今年1月24日で69歳になった尾崎将司に、新たな所属契約先が名乗りー。宇宙品質のカーボン技術を取り入れて高級カーボンシャフトを制作している「㈱セブンドリーマーズ」」(本社・東京港区、阪根信一社長)との1年単位の所属契約を結んで話題を呼んでいます。世の中にないモノを創り出す技術集団ー同社のシャフトは、すべてが完全オーダーメイドで、最高は1本1200万円という信じがたい最高級シャフト。ジャンボモデルの″オート・クチュール・デザインシリーズ〝は、1本18万円がベースとなりますが、同社特製のキャディーバッグは、1個100万円からという破格のプライス。通算113勝のジャンボですが、70歳を目前にして新たな所属契約が舞い込んでくるとはー。さすがジャンボというべきか、これを受けたジャンボは 「こんなシャフト(クラブ)があるのなら、もうひと踏ん張りしてやろうと意欲が出た」と、4月14日開幕の国内開幕戦(東建ホームメイト杯)へ向け、新兵器をかざしてのろしを上げました。
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昨年暮れこのシャフトを装着したドライバーをテストしたジャンボは「軽いのにしっかり感がある。今までにない弾道と高さが出た。なによりも方向性がいいのにびっくりした」と、″飛んで曲がらない〝理想のシャフトであることを実感したという。ゴルフ界では聞きなれない「セブンドリーマーズ」は、小惑星探査機「はやぶさ」プロジェクトに加わるなど、宇宙開発に関わり、そこでのカーボン技術をゴルフシャフトに応用して制作している会社。ジャンボモデルとなる″オート・クチュール・デザインシリーズ〝は、3D測定システムを使用し、購買者のスイング情報を3次元で測定してデータ解析してシャフトを設計・製造するという。1本1本が丁寧にデザインされた、世界で唯一のオーダーメイドシャフトというわけです。
2012年から開発を始めてきたという阪根信一社長は「宇宙工学を利用して世界最高精度のシャフトを作り出すことができた。ジャンボさんのお宅には昨年夏からお邪魔して、いろいろなご意見も聞かせてもらった。単にプロモーションの力になっていただくだけでなく、いい製品を設計・開発できるアドバイスももらえる人として信頼しています。まさに念願がかなったというところです」と、ジャンボとの呼吸が合ったことの喜びを語っています。
カーボンシャフトが世に出てからもう40年になんなんとしますが「セブンドリーマーズ」が作り出したシャフトは、合成する樹脂の量を極端に軽減し、カーボン純正に近いカーボンシャフトを作り出したのが画期的な部分です。ジャンボは「自分も40歳のころからカーボンシャフトを使ってきたが、軽量化になればなるほど一方で腰の強さが必要なんだ。軽量化で一番嫌なのは、シャフトが動き過ぎること。そうなると球がぶれる。このシャフトはそれがない。アイアンのシャフトもドライバーから流れがきていて、いままでにない弾道が出る。飛んで曲がらないシャフトだね。オレだっていまも1ヤードでも前に飛ばしたい。アマチュアと一緒だよ。この画期的なシャフトを使って、1年でも1日でも長くプレーできることを、オレが証明したい」と、久々に巡り合った″逸品〝に興奮気味に話しています。
「今回の契約で、もうひと踏ん張りしようかな、という意欲が湧いてきた。夢がある会社。同じ船に乗って夢や希望をもう一度追いかけたい。俺の夢は一つだけ。レギュラーツアーで頑張ること。協会に入る夢なんてないよ」(ジャンボ)と意気込む69歳は、12月から加圧トレーニングを始めて体づくりに励んでいます。日本ゴルフツアー機構(JGTO)の次期会長就任が決定的な青木功(73)をチクリと冷やかしながら、″生涯現役〝のジャンボ・ポリシー を改めて強調しました。
3月からはコースでのラウンドの回数も増やして実戦態勢。新兵器のテストにも熱を込めて4月17日の国内開幕を目指します。ジャンボのレギュラーツアー最後の優勝は、02年の全日空オープン。14年ぶり、69歳での最年長Vの夢は、現実的には遠いものです。昨季も持病の腰痛との闘いもあって、11戦して予選落ち5回、棄権6回。4日間を戦ったことは1試合もありませんでした。そんなジャンボに、″飛んで曲がらない〝宇宙開発シャフトは、どこまで手助けになるでしょうか?
(了)