17歳でつかんだ「せごどん」アマ女王は ジャンボ尾崎の秘蔵っ子だった!千葉・麗沢高3年・西郷真央

今年の女子アマ日本一に輝き、嬉しいカップを掲げる西郷真央(愛媛・エリエールGC松山)=写真提供:日本ゴルフ協会

女子ゴルフ界にまた新星!17歳の西郷真央(さいごう・まお=千葉・麗沢高3年)が日本女子アマチュア選手権(愛媛・エリエールGC松山)で逆転優勝。今年の「アマ女王」に輝きました。首位と2打差2位から出た西郷は、5バーディー、1ボギーの68で回り4日間通算16アンダー。3日間首位を守った和久井麻由(18=東京・代々木高3年)を逆転、初の女子アマ日本一に。98年生まれの「黄金世代」よりさらに若い2001年生まれの新世代からのスター候補生誕生。次々と10代の新鋭が台頭してくる女子ゴルフ界の勢いはとどまるところを知りません。西郷は日本女子オープン(10月)の出場権もゲットし、プロテストは1、2次が免除され、11月の最終ステージに挑戦します。

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西郷真央もジャンボ尾崎の秘蔵っ子なのに驚かされました。いま、女子ではツアーで大活躍の原英莉花(20)=6月のリゾートトラストで初優勝=がジャンボの愛弟子として話題を集めていますが、さらに続く女子の″金の卵〝もジャンボの指導を受けているゴルファーでした。千葉県生まれの西郷ですが、千葉・船橋市に自宅を構えるジャンボ宅には30~40分で行ける距離。中3のとき、ジャンボファンの父・雄史さん(52)が尾崎将司主宰の体験レッスン会に申し込みをしたのが、真央さんとジャンボの出会でした。その後、麗沢高2年になる17年3月にはセレクションを経てジャンボが立ち上げた「ジャンボ尾崎ゴルフアカデミー」の1期生となり、いまでは足しげくジャンボ宅に通っている真央さんです。

師匠のジャンボからはさっそく「せごどん(西郷)は、いずれやるとは思っていたけど、全日本での優勝は大したものだ」との祝福のメッセージがとどいたそうです。ジャンボ自身、いきなりアマチュア最高峰の試合に真央が優勝したのは驚きだったのでしょう。原英莉花に続き″せごどん、17歳の快挙〝には、めったに人を褒めないジャンボがわがことのごとく喜んだといいます。

千葉・船橋市出身。父親の影響で5歳からクラブを握り、14年には関東中学選手権、16年には千葉県ジュニア選手権などに優勝。16年の世界ジュニアでは4位タイに入る健闘でした。麗沢高進学後は18年関東高校選手権・団体で優勝。19年の千葉県ジュニアに2度目の優勝を果たしました。プロツアーには今年のニチレイレディスなど計5試合に出場しています(すべて予選落ち)。現在、ドライバーの平均飛距離は240ヤード。
今回の日本女子アマでは初日に9バーディー(1ボギー)をマークする「64」のビッグスコアで、トップタイのロケットスタートでした。2日目「71」で4位に後退しましたが、3日目に60台(「69」)をまた出して2位に回復。2打差を追った最終日。トップを走った和久井が2連続ボギースタートで真央は労せずトップに並びました。4、5番和久井の連続バーディーで盛り返されましたが、西郷も前半で2バーディー。通算14アンダーで並んだ和久井と後半戦に入るデッドヒートを演じました。しかし、10番(パー4)で7㍍のバーディーチャンスを決めた西郷が単独トップ。11番(パー5)では残り245ヤードを2オンさせ、2連続バーディーを奪って和久井を突き離しました。勝負どころを逃がさなかった西郷の粘り勝ち。日本女子アマ初出場した昨年の37位を見事にリベンジ、2回目の出場で「アマ女王」を見事に勝ち取りました。

 

ドライバーの平均飛距離240ヤード。安定したショットをみせる西郷真央。今年11月にはプロテストに挑戦する(日本女子アマ選手権)

★17歳で「アマ日本一」をつかんだ西郷真央のコメントは?

「最後の18番は、まだ(優勝かどうかは)分からなかったのでとりあえず2パットでパーで上がるようにと考えていました。1㍍ちょっとのパーパット。17番でも同じような距離を決めていたので、ミスパットしなければ入ると思って打ちました。最後入れて嬉し泣きするかなと思ってたけど、(優勝かどうか)まだわからなかったので・・。きょうは緊張すると覚悟していたから、あまり高ぶらず冷静にできたのがよかった。パットも入ってくれたし、今週はアイアンがかなりよかったです。和久井さんが出だし連続ボギーにしましたが、彼女の性格なら戻してくると思ったので気にしていなかった。(ジャンボアカデミーに入って変わったところは?)精神的に強くなったかな。最後の3ホールぐらいは。1年前に比べたら少し強い選手になれたかな。ジャンボさんはスイングを見てくれていて的確にワンポイントアドバイスをしてくれます。私は元々トレーニングも嫌いで、体力不足でスコアも出ない時期もあったけど、いまはトレーニングも好きになりました。日本女子オープンに出られるのはうれしいです。これからは、強くてゴルフを始める人が憧れるような選手になりたい。まずは日本ツアーで経験を積んで、先のことはわからないけど、米ツアーに行けたらいい。最終的には永久シード(国内ツアー30勝)をとることです」

17歳の乙女の夢は、無限に広がります。日本女子アマを制した歴代のチャンピオンには過去10年を振り返れば吉田優利(18年)、安田祐香(17年)、高橋彩華(16年)勝みなみ(15年)、蛭田みな美(14年)、森田遥(13年)、比嘉真美子(12年、11年)、酒井美紀(10年)、藤本麻子(09年)、森桜子(08年)と、のちにトッププロになっているケースがほとんどです。千葉・麗沢高からは昨年の吉田優利に続いて2年連続の女子アマ優勝。安田祐香は今春、初開催の「オーガスタ・ナショナル女子アマ」に出場、3位に入る健闘をみせたばかり。高橋彩華は1週前のニチレイレディスで鈴木愛とのプレーオフに敗れるなど逸材ぞろい。そして、非凡な才能を大御所・ジャンボ尾崎に認められた西郷真央。黄金世代(98年生まれ)からさらに若い21世紀生まれの″プラチナ世代〝を担う″せごどん〝アマ女王の今後が見逃せません。

(了)