本来なら2020年のマスターズ・チャンピオンがいま誕生するはずでしたー。4月9日からの4日間はゴルフの祭典・マスターズウイーク。昨年はあのタイガー・ウッズが、咲き誇る花々に囲まれ11年ぶり通算15勝目のメジャー制覇をマスターズで飾り、ゴルフ界を沸かせました。しかし、今年は思っても見なかった新型コロナウイルス禍で開催延期の異常事態です。ガタガタになった各メジャー。一体いつ開催されるのか。4月第1週になり新日程が発表されました。注目のマスターズは、春から秋へ。11月12~15日(オーガスタナショナルGC)、シーズン最後のメジャーとして行われます。各主催団体から発表された4大メジャーの日程は?″延期〝が多い中で、最古のトーナメント全英オープンだけは「中止」が決定しました。
☆★ ☆★ ☆★
本来なら今週は美しいアゼリアやドックウッド満開のマスターズウイークのはずでした。2連覇を狙うタイガー・ウッズには数万人のギャラリーから熱い視線が集まったでしょう。で、新しいマスターズチャンピオンは? ところが、オーガスタナショナルは空しい″無人〝のウイークが通り過ぎました。新型コロナウイルスの感染拡大が伝えられると、主催するマスターズ委員会は開幕1ヵ月も前の3月13日に早々と「今季のマスターズは延期する」と告知しました。日時は未定のままの発表でしたが、PGAツアーは4月6日になって、他のメジャーなどとともに新日程を発表。マスターズは11月12~15日にオーガスタ・ナショナルで行われるとしました。米男子ツアーは近年、9月には新シーズンが始まりますが、11月開催のマスターズの扱いはどうなるのか、出場資格は?さらに翌年4月にはすぐに21年度のマスターズを行うのか、など細かい試合要綱はまだ発表されていません。日本ツアーではこの週、三井住友VISA太平洋(静岡・太平洋クラブ御殿場)とぶつかります。ただ、「マスターズ2週前時点での世界ランキング50位以内」という従来の規定から、今季の出場権を持っている松山英樹(世界ランク22位)と今平周吾(世界ランク41位)2人の出場は間違いないと思われます。
新型コロナウイルスの感染拡大によって延期や中止が続く米男子ツアーですが、メジャー大会、全英オープンの大会中止はショックです。本来なら7月16~19日、ロイヤルセントジョージズGC(イングランド)で開催されるはずでしたが、パンデミック(世界的大流行)により「今年は中止せざるを得ない」との決断でした。世界最古のメジャーが中止になるのは、第2次世界大戦時以来75年ぶりという大きな″事件〝になりました。
昨年から5月開催(従来は7~8月開催)に変わっていた全米プロ選手権。今年はコロナ禍で元の8月に戻り、8月6~9日(カリフォルニア州TPCハーディングパーク)に延期です。全米オープン選手権も例外ではありません。6月18~21日から9月17~20日(ニューヨーク州ウイングドフットGC)と、これも秋の陣に変わります。
≪男子メジャー≫を日時順に並べると次の通りです。
①全米プロ(8・6~9)=延期
②全米オープン(9・17~20)=延期
③マスターズ(11・12~15日)=延期
中止⇒全英オープン
≪女子のメジャー≫
①全米女子プロ(6・25~28)変わらず。
②エビアン選手権(7・23~26)延期⇒8月6~9日
③AIG全英女子オープン(8・20~23)変わらず。
④ANAインスピレーション(4・2~5)延期⇒9月10~13日
⑤全米女子オープン(6・4~7)延期⇒1
2月10~13日
日本からも出場者の多い4月のANAインスピレーションはすでに日程を過ぎて、9月への延期が決まっています。全米女子プロと渋野日向子がディフェンディング・チャンピオンで注目のAIG全英女子オープン(ロイヤルトゥルーンGC)は、従来通りで変わらず、全英女子は8月に行われます。例年6月に開催される全米女子オープンは、早くも延期を決め、12月10~13日(テキサス州チャンピオンズGC)。シーズンが押し詰まってからのツアー最終戦となるので異色の大会になりそうです。
日本の国内ツアーは男女、シニア、2部ツアーと、いずれもまだ1試合も行われていません。男子国内ツアーは4月16日の東建ホームメイト杯が幕開ですが、すでに5月いっぱいまで5試合の中止が決まっています。開幕が3月5日と早かった女子ツアーは、1ヵ月が過ぎ、開幕以来10試合が″空白〝です。昨年渋野日向子がツアー初優勝を飾った大会、ワールド・サロンパス・カップのキャンセルは、国内メジャーとしてツアー制施行後(88年)初めての出来事。新型コロナウイルス感染拡大は、今後もまだ終息のめどが立ちません。米ツアーはじめ日本ツアーともども深刻な事態となっています。
(了)