3度トップ10入りしたスーパーアマ、森田遥(18)=高松中央高3年=が、新年早々にプロ転向を表明。ゴルフ用品メーカーの「本間ゴルフ」(本社・東京)は、直ちにプロとして製品使用契約を締結。遥の評価の高いことを証明しました。森田は昨冬12月、米女子ゴルフツアーの今季の出場権をかけた最終予選会(QT)にもトライ。4日目まで進みながら通算10オーバー(116位)となり、上位71人による最終ラウンド(5日目)には進めませんでした。レギュラーツアーへの出場権は取れなかったものの、米下部ツアーへの出場資格はゲット。プロとして今季の主戦場はいきなり米国に置き、翌年の米ツアーカード取得を目指します。米女子プロ協会への登録も済ませているそうです。昨季、日本女子ツアーを沸かせたアマチュア旋風の一翼だった森田遥の、日本を飛び越えての米ツアー挑戦は注目です。

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2015 「チームHONMA」の女子プロたち。右から笠りつ子、森田遥。イ・ボミ(韓国)、福田真未来ら。(1月5日、2015HONMA新年パーティー=東京ミッドタウン ガーデンテラス)
2015 「チームHONMA」の女子プロたち。右から笠りつ子、森田遥。イ・ボミ(韓国)、福田真未ら。(1月5日、2015HONMA新年パーティー=東京ミッドタウン ガーデンテラス)

1月5日、「本間ゴルフ」は東京・港区の東京ミッドタウン・ガーデンテラスで「2015 チームHONMA 新年パーティー」を開き、その中で今年新たに男子プロの藤本佳則、女子プロの福田真未との製品使用契約、さらにこの日プロ転向宣言をしたトップアマ、森田遥との製品使用契約締結も併せて発表しました。老舗ゴルフ用品メーカーが、プロ宣言したばかりの未知数の選手と早々に契約するのは珍しいことです。本間ゴルフは、昨年男子ツアーの賞金王、小田孔明はじめ賞金ランク8位の谷原秀人、ようやく花を咲かせ始めた岩田寛に高山忠洋ら。女子では賞金ランク3位のイ・ボミ(韓国)や笠りつ子らと契約を行っています。15年は、これらに加えて藤本佳則(14年賞金ランク12位)をチームに入れ、さらにトップアマの森田遥も新規加入させるなど大攻勢をかけているメーカーです。

発表会に出席した森田遥は、今春の高校卒業を控えた18歳の初々しい笑顔で紹介を受け「きょうプロ転向をしましたが、まだプロになった実感はありません。米ツアーのQTは最後まで進めませんでしたけど、下部ツアーには出られるので、これから米国で地道に上を目指していきたいです。アマチュア時代、これで満足というゴルフがなかなかできなかったので、これからは改めて基礎を固め、プロとして満足できるゴルフをしたい。世界のトップ選手と戦うことが小さいころからの夢でした。みんなに尊敬される選手になりたい」と、力強く抱負を話しました。12月26日、東京都内で行われた日本ゴルフ協会のナショナルチーム慰労会に出席した遥は「2月からは米女子の下部ツアーに出ます。米国でいろんなことを学びたい」と、米国を主戦場としてプレーする意向をJGAの前でも改めて示しました。

細身の体ながらキレあるショットを放つ森田遥。(14年の国内ツアーで)
細身の体ながらキレあるショットを放つ森田遥。(14年の国内ツアーで)

アマチュア時代の森田遥は、数々の実績を残しました。両親は元卓球選手の中国人。遥も高松生まれの日本育ちながら国籍は「中国」。9歳で父親からゴルフを教わり11年、15歳で四国ジュニアゴルフ選手権優勝。四国女子アマ選手権優勝。12年は四国ジュニアゴルフ選手権に2連勝。香川県女子アマゴルフ選手権優勝。フンドーキンレディス、リゾートトラストレディスのプロツアーにも顔を出し、ともに20位タイでローアマ。13年は日本女子アマゴルフ選手権で優勝。女子アマの最高峰に立つ。
14年はニュージーランド女子ストロークプレー選手権で3位。国内ツアーではヨコハマタイヤPRGRレディス(3月)で、優勝した一ノ瀬優希と最終日、優勝争いをして1打差3位の大善戦。サイバーエージェント・

ティーショットの前、飛行方向を確認する森田遥。(14年の国内ツアーで)
ティーショットの前、飛行方向を確認する森田遥。(14年の国内ツアーで)

レディス(5月)では、2日目堀琴音とともにアマチュア2人が首位に並び、最終日を迎えるという88年ツアー制度施行後初めての偉業。最終日は2打差の2位に終わりましたが、ここでも優勝した一ノ瀬優希をして「あの子は強い」と言わしめました。最終日一緒の組で回った申ジエ(韓国)は「怖いもの知らずの2人のプレは刺激になった。日本の将来を担っていく頼もしい若い子」と。10月、中国・海南島で行われた米女子ツアー、ブルーベイLPGAでは、通算6アンダーで17位となり、初の米ツアー挑戦でベストアマを獲得しました。

ドライバーの平均飛距離は240ヤード。164㌢の細身のプレーヤーですが、切れのいいショットで度胸のいいゴルフをするのが特徴。米国でも戦えそうな強いキャラクターを持っています。沖縄出身の宮里美香が、高校卒業と同時に、日本ツアーを飛び越えて米ツアーに挑戦しましたが、それに次ぐ森田遥のチャレンジです。今季の米下部ツアーは20試合程度が組まれているようですが、下部ツアーとはいっても、厳しい戦いが待っているでしょう。

強気なゴルフを身にけている森田遥は米国でも通用するか?(14年の国内ツアーで)
強気なゴルフを身にけている森田遥は米国でも通用するか?(14年の国内ツアーで)

1月下旬、高校の卒業試験を済ませたあと渡米する予定ですが、米ツアーの荒波に18歳の若き乙女が単身飛び込む勇気ある挑戦です。7月上旬にある日本女子のプロテストへの受験も考えられますが、国内ツアーでも何試合かは遥のプレーが見られるかもしれませんー。