″世界の大坂なおみ〝にあやかれるか!?同じヨネックス契約。米女子ツアーをいきなり主戦場に戦う山口すず夏(18)は?

ヨネックス林田草樹社長を真ん中にガッツポーズする山口すず夏(右)と石井理緒(左)=ヨネックスとの用具契約発表で=東京・品川

高校3年生で昨年12月、プロに転向した山口すず夏(18=共立女二高)の米ツアー挑戦が、いよいよ2月から始まります。ヨネックスとの用具使用契約を結んだ山口は、同じヨネックスと契約するテニスの世界女王・大坂なおみ(21)の活躍にあやかって「いつかは私も全米女子オープンで優勝したい」と世界での共闘を宣言。プロ初戦となる豪州・ISPSハンダ・ビックオープン(2月7日開幕、メルボルン)へ渡豪しました。山口は15年の全米女子オープンに史上最年少の14歳で出場して脚光を浴びました(予選落ち)。昨年11月には米女子ツアーの出場権をかけたGT(予選会)を受験して36位。45位までが得られる来季の出場権を獲得。12月には米女子ツアー登録を済ませています。日本の女子ツアーを飛び越えて、いきなり米女子ツアーに挑戦するすず夏の意気込みやよし!です。ヨネックスは、16年の全国高校ゴルフ選手権春季大会で優勝、ヨネックスレディスではベストアマ3度の石井理緒(19=新潟開志国際高)との用具使用契約も同時に結びました。

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高卒からいきなり米女子ツアーを主戦場にする決意を語る山口すず夏(18)=ヨネックス用具契約発表で(東京・品川)

かつて宮里美香が、日本ツアーを飛び越えて米女子ツアーに参戦したことがありましたが、山口すず夏の挑戦は久々日本なでしこの英断といえるでしょう。今春卒業する共立女二高時代には数々の栄光を手にしたすず夏です。1月22日、東京・品川でヨネックスとの用品使用契約を結んだすず夏は、開口一番「タイガー・ウッズのような魅力あるプロになりたいです」と、いきなり驚くような大きな夢を語りました。海外メジャー史上最年少の14歳で全米女子オープンに挑戦(15年)して周りをアツといわせたのに始まり、すず夏のゴルフ人生は積極果敢な闘争心がむくむくと湧出してきます。この中学3年(神奈川・鵜野森中)のときは「全米女子オープン日本地区最終予選会」にも挑戦、2位で通過して「小学生のころから憧れていた」という本戦出場(ペンシルべニア州ランカスターCC)を果たしました。決勝ラウンドには進めませんでしたが「これがメジャーの雰囲気なんだと実感しました。パターがダメだった」と、強い刺激を受けたすず夏でした。

仲良し2人。そろってヨネックスと用具契約(左・石井理緒、右・山口すず夏=東京・品川、ヨネックス用具契約発表で)

17年には全国高校ゴルフ選手権春季大会で優勝。高3になった昨年は、1月に豪州女子アマチュアゴルフ選手権で優勝。このあとアボンデールアマ(豪州)でも優勝してプロツアーのISPSハンダ豪州女子オープンに招待選手として招かれました。結果は57位でしたが、初日には68をマークして非凡なところをみせる健闘。昨年から新設された女子のアジア・パシフィック・アマ選手権では11位。豪州を転戦したこの1~2月は「日本には1週間くらいしか帰らなかった」(すず夏)と、アマでありながら「4日間大会も多く、高いモチベーション」で戦った遠征も経験しました。国内の女子プロツアーにも顔を出し、3月のTポイントレディスでは16位でベストアマになるなど、着々とプロへの足固めをしてきたすず夏です。

壇上、父親(右)に感謝の手紙を読む山口すず夏(左)=東京・品川、ヨネックス用具契約発表で。

小学5年からヨネックス製品を使用。同社のEZONE GTのニュードライバーを使うようになって「飛距離が伸びた。クラブのセッティングも自分に合っている」とすず夏はいう。最近ではドライバーは260ヤード平均を記録する飛ばし屋にもなってきました。距離の長い米国のゴルフ場で戦うには力強い武器です。今年1月から「環境ステーション」(不動産コンサルティング会社)との所属契約も結び、サポート体制も万全になりました。米ツアー挑戦と同時にすず夏のもう一つの夢は2020年の東京五輪を目指すことです。そのためには米ツアーでもシード権を獲得して、あわよくば優勝を手にすることです。

賑わう国内女子プロツアー。山口すず夏は見向きもせずに、いきなり米女子ツアーへ。(昨季のヨネックスレディス=新潟)

いよいよ来週2月7日、プロデビューするISPSハンダ・ビックOP(豪・メルボルン)。同じメルボルンで大坂なおみの強運を
さずかれるかどうか。荒波に乗り出すすず夏のハードな旅が始まります。注目しましょう!

(了)