シニアでは異次元の飛距離!ビッグマウスが止まらないマークセン。早くもシニア2勝で賞金王? 来季は米シニアツアーへ!

「シニアでは90%の確率で勝てる」と豪語したマークセンのビッグマウスは健在!(コマツ・オープン=小松CC)
「シニアでは90%の確率で勝てる」と豪語したマークセンのビッグマウスは健在!(コマツ・オープン=小松CC)

7月末のマルハン杯太平洋クラブシニアでシニア初優勝「シニアでは90%は勝てる!」と豪語。一部からひんしゅくを買ったプラヤド・マークセン(50=タイ)が、シニア出場6戦目のコマツオープン(石川・小松CC)で早々と2勝目。賞金王レースも室田淳(61)を抜いて2位に上がり、3050万3000円で1位の崎山武志(53)を185万円余で急追する展開。ビッグマウスがウソではない快進撃で国内シニア界をかき回しています。レギュラーツアーでもまだシード選手。シニア入りした今季は、両ツアーを掛け持ちして荒稼ぎです。コマツオープン(優勝賞金1200万円)は、初日から65でトップに立ち、3日間とも60台で回り2位に5打差をつける完全優勝でした。″ビッグマウス・マークセン”の強さを、いま一度クローズアップします。

☆      ★      ☆

1㍍64、68㌔の豆タンクのような体躯。その小さな体から、目を見張る飛距離のドライバーを放つのがマークセンの売り物です。選手によっては「50ヤードも置いていかれる」という飛距離。コマツ最終日、3打差の3位からマークセンの逆転を狙った高見和宏は、逆に5打差と差を広げられて2位タイにとどまるのがやっと。「2日間、マークセンとラウンドして、ゴルフの内容が違うと感じた。フランキー(ミノザ=比国)らも飛ばすけど、マークセンはもっと飛ぶ。ちょっと異次元の距離。飛ばすだけがゴルフじゃないけど、あれだけ現役(レギュラー)並みのゴルフをされると・・」(高見)。もうお手上げでルーキー、マークセンの登場に苦虫をかみつぶしています。

マルハン杯太平洋シニアに続き、コマツで早くもシニア2勝目の優勝カップを掲げるマークセン(コマツOP=石川・小松CC)
マルハン杯太平洋シニアに続き、コマツで早くもシニア2勝目の優勝カップを掲げるマークセン(コマツOP=石川・小松CC)

コマツでは初日からボギーなしの7バーディー65で回りトップ発進。「今週はフェアウェイもグリーンも自分に合ってるから2勝目を狙えるよ」と、いきなり高々と大口宣言。その言葉通り、2日目も5バーディー、ノーボギーの67で首位をキープしながら「きのう(初日)からいくつも惜しいパットを外してる。きょうも初日と同じようにスパイクマークで苦労した」と、″もっと伸ばせなかったのはスパイクマークのせい!”とばかりのご託宣。「でも明日も5、6アンダー出せば勝てるよ」と優勝予告!も。

前週のアルファクラブ杯シニア(栃木・矢板CC)では、2日目インスタートの17番から7番までをツアー最多記録となる9連続バーディーなど12バーディー、ノーボギー。ツアー最少ストロークの「60」を出したばかり。それでいながら優勝を逃がしたのはご愛嬌ですが「あれは最終日に自分に期待し過ぎて(ショットの)距離が合わずミスした」(マークセン)と、悔しさをあらわにしたばかり。それにしても12アンダーの「60」を簡単にマークするあたりは、このタイ野郎はただものではないのは確かです。

で、コマツの最終日はまたも前半から3つ伸ばし、バックナインでも3バーディー、1ボギーで67。着実にスコアを作って通算17アンダーの危なげない完全優勝。一緒に回った高見をして「異次元の飛距離。ゴルフの内容が違う」と、言わしめたのです。

″異次元〝の飛距離で飛ばすマークセン(タイ)は、国内シニアに旋風を吹き込んだ(石川・小松CC)
″異次元〝の飛距離で飛ばすマークセン(タイ)は、国内シニアに旋風を吹き込んだ(石川・小松CC)

☆予言通り、ぶっちぎりのシニア2勝目を挙げたマークセンの弁

「コマツのコースは自分に合ってるから絶対勝てると思っていた。パットの調子はあまりよくなかったけど優勝できた。15試合、ずっとプレーしてるのでちょっと疲れがたまってます。(家族は?)タイには子供が4人いる。上が21歳男。18歳男。11歳女。5ヵ月の男の子。みんな可愛いです。毎日電話している。一番上はゴルフをしていてプロになりました。まだ優勝はないです。一緒にラウンドしてもまだ負けない。将来は一緒のトーナメントに出たい。(賞金トップへ185万7000円差の2位。賞金王を目指してますか?)今年は米チャンピオンズツアー(シニアツアー)のQスクールを目指しているので、(賞金王)なりたいですね。残り7試合頑張ります」

国内のレギュラーツアーでは通算5勝を挙げ、いまだにシード選手を続けるマークセンです。昨季のレギュラー賞金ランクは20位。ダンロップ・スリクソン福島OPでは優勝していますし、日本OP5位、ミズノOP6位、東建ホームメイト杯8位とトップ10にも数多く入る実力を保持しています。今秋は米シニアツアーのクォリファイングを受験するという。シニアとはいえ、いまのマークセンには衰えはみえず、普通ならば楽に米シニアの予選会もパスするでしょう。そうなればビッグマウスも来年は米国へ去ってしまうわけですが、日本シニアにとってはほっとするような、寂しいような、複雑な思いが残ります。アジアを股にかけて戦う百戦練磨の渡り鳥。今年は日本のシニア王になって、次のアメリカへ飛び立つのでしょうか?!日本のゴルフ史にも残るしたたかなゴルファーです。

★マークセンの今季成績

≪国内シニアツアー≫

KYORAKU(5月)       2位
スターツ(6月)          6位
マルハン杯太平洋クラブ(7月)   優勝
ファンケルクラシック(8月)    7位
アルファクラブ杯(9月)      13位
コマツOP(9月)         優勝

≪レギュラーツアー≫

SMBCシンガポール(1月)    49位
レオパレス21ミャンマー(2月)  12位
東建ホームメイト杯(4月)     17位
パナソニックOP(4月)      23位
中日クラウンズ(4月)       予落
日本ゴルフツアー選手権(6月)   予落
ISPSハンダグローバル(6月)  43位
長嶋茂雄招待セガサミー(6月)   9位
日本プロ日清杯(7月)       予落
ダンロップスリクソン福島(7月)  46位
RIZAP・KBC(8月)     予落