18歳森田遥。米下部ツアー初Vに続き、全米女子OP予選トップ通過!単身乗り込んだ米ツアー挑戦計画、着々前進!

ひとり米国へ乗り込み、全米女子オープン最終予選、トップ通過した森田遥。
ひとり米国へ乗り込み、全米女子オープン最終予選、トップ通過した森田遥。

18歳でひとり米国に乗り込んだ森田遥(18)が、脚光を浴びようとしています。メジャーの全米女子オープンゴルフ米国予選(フロリダ州ニュースムーナビーチ・シュガーミルCC=5月29日)にトライしてトップ通過、本大会の出場権を獲得しました。高松中央高を今春卒業したピカピカの18歳。昨季、高3のアマチュアながら国内女子ツアーのサイバーエージェント・レディスで優勝争いの末2位に入るなど、超アマチュアのゴルフをみせていました。今年1月にプロ転向。日本ツアーには見向きもせずに米国下部ツアーに参戦。5月には第8戦のシメトラクラシック(下部のシメトラツアー)でプロ初優勝したばかり。今度は全米女子オープンの予選で、この会場上位2人にしか与えられない出場権をつかんだのです。どこまで伸びていくのか、末恐ろしいほどの才能を発揮する18歳。ペンシルベニア州ランカスターで開催(7月9~12日)される全米女子オープンは見逃せません。

☆     ★     ☆

細身ながらフルショットする森田遥のドライバーは240~250ヤード。
細身ながらフルショットする森田遥のドライバーは240~250ヤード。

遥が挑戦したフロリダ・シュガーミルCCで行われた最終予選は78人が参戦。36ホールの長丁場を遥は69、67の136、通算8アンダーで走破。2位には6打差をつけるトップ通過です。出場権はこの会場では上位2人にしか与えられませんでしたが、楽々のゲット。これまで、宮里藍や有村智恵らが挑戦して突破できなかった予選会のハードルを、いとも簡単にクリアしたのですからたいしたものです。地元紙には「予選では多くのグリーンをとらえ、パットもよく入った。全米女子オープンの本番は、50%は経験が必要でしょう。でもあとの50%は挑戦です」と、負けん気の遥らしいコメントを載せていたそうです。この前向きの気持ちこそ、森田遥の真骨頂です。下部ツアーのシメトラクラシックで1勝目を挙げたときも、最終日は1打差の2位からスタート。通算12アンダーとして首位タイでホールアウト。カナダ選手とのプレーオフ2ホール目でバーディーを奪って優勝を決めたのでした。

あくまでも勝気な森田遥。打球を追う目も鋭い。
あくまでも勝気な森田遥。打球を追う目も鋭い。

両親は中国人で元卓球選手。遥は高松生まれの日本育ち。9歳のとき父親からゴルフを教わり11年には四国女子アマ優勝。13年は日本女子アマを制し、ナショナルチームのメンバーでトップアマの仲間入り。細い体ながらフルショットしていく攻撃ゴルフが頼もしい選手です。プロツアーにもたびたび登場して非凡なところをみせてきましたが、昨季は3月のヨコハマタイヤPRGRでも1打差の3位。勝みなみのKKT杯バンテリン優勝など、昨年吹きまくったアマチュア旋風の中心にいたスーパーアマチュアの一人です。5月のサイバーエージェント・レディスでは2日目を終わって二人のアマチュア、堀琴音と森田遥の18歳コンビがトップに並び、最終日、最終組で回って驚かせました。優勝は一ノ瀬優希プロにさらわれましたが、遥は2打差の2位に入って実力のほどを実証する試合になりました。プロツアーで先に勝った2年下の勝みなみも「彼女は技術的にも精神的にも強い選手」と、遥を評しています。

本間ゴルフの新製品発表の席上、プロ転向宣言をしたときの森田遥(15年1月都内のホテル)
本間ゴルフの新製品発表の席上、プロ転向宣言をしたときの森田遥(15年1月都内のホテル)

高校卒業を待つようにしてプロ宣言をした(今年1月5日)遥は、日本ツアーを選ばずいきなり米ツアー挑戦を選択しました。昨冬12月にフロリダで行われた今季の米女子ツアー出場権をかけた最終予選会(5日間90ホールを戦う)に出場した遥は、4日目まで進出しましたが、上位71人による最終ラウンドに進めませんでした。しかし、下部ツアーへの参加が認められ、来季のツアー昇格を目指して2部ツアーの「シメトラツアー」を戦っています。この下部ツアーで年間3勝するか、賞金ランク10位以内に入ると来季の米女子ツアー出場権が獲得できます。

遥は米国でのゴルフ生活をするための経費は、当座でも約2000万円が必要とあって、近年注目を集めている「クラウドファンディング」を活用して資金集めをして話題を集めました。インターネットを介して不特定多数の個人から資金(支援金)を集めるプロジェクトですが、森田は「女子プロゴルファー世界一を目指してアメリカに遠征したいです」と、自分をアピール。彼女の夢に共感してもらえるサポーターを募ったところ、早々と予定していた500万円の軍資金が集まってこのプランは成功を収めたようです。こういう試みを実行しているのもゴルファーでは初めてで、何でも積極的に踏み込んでいく遥らしい行動といえるでしょう。

本間ゴルフの用品使用契約女子プロたちと。右から2番目が森田遥。その右は笠りつ子。左はイ・ボミ(韓国)ら。
本間ゴルフの用品使用契約女子プロたちと。右から2番目が森田遥。その右は笠りつ子。左はイ・ボミ(韓国)ら。

今年1月にはプロ転向と並行して本間ゴルフと新規製品使用契約を結び、業界でも力強いサポートを受けています。着々と自らのプランを実行に移して前進している異色のゴルファー、森田遥。ビッグチャンスを得た初の海外メジャー、7月9日から始まる全米女子オープンでの戦いぶりは、いまから興味深々です。

註⇒今季の全米女子オープンは、宮里美香が5月18日米バージニア州での予選会を通算6アンダーでトップ通過。本戦に出場しますが、宮里藍、有村智恵らはまだ出場権がありません。日本地区では6月15日、兵庫・有馬ロイヤルGCで最終予選会が行われます。